「SHOGUN 将軍」ではハリウッド式忍者を封印、バク宙も禁止にしていた ─ スタントマン、「地に足をつけて」学び直す

真田広之主演・製作、ドラマ「SHOGUN 将軍」では、史実に忠実な日本描写が徹底された。それはアクション時の動きにも同じことが言え、スタントコーディネーターのラウロ・デヴィッド・チャートランド=デルヴァージェは本シリーズにおいて、これまでのハリウッドで見られてきた「クレイジーな忍者的動き」を封印したのだという。
ハリウッドで忍者が語られる時、彼らは超人的なパワーを備え、伝承から大きくかけ離れた存在として描かれてきた。日本を舞台にした1968年の映画『007は二度死ぬ』では、忍者たちが忍の格好で銃をぶっ放すという異色の光景を見せた。近年も『G.I.ジョー』シリーズなどをはじめ忍者をモチーフとした作品は、ハリウッドで一定の人気を誇っている。
「SHOGUN 将軍」劇中でも忍者が登場したが、スタントコーディネーターを担当したチャートランド=デルヴァージェは、これまでのやり方を踏襲しようとしなかった。米The Hollywood Reporterとのインタビューでは「SHOGUN 将軍」での製作を振り返り、第9話『紅天』で描かれたアクションシーンをこう振り返っている。
「忍のシークエンスはすごく楽しかったです。バックフリップやクレイジーなハリウッド版忍者的な動きもなしにするなど、まさにやりたいことができました。彼らはこっそりと侵入し、殺すためにいたのです。城内や殺陣、次の場所への移動などを通して、素晴らしい忍び足ができました。もし誰かが逃げれば、彼らは鎖で首を巻き、引っ張ることで捕えるんです。」
このようなアクションシーンを実現させる上で、チャートランド=デルヴァージェが徹底したのが「スタントマンたちを鍛え直すこと」だったという。「彼らは様々な作品からやってきていて、“これができます、あれもできます”と言ってくれたものです」とチャートランド=デルヴァージェ。「でも私は、“どれも違う。地に足をつけるんだ”と伝えました。リアリズムを追求し、物語に忠実であることを意識しました」という。その上で、チャートランド=デルヴァージェは「最も重要なのは、余計な戦いを行わないことでした」と語った。
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Source:THR