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『スパイダーマン:スパイダーバース』に「2018年最高傑作」の声 ― 海外レビューで驚愕の大絶賛集まる

スパイダーマン:スパイダーバース
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いったい何が起こっているというのか。

映画版「スパイダーマン」の新機軸、米ソニー・ピクチャーズ製作のアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース』の感想が米国から続々と到着しているが、どうも様子がおかしいのだ。誰もかれもが言葉を失っているか、あるいは「最高」「すごい」ということを表すために言葉を尽くしている状況なのである。

本記事では、「2018年最高傑作」という声すら聞こえてくる本作の感想をなるべく整理しながら、時にはその熱量がそのまま伝わるようにご紹介していきたい。日本公開は2019年3月8日(金)、じっと劇場公開の時を待つことにしよう。

 スパイダーマン:スパイダーバース
SPIDER-MAN: INTO THE SPIDER-VERSE

『スパイダーマン:スパイダーバース』米国でお祭り騒ぎに

もはやこれ以上の前置きは必要ない。本国で幸いにも『スパイダーマン:スパイダーバース』をいち早く目撃したジャーナリストたちの声を聞いてみよう。

「史上最高のスパイダーマン映画」

エリック・デイヴィス氏(Fandango)

素晴らしいスパイダーマン映画であり、史上最高のスパイダーマン映画です。非常に独創的で、しかも実に見事なビジュアル。ひとりの少年が、どうやってヒーローになったかを忘れた男から、ヒーローになるということを学んでいくアクション・アドベンチャーです。ずば抜けた完成度!」

クレイトン・デイヴィス氏(AwardsCircuit)

『スパイダーマン:スパイダーバース』はクリエイティブで楽しい、現在最高のスパイダーマン映画の一本でした。魅力的なストーリーがユニバースを切り拓き、アニメーションが表現を活用して進歩させている。今年お気に入りのアニメ映画です。アカデミーの長編アニメ映画賞を獲ってほしい。以上。」

モリー・フリーマン氏(Screen Rant)

「やっと『スパイダーマン:スパイダーバース』について言えます。期待通りの出来でした。温かくて、ユーモアがあって、本当に刺激的なアニメーション。それらすべてがマイルス(・モラレス)のストーリーを中心に動いているんです。明らかに史上最高のスーパーヒーロー映画の一本。

スティーブン・ワインストローブ氏(Collider)

「じつに素晴らしい。非常によくできた脚本に、コミックが生命をもったかのようなストーリー。もしもスパイダーマンやコミックのファンなら、間違いなく大好きになるでしょう。最高のポストクレジットシーンもあります。」

ジョン・スティーブン・ロカ氏(ColliderVideo)

「『スパイダーマン:スパイダーバース』は本当にスゴい!愉快で、独創的で、よくできていて、ハートウォーミングで、そして非常に普遍的なテーマに到達しています。アニメーションはネクストレベルで、あのカメオには……。史上最も素晴らしいスパイダーマン映画。余裕で2018年のトップ10入りです。」

衝撃のハイクオリティ、「アニメーションの革命」

「アカデミー賞を獲ってほしい」、「余裕で2018年のトップ10入り」という言葉からは、『スパイダーマン:スパイダーバース』が“スパイダーマン映画”や“スーパーヒーロー映画”というジャンルにおさまらない魅力を放っていることがうかがえるだろう。アニメ映画として、一本の映画として作品を楽しんだ声をご紹介しよう。

コイ・ジャンドロー氏(Screen Junkies)

『スパイダーマン:スパイダーバース』はアニメーションの革命です(それもみなさんが予想している以上にすばらしい)。ユーモアが駆け抜けていく、まぎれもない(すべての年代にぴったりの)スパイダーマン映画で、アクションは激しくぶっ飛んでいて、この形式でしかできないものとなっています。確実に圧倒的。」

ロキシー・ストライアー氏(俳優、ライター)

「この上なく幸せです。『スパイダーマン:スパイダーバース』はほとんど完璧。とても知性的で、とても温かい映画です。スパイダー・ピープル(登場人物)は素晴らしいし、声優のキャスティングはパーフェクト。最高のスーパーヒーロー映画です。マイルス・モラレスはすごくいいし、音楽も完璧。最初から最後まで引き込まれました。」

Geeks of Color

「ここ数年で最高の一本です。製作チームはすばらしい仕事を成し遂げました。マイルス・モラレスに焦点を当てながら、一本の映画の中にシネマティック・ユニバースそのものを作り上げることに成功したのです。アニメーションのスタイルは、かつて見たことのないものでした。」

ジャーメイン・ルシアー氏(Gizmodo)

「とても、ものすごく良い映画。大げさな言葉を使ったり、比較を考えるのは落ち着かなくて、すぐに劇場を出ました。けれども、本当に素晴らしかった。」

コミックの大ファンにも、そうでない観客にも

そして本作の特徴は、長年コミックを愛してきた、ポップカルチャーを追いかけてきたファンの心に深く刺さっていることだ。あまたの作品について感想をいち早く発信してきた米/Filmのピーター・シレッタ氏は、いつになく熱い感想を記している。

ピーター・シレッタ氏(/Film)

「最高の長編アニメであり、今年最高のコミック映画であり、そして2018年最高の一本です。大スクリーンでコミックに生命を吹き込む、これ以上に優れた映画があるとは思いません。長年観てきた中でも、視覚的に最もエキサイティングなアニメ映画の一本なのです。温かさとヒロイズム、ユーモアが詰まっていて、スタン・リーも誇りに思うでしょう
この映画を観て帰宅してから、Marvel Unlimited(編注:マーベル・コミックのサブスクリプション・サービス)に加入しました。マイルス・モラレスのコミックをたくさん読み通せるからです。エンドクレジットで登場人物たちを終わらせたくなかったんです。誰もがシネマティック・ユニバースを作ろうとするなかで、『スパイダーマン:スパイダーバース』は逆のことをしています。それぞれのコミック・ユニバースから独立したキャラクターを登場させるクロスオーバー・イベントを見せられて、私は、それぞれの映画でキャラクターが掘り下げられることを願っています。登場人物たちが再び共演するかどうかは問題ではありません。私は彼らをもっと見たい、彼らの世界がどう異なるのかを見てみたいのです。」

この一方で特筆すべきは、本作が「スパイダーマン」をあまり知らない観客にもきちんと届くよう作られているらしいことだ。こちらの感想では、“ディズニー/ピクサー以上”という驚くべき絶賛をもって作品の魅力が語られている。

マーク・ペイシス氏(Nerd Reactor)

「すごく笑えて、エモーショナルで、とにかく超楽しい映画。ディズニーとピクサーがハイクオリティな映画を公開する年に、『スパイダーマン:スパイダーバース』が今年一番のアニメ映画になるなんて、誰も想像しませんでした。コミックの大ファンだけでなく、一般の観客にも魅力的な作品です。これほど楽しく、しかも邪魔にならないようにたくさんの自己引用をやってのけた映画は見たことがありません。また、アニメーションが作品を次のレベルへと引き上げている、かつてないアニメ映画です。ありとあらゆるアニメーションのスタイルがシームレスに融合しています。」

マーベル・シネマティック・ユニバースやDC映画ユニバースを楽しみ、『ヴェノム』(2018)でダークヒーローの登場に心躍らせたヒーロー映画ファンのみなさん、そしてディズニー/ピクサー作品をはじめとするアニメ映画を欠かさず観ているみなさん、そしてすべての映画ファンのみなさん、2019年の春は『スパイダーマン:スパイダーバース』にご注目を!

『スパイダーマン:スパイダーバース』

革新的なヴィジュアルのアニメーションとともに、フレッシュなスパイダーマン・ユニバースが誕生する!

『スパイダーマン:スパイダーバース』の主人公は、ニューヨーク・ブルックリンの少年マイルス・モラレス。彼が暮らす世界には、スパイダーマンのマスクをかぶることができるのは一人だけではない、無限の可能性が秘められた<スパイダーバース>が存在していた。

スパイダーマン:スパイダーバース

主人公マイルズ・モラレス役は、ドラマ「ゲットダウン」(2016-2017)の新鋭シャメイク・ムーア。グウェン・ステイシー役は『バンブルビー』(2019年3月22日公開)のヘイリー・スタインフェルド、ピーター・パーカー役は『ジュラシック・ワールド』(2015)のジェイク・ジョンソン、スパイダーマン・ノワール役はニコラス・ケイジが演じる。マイルズの叔父アーロン役には『ムーンライト』(2016)のマハーシャラ・アリ、父親ジェファーソン役には「アトランタ」(2016-)のブライアン・タイリー・ヘンリーが起用された。

監督は『リトルプリンス 星の王子さまと私』(2015)脚本のボブ・パーシケッティ、『22ジャンプ・ストリート』(2014)脚本のロドニー・ロスマン、そして『ガーディアンズ 伝説の勇者たち』(2012)のピーター・ラムジー。製作総指揮は『LEGO(R) ムービー』(2014)のフィル・ロード&クリス・ミラーが務め、脚本はクリスとロドニーが共同執筆した。

映画『スパイダーマン:スパイダーバース』は2019年3月8日(金)全国ロードショー。

『スパイダーマン:スパイダーバース』公式サイト:http://www.spider-verse.jp/

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。