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【レビュー】映画『シーモアさんと、大人のための人生入門』まるで小洒落たカフェでシーモアさんを紹介してもらったかのよう

映画『シーモアさんと、大人のための人生入門』レビュー

今年で89歳を迎えたピアニスト シーモア・バーンスタインを描いたドキュメンタリー作品。
俳優としての在り方に悩んでいたイーサン・ホーク
そんな彼が出逢ったのがシーモア・バーンスタイン。
シーモアさんの演奏に 言葉に 人生観に魅了され心を救われたイーサン・ホークは、自ら監督を務め この作品を撮り上げた。

ぼくは映画館で映画を観ていたはずなのに、まるでイーサン・ホークとは友人関係にあって「Hey!紹介したい人がいるんだ」と 小洒落た夜のカフェでシーモアさんを紹介されたような気分になった。


マブダチのイーサンと初めて出逢ったシーモアさんと3人で、濃密な心の旅をしてきたかのような81分であった。

シーモアさんが語ること
それはピアノの世界 音楽の世界のことである。

人によっては無縁の世界だろう
ぼくにとっても無縁である。

だが、辿り着く終着点は どれも生きていくということに繋がっていた。
誰の心にも響くモノが 誰の心にも刺さるモノがあった。

冒頭、シーモアさんはピアノを弾いている。
ああでもない こうでもないと、正しく演奏するべく ひとつひとつ問題をクリアしていく。

その様子は、今作で描くテーマそのものであった。

生きていると何かしらの問題が生じる。
必ず。
それは小さな問題かもしれないし、大きな問題かもしれない。
カンタンに解決できることもあれば、どう足掻いたって太刀打ちできっこないと思えてしまう問題も出てきたりする。

山積みの問題を前にやんなっちゃうことばかり
どこから手をつけていいのか分からず、途方に暮れてしまう。

そんな人生に悩める者達に、シーモアさんはそっと寄り添ってくれる。
偉そうに何かを押し付けたりなんて決してしない。
正しい方向へ より良い道へぼくらを誘ってくれる。

その場しのぎの漠然とした心の強さではなく、その境地に達することができたのならば 永続的に続く心の強さを
そこに至るための道筋を示してくれていた。

いきなり大きな問題を打ち消すのは容易ではない
そんな一発逆転的的な解決方法があったとしても、いつでも使えるもんじゃない。

大事の前の小事という言葉があるように、そこに至るプロセスを己でしっかりと把握し ひとつずつ順々にクリアしていくべきなのだと思う。

長年かけて音楽の在り方を自らの心へと落とし込んだシーモアさんの言葉
シーモアさんだからこそ出てくる言葉
とても説得力のある言葉
力強くも柔らかい言葉

それらは、目の前のことに漠然と悩み それらへの対処を漠然としている人にとって
きっと大きなヒントを与えてくれる。

ぼく自身がそうであった。

生じた悩みに、明確な意志を持って対処していくこと
その勇気を 些細なことで崩れたりなんかしない勇気の掴み方を、シーモアさんは教えてくれました。

今すぐ現状を変えるのはやっぱり難しいけれど、シーモアさんの言葉を糧とし ひとつひとつ向き合っていこうと思いました。

シーモアさんが発した言葉は一語たりとも書いてはいません。
はじめて彼の言葉を聞くあなたの感じ方を 楽しみを 心地良さを奪うようなことは避けて書きました。
安心して劇場でご覧ください。

マブダチ イーサンと、彼が紹介してくれるシーモアさんに出逢ってきてください。
きっと楽しい時間を過ごせると思います。

Writer

ミヤザキタケル
ミヤザキタケル

映画アドバイザー 元俳優 ライター 映画イベントMC。Instagramを中心に最新映画から懐かしの映画まで幅広く紹介。「ファイトクラブ」 「GO」「男はつらいよ」がバイブル。好きな監督はウディ・アレン。お仕事のご依頼はa.safety.pin.storm@gmail.comまでお願い致します。

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