真田広之「日本を正しく世界に紹介したかった」 ─ ハリウッド戦国ドラマ「SHOGUN 将軍」米国会見で吐露「俳優としてできることの限界を感じていた」

豪華キャストと圧倒的なクオリティで早くも世界中から大きな注目を浴びるドラマ「SHOGUN 将軍」のスクリーニング記者会見が開催された。主演&プロデューサーを務めた真田広之ら製作陣が登壇し、作品にかけた想いを語った。
日本時間2023年12月5日(火)/ロサンゼルス時間12月4日(月)、現地メディアに初めて作品をお披露目する「将軍SHOGUN」スクリーニング記者会見が開催。アメリカ国内とインターナショナルのジャーナリスト約50人が招かれた会場で1話と2話が初上映された。上映後は「あそこまで拍手が起こるとは期待してなかったので、嬉しかった」と真田も驚くほど、メディアは拍手喝采で大絶賛。記者会見には、プロデューサー・主演を務める真田の他、共同クリエイター/ショーランナー兼エグゼクティブ・プロデューサー/脚本家であるジャスティン・マークス&レイチェル・コンドウのコンビ、エグゼクティブ・プロデューサーのミカエラ・クラヴェル、日本人プロデューサーの宮川恵理子が出席した。

ハリウッド製作の連続ドラマで初主演&プロデューサーを務める真田は、子役として日本でデビュー。その後アクションから時代劇まで幅広く主演を飾り一躍人気の俳優に。主演を飾った『たそがれ清兵衛』(2002)がアカデミー賞の外国語映画部門にノミネートされ、同年トム・クルーズ主演『ラスト サムライ』(2003)に出演。その後、ハリウッドでの活躍の幅を広げ『ウルヴァリン:SAMURAI』(2013)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)『ジョン・ウィック:コンセクエンス』(2023)など大作映画に出演。キアヌ・リーブスから“マスター”と慕われるなど、ハリウッドでの人望も厚く、今や世界を代表する俳優の1人だ。
そんな真田がハリウッドで描くのは、窮地に立たされた戦国一の武将、虎永の物語。数々のハリウッド大作に出演してきた真田だがその中で「いつも孤軍奮闘して何とか日本人がおかしくないものにしようという戦いはずっと続いていました」と内なる想いを吐露。「どのプロジェクトでもできるだけ直そうとしたり、コンサルティング的なことはずっとしていたのですが、やはりいち俳優としてできることの限界をずっと感じていました」と、実はハリウッド界で挑戦する中で葛藤を抱いていたことを明かす。

本作については「僕にとって奇跡のようなプロジェクトでしたし、プロデューサーとして初めての経験でした。日本人として、僕は日本の文化を正しく世界に紹介したかったんです。それはいつも僕の夢でした」と、葛藤があったからこそ晴れてプロデューサーとしてこの作品を作ることができた喜びを語る。
プロデューサーを務める真田は、出番の有無にかかわらず朝早くに出向かい、美術小道具チェックをしたあと役者を迎え入れてリハーサルを確認してから、自身の扮装に入るという徹底ぶり。日本人の立ち振る舞いや話し方、シチュエーションなど、クリエイターのジャスティンと常に話し合いながら、プロデューサーとして隅から隅までこだわり抜いて作品を完成させたという。「ある意味での集大成でありはじめの一歩、というのがすごくあります。これを土台に、またどこまで行けるのかなという。大きな布石というか、何度か人生の中であったそういう感覚が、今また感じています」と熱い想いを覗かせる。本作には、既に“海外のスタジオが作る時代劇としては最高峰の作品になるにちがいない”との声も上がっている。こだわり抜いた日本の描写と、ハリウッドの圧倒的スケールで描かれる本作は、真田の“集大成”として全く新しい光景を魅せてくれるにちがいない。
1542年12月26日(旧暦)は、江戸幕府初代将軍となった歴史上の人物・徳川家康が誕生した日。そんな徳川家康からインスパイアされたのが、本作で真田が演じる戦国最強の武将・吉井虎永だ。虎永は、覇権を狙う五大老と敵対し命をかけて戦う武将。彼に敵の包囲網が迫っていたある日、イギリス人航海士、ジョン・ブラックソーン(後の按針・コズモ・ジャーヴィス)が虎永の領地へ漂着する。
虎永は、語学に堪能でキリスト教を信仰する戸田鞠子(アンナ・サワイ)に按針の通訳を命じ、次第に按針と鞠子の間には固い絆が生まれ始める。一方で按針を利用して窮地を脱する虎永だが、按針から世界を見聞きし、幾度も命を救われることで侍の地位に取り立てることに。そんな中、五大老の脅威が次々に迫り、ついには絶体絶命に追い詰められる虎永。しかし彼の勝利への種まきは按針の漂着からすでに始まっていた。虎永の壮大なる謀り事、果たして彼は、按針と共にこの乱世を制することができるのか?
本作には他にも、危険な野心を持つ虎永の側近、樫木藪重役に浅野忠信、ブラックソーンの船が発見された漁村で藪重に仕える若き武将樫木央海役に金井浩人、虎永の最大のライバルである武将、石堂和成役に平岳大、夫と子どもを失った悲しみの中で新たな目的を見つけなければならない未亡人、宇佐見藤役に穂志もえかなど、この作品でしか成しえない豪華な顔ぶれが勢ぞろい。また虎永の信頼する将軍で親友の戸田広松役を西岡徳馬、鞠子の嫉妬深い夫、戸田広勝(文太郎)役を阿部進之介、虎永の息子で、自分の力を証明したいと強く願う生意気な吉井長門役を倉悠貴、全国にその名を轟かせる遊女菊役の向里祐香、そして虎永の権力に終止符を打つためなら手段を選ばない、世継ぎの母として尊敬される落葉の方役を二階堂ふみが演じ、二度とない豪華キャストの共演が実現した。
さらに、衣装担当には黒澤明の長女で、NHK大河ドラマ『西郷どん』(2018)や『青天を衝け』(2021)、北野武監督・脚本の『首』(2023)など名だたる作品の衣装デザインを務めた黒澤和子、美術には日本アカデミー賞最優秀美術賞を受賞した『それでもボクはやってない』(2006)や岡田准一主演『天地明察』(2012)を担当した部谷京子など、確かな実力を持つ制作陣も参加した。日本人のキャスト&制作陣がハリウッドと共に描く本作は見逃せない。
真田は「日本の時代劇専門のクルーも日本の俳優も力を合わせて現場で粘った作品なので、ぜひ期待していただきたいですし、何より素晴らしい原作と脚本の中で、日本人の精神性やサムライスピリッツを貫けたような気がしています。『SHOGUN将軍』2024年バージョンの世界にどっぷりと浸っていただいて、楽しんでいただければと思います」と作品をアピール。日米の映画界で長きにわたって活躍してきた真田が、役者だけでなく映画人として挑戦した“渾身の1作”にぜひ期待してほしい。
ハリウッドが描く驚異的なスケールと臨場感に溢れ、観る者すべてを圧倒する戦国スペクタクル・ドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」は2024年2月27日(火)からディズニープラスの「スター」独占配信。
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