『ブラックパンサー』監督新作『Sinners』ホラー史上最高評価で全米大ヒット中

『ブラックパンサー』シリーズのライアン・クーグラー監督、マイケル・B・ジョーダン主演による新作ホラー映画『Sinners(原題)』が絶好調だ。
2025年4月18日に米国公開された本作は、週末3日間でオープニング興行収入4,560万ドルを記録、事前の予想を上回り、R指定ホラーとして『NOPE/ノープ』(2022年)を超えるヒットとなった。海外市場では1,540万ドルで、現時点での世界興収は6,100万ドルとなっている。
本作はマイケル・B・ジョーダンが主人公の双子を一人二役で演じるヴァンパイア・ホラー。1932年、第一次世界大戦を生き延び、シカゴでギャングとして働いていたスモーク&スタックの兄弟が故郷のミシシッピ州デルタへ戻ってきた。2人は地元でジューク・ジョイント(音楽の生演奏がある酒場)をオープンするが、恐ろしいヴァンパイアが出現したことで事態は一変する……。
監督・脚本はライアン・クーグラー。黒人の歴史や音楽文化を織り込んだオリジナル脚本の現代ホラー映画という、ハリウッドの大手スタジオではなかなか実現しにくい企画を形にできたのは、その確かな実力とキャリアゆえだろう。配給・製作のワーナー・ブラザースは製作費9,000万ドルを投じ、3,000館以上の拡大公開を確保しただけでなく、クーグラー監督と「25年後には映画の権利を返還する」という前代未聞の契約を結んだ。
現実に、本作は興行的に優れたスタートを切っただけでなく、批評家・観客から絶大なる支持を受けている。米Rotten Tomatoesでは批評家スコア98%、観客スコア97%という高評価。映画館の出口調査に基づくCinemaScoreでは「A」評価となったが、なんと同サービス史上、ホラー映画がA評価に輝いたのは今回が初めてだという。ホラー映画は観客の賛否が分かれることも多く、CinemaScoreにはその傾向がストレートに表れていたのだ。
出演はジョーダンのほか、『スパイダーマン:スパイダーバース』シリーズや「ホークアイ」(2021年)のヘイリー・スタインフェルド、『28年後…』(2025)のジャック・オコンネル、「ロキ」(2021-2023)のウンミ・モサク、『THE BATMAN ―ザ・バットマン―』(2022)「THE PENGUIN ―ザ・ペンギン―」(2024)のジェイミー・ローソンほか。
音楽は『ブラックパンサー』シリーズに続いてクーグラー監督とタッグを組むルドウィグ・ゴランソン、撮影監督は『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』(2022年)のオータム・デュラルド(女性の撮影監督として初めてのIMAXフィルムカメラ撮影に挑んだ)。
ワーナーにとって、本作は『マインクラフト/ザ・ムービー』に続くヒット。今年は『ミッキー17』やロバート・デ・ニーロ主演『The Alto Knights(原題)』が興行的に苦戦していたが、 映画部門の共同会長マイケル・デ・ルカ&パメラ・アブディは喜びのコメントを発表した。「映画は私たちを大スクリーンだけでしか観られない世界に導いてくれます。オリジナル作品と既存の人気作に基づく映画の両方で、大胆な映画を求める観客の皆さんに、映画館ならではの体験を提供するため引き続き尽力いたします」。
『Sinners』は現時点で日本公開未定。間違いなく今年最も重要な映画のひとつである、ぜひスクリーンで観られることを期待したい。
▼ライアン・クーグラー の記事
『ブラックパンサー』チャドウィック・ボーズマン、撮影中ティ・チャラ状態を一切止めずにディズニー幹部を驚かせていた 「チャドは僕の人生を変えた」 『ブラックパンサー3』デンゼル・ワシントン出演、「実現するでしょう」と監督ライアン・クーグラー まだ確定ではない模様? 『ブラックパンサー3』デンゼル・ワシントン出演の件、プロデューサーが初コメント「実現させたい」 「発言には早すぎる」 『ブラックパンサー3』ティ・チャラ代役説はガセネタ、プロデューサーが否定 ─ ワカンダは『キャプテン・アメリカ:BNW』に関与か まだそんな話はしていない 【2025年3月更新】マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)の予定 ─ 新作映画・ドラマ最新まとめ こんなにあるぞ!