スコセッシ次回作は遠藤周作『イエスの生涯』が原作に、『沈黙 -サイレンス』に続き ─ 上映時間80分目指す、脚本執筆済み

『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』(2023)マーティン・スコセッシ監督の次回作が、遠藤周作の著書『イエスの生涯』に基づく内容となることが判明した。『沈黙 -サイレンス』(2016)以来2度目となる遠藤周作作品の映像化となる。
本企画は、2023年5月に初めて報じられたもの。カンヌ国際映画祭に出席した後、イタリアへと渡ったスコセッシはローマ教皇と面会し、イエス・キリストに関する映画を作ることを伝えていた。
このたびスコセッシとのインタビューを行った米Los Angeles Timesは企画の新情報を伝えている。スコセッシは遠藤の『イエスの生涯』を基に、映画評論家・映画製作者のケント・ジョーンズと脚本を執筆済みだという。『イエスの生涯』はタイトルの通りイエス・キリストの生涯に迫った内容で、カトリック教徒である遠藤の視点で語られる“真実”を描いた作品だ。

物語は「現代」を舞台としているというが、スコセッシは「時を超越した映画となってほしいという思いから、特定の時代の型にはまったものと捉えてほしくない」とのこと。物語は、改宗を促すものではなく信念を追求していくようなやり方で、イエスの核心的な教えにフォーカスを当てるという。
「私は、組織宗教に対してもっと気楽に接することができるような方法を探し、これまで結び付けられてきた負の重荷を取り除こうとしています」とスコセッシ。映画製作の背景をこう語っている。
「今は、“宗教”と口にすると誰もが身構えるような時代です。なぜなら、これまでにたくさんの失敗があったからです。しかし、それが必ずしも初期衝動が間違っていたということにはなりません。もう一度回帰し、考えようじゃないか。拒絶するかもしれないけど、そうしている時でさえ、人生には違いがもたらされているのかもしれない、と。何も考えずに退けないでほしい。そのようなことを考えています。これは、あと数日で81歳になる人間として言っていることです。」
スコセッシによれば、本作の上映時間は80分を目指しているとのこと。直近では最新作『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』が3時間超えだったことが話題となっていたが、これと対照的な尺となる。撮影は2024年後半にも開始を見込んでいるとのこと。製作陣やキャスト、公開時期については発表されていない。
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Source:Los Angeles Times,Variety