「SHOGUN 将軍」制作された衣装は2,300着、「ここまでディテールを重視したのは初めてです」 ─ 真田広之、兜をかぶる貴重な舞台裏映像

ドラマ「SHOGUN 将軍」より、衣装制作の裏側に迫る特別映像が米FXより公開された。日本とハリウッドの製作陣がコラボレーションすることで生み出された圧巻の衣装、そのこだわりが明かされている。
1600年、戦乱の世を迎えていた日本を舞台に“将軍”の座をかけた戦国ドラマを描く「SHOGUN 将軍」で衣装制作を率いたのは、フランス出身のコスチューム・デザイナー、カルロス・ロサリオ。『ドント・ブリーズ』シリーズや『蜘蛛の巣を払う女』(2018)など、数々のハリウッド作品に携わってきた。
戦国時代の日本を描いた本作について、ロサリオは「このドラマがあの時代よりも前や後の話だったら、衣装をデザインできなかったと思います。衣装は全てイチから作られました」と語っている。そんな中、デザインを行う上で意識したのが「登場人物たちをグループ分けする」ことだという。
「網代の農民ならば、私がイメージした日本美学のエッセンスは藍色。当時、最も広く行き渡っていた染料ですから。大阪と江戸では色彩が全く異なり、柄も大胆になっていきます。お城に入ればまた別の色彩となり、領主は富をひけらかしたいと思うはずです。」
裁断師を務めるアリソン・ロイによれば、布1反(=1ロール)から作られる衣装は一着のみだという。「無駄になる生地はほとんどなく、それ自体が芸術であるので全てが使用されるのです。余った生地は襟まで織り込まれていきます」。
映像内では陣羽織(じんばおり)の衣装を羽織る真田の姿も映し出されている。陣羽織の衣装の各箇所には、様々な種類の羽根が織り込まれているという。細部にまで凝ったデザインを仕上げたロサリオについて、主演・プロデューサーの真田広之は「非常に才能あふれるデザイナーです」と感激。「純粋な日本人だけのチームでも出来ない何か、日本らしさを保ったまま世界の観客にアピールする、その絶妙なバランスを見出してくれた」と語っている。
このほか、映像ではロサリオがキャラクターそれぞれの衣装に対するこだわりを明かす姿も。例えば向里祐香演じる遊女・菊の衣装については、「自由を象徴する鳥をイメージしています」、浅野忠信演じる樫木薮重の甲冑については「藪は他の領主とは少し違うロックンロールスターのように感じて欲しかったので、黒い羽根を加えました」と話している。
「私は日本の文化と美学に敬意を払うように心掛けました。同時に、自分なりにアレンジしながら西欧の世界にアプローチできる方法も模索しました。」
ちなみに、ロサリオが米Varietyに語ったところによれば、本作のために制作された衣装は、なんと2,300着とのことだ。衣装制作を振り返り、「ここまで注意深く、ディテールを重視して取り組んだプロジェクトは初めてです」と語った。
「SHOGUN 将軍」はディズニープラスの「スター」で独占配信中。
▼ 「SHOGUN 将軍」の記事
「SHOGUN 将軍」大阪・関西万博で衣装特別展示 ─ 真田広之ら着用の兜・甲冑や打掛が見られる 特別上映も! 「SHOGUN 将軍」シーズン2「じっくり慎重に製作したい」とディズニー幹部 ─ プロデューサー「第1話の大胆アイデアに驚いて」 脚本は完成している模様 クリストファー・ノーラン最新作『オデュッセイア』に「SHOGUN 将軍」コズモ・ジャーヴィスが出演 まだまだ豪華になっていく 真田広之「SHOGUN 将軍」シーズン2に「大プレッシャー感じています」 「プレッシャーをエネルギーに」 1980年版「将軍 SHŌGUN」監督、新しい「SHOGUN 将軍」は「アメリカ視聴者のことを全く考えていない」 「新作は滑稽」
Source:Variety