リドリー・スコット『ターミネーター3』辞退を語る ─ 「2000万ドルを断った、私は金で動かない」「私のやることではない」

『エイリアン』『ブレードランナー』などいくつものSF金字塔を打ち立てる巨匠リドリー・スコットは、ジェームズ・キャメロンの伝説的シリーズ『ターミネーター3』(2003)監督候補に挙がっていたとの裏話がある。当時、これを辞退して『ブラックホーク・ダウン』(2001)に進んでいたスコットは、英The Guardianの一問一答企画にて、その事情を明かしている。
「『ターミネーター3』の監督を検討していたというのは本当ですか?」との質問に、スコットは「これは誇りに思っている。2,000万ドルの報酬を断った」と回答。当時のレートおよそ120円にして、日本円で約240億円だ。
巨額のオファーを辞退したことについて、「私は金で動かない」と自身の節を炸裂。ギャラのアップを頼んでみたところ、意外と話が通ってしまって驚いたとも振り返っている。「こんなことも言われた。“アーニー(=シュワルツェネッガー)と同じギャラを頼むべし”と。“やってみるか”と思い、“アーニーと同じギャラを頼む”と尋ねた。すると彼らは承諾した。なんてこった、と思ったね。」
「でも、やれなかった」とスコットは続けている。「あれは私のやることではない。ボンド映画をやるようなものだ。ボンド映画の真髄は楽しさとケレン味だな。『ターミネーター』は純粋なコミック的娯楽だ。私はリアルなものを作りたい。だから私にはボンド映画の話が来ないのだな。どうせ、台無しにしてしまうだろうから」。
その後、『ターミネーター3』はジョナサン・モストウ監督の手によって映像化。評価は賛否両論となり、シリーズは後に歴史修正を試みる流れとなった。
なお、スコットはこの一問一答企画で、「『エイリアン』プリクエル第3作と『グラディエーター3』はありますか?」との質問にも回答。「『グラディエーター』は今進めている。『エイリアン』プリクエルは……、そうだな、アイデアがあればやろう」と答え、『グラディエーターII 英雄を呼ぶ声』(2024)続編の進行も認めた。
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Source:The Guardian