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「SHOGUN 将軍」シーズン2と3、結末は既に決まっておる ─ 徳川家康を学び、「良いものが出来なかったら断念する」とプロデューサーは本気

SHOGUN 将軍
© 2024 Disney and its related entities

1シーズン限りのリミテッドシリーズとして製作されながらも、世界的な大ヒットを受けてシーズン2と3の異例更新が決定した日本×ハリウッドの戦国ドラマ「SHOGUN 将軍」。すでにジェームズ・クラベルによる原作小説を描き切っているため、続く物語はドラマオリジナルとなる。

プロデューサー陣は、日本史の専門家から徳川家康などの史実を詳しく学びつつ、次シーズンに向けた構想を練っているところだという。近く脚本作業を立ち上げるプロデューサーのジャスティン・マークスとレイチェル・コンドウが、米Varietyに最新状況を話している。

「SHOGUN 将軍」では、関ヶ原の戦い前夜を舞台に、徳川家康にインスパイアされた吉井虎永(真田広之)ら架空の日本史が壮大に描かれた。製作のマークスは、シーズン1劇中では「まだ答えが出ていない疑問もたくさんある」と認め、原作者の娘であるミカエラ・クラベル、米制作FXチーフのジーナ・バリアンと一緒に夕食を摂った時のエピソードを話している。

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マークスとコンドウのプロデューサー夫婦はこの意思決定者二人に向けて、「実現するかは分かりませんが、もしも実現したら、こんな感じで物語を始めようと思うんです」と、続きの物語をプレゼンしたのだそうだ。コンドウは「このキャラクターやあのキャラクターについて、反対意見が出るかもしれない」という雰囲気で緊張感もあったと振り返っているが、手応えも得られたという。

シーズン1では虎永が“将軍”の座に就くところまでは描かれないわけであるが、「重要なのは、タイトル・キャラクターがタイトル・キャラクターにならないこと」とマークス。「史実は側にありますが、この素晴らしい本の進行は側にありません。これから行く道はないんです」と、原作を使い果たした現状と、続編に向けて日本史を研究しているという近況を話している。

「今すぐに答えが出るといったら嘘になります。大切に思っている歴史アドバイザーとは話をしていまして、“ウィリアム・アダス(編注:安針の基となった実在人物)や徳川家康について、もう少し詳しく教えてください。これからの新キャラクターや新しい事柄について教えてください。なるほど、それは面白いですね”という話をしているところです。」

日本学者のフレデリック・クレインス(国際日本文化研究センター研究部副所長)から学んだ史実に基づいて様々な事柄をまとめるうち、「これはやらなきゃ、このアイデアはきっとみんな気に入るぞ」と、実感が湧いていきているところだという。さらに、物語の行末も行末も浮かんでいるということだ。

「この点は特に明確にしておきたいんですが、私たちの資料によって、私たちやFXの協力者たちには分かったことがあります。それは、最後の瞬間、全てがどう終わるかということです。その瞬間を見て、私たちはこう言ったのです。“こうしなくてはいけない。これをやらなくてはいけない”と。私たちの調査において、それはより正直な感覚となりました。」

「続くのは1シーズンですか?1シーズン以上ですか?」と尋ねられると、マークスは「1シーズン以上です」と回答。つまり、少なくとも報道通りのシーズン3までが見込まれていることだ。構想している結末について、「どのようにたどり着くかも分かっています」とも加えている。

シーズン2で一番楽しみにしていることについて、マークスは「正直に言うと、脚本家ルームにまた戻れることですね」と、シーズン1の“その後”が創作できることを心待ちにしていることを語っている。「このドラマを作り上げたライターたちはとても楽しい方々。みんなで一緒にやっていたのは、もうずいぶん前ですね。コロナ禍の前でしたから」。

コンドウが「みんなが恋しい!」と加えると、マークスは「またバンドの再結成となれば、そりゃ楽しいと思いますよ。ライターとして、僕たちが最高に幸せになれる場所だと思います」と前向きなコメント。一方、恐れていることについては「雨靴を履いて、泥や雪にまみれて、馬と一緒にやる夜間撮影。あれを全部もう一回やるってことですよね」と話している。「いまだに悪夢を見ますから」。

マークスが「これから脚本家ルームで(物語を)組み立てることになりますが、もしも出てくるものが良くなかったら、FXも全員、製作を中止すると断言しています」との覚悟を語ると、コンドウは「何かを世に出すことと同じくらい、何かを世に“出さない”ことにも勇気が必要なのです」との心構えを語り、状況によっては退陣も辞さない構えを強調した。

ちなみに彼らは、シーズン1の製作中にも続編的な物語をお遊びで考えていたそうだ。「脚本家ルームのみんなで、いつも“どんな話になるか”というファンフィクションを考えていましたよ」とマークス。「ほとんど単なるおふざけ、ジョークで、こういうのがやってみたいよねというお楽しみです。例えば、ブラックソーンが藪重をロンドンに連れ戻して、そんな二人を描く異世界史とかですね」。

「SHOGUN 将軍」はディズニープラスで独占配信中。

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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