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【徹底考察】『スノークの正体はメイス・ウィンドゥ』説を裏付ける8つの理由を検証する

スター・ウォーズ・シリーズに熱を上げるファンらの楽しみ方といえば『ファン・セオリー』の議論。ファンひとりひとりが様々な考察や見解をぶつけ合って、いつまでもアレコレ語り合うのがその醍醐味だ。

『フォースの覚醒』はそのカルチャーに膨大量の燃料を投下してくれた。レイの両親は誰か?レン騎士団とは?ミステリーは尽きることがないが、中でも特に注目が集まっているのが『最高指導者スノークの正体』についてだ。

謎に満ちた新ヴィラン、スノークの正体をめぐっては、これまでに様々な説が論じられてきた。どれも読めば「なるほどな」と思わせるものばかりだ。当サイトTHE RIVERではスノークの説が登場するたびに記事にまとめ上げている。

 

https://theriver.jp/snoke-has-no-force-powers/

関心集まるスノークの正体だが、海外では新説が登場し、その信憑性がつぶさに議論されている。スノークの正体、それはかつてのジェダイ・マスター、メイス・ウィンドゥだと言うのだ。

まさか、と感じられるトンデモ説のようだが、この提言者はその論理的裏付けを約18分の動画にまとめYoutubeに投稿。9月10日付の投稿日となっているこの動画は、同月27日時点で137万回再生を突破している。

https://youtu.be/-xBRxofNI3Y

今回は、なぜメイス・ウィンドゥがスノークになり得ると考えられるのか。この動画をベースに考察していきたい。

裏付け1:メイス・ウィンドゥは死んでいない

そもそもだが、メイスがスノークになるには、メイスが生きていなければならない。彼は『エピソード3/シスの復讐』にて、シスの暗黒卿としての正体を表した最高議長パルパティーンのフォース・ライトニングによってコルサントの街に吹き飛ばされ消息を絶った。
ここでメイス・ウィンドゥが死んだというのは早計というわけだ。その理由を3つに分けてみよう。

シスのフォース・ライトニングでは死なない

もしもメイスがあの場面で死んだのだとしたら、その死因とは『フォース・ライトニングによる感電死』または『高所からの落下による衝撃』となるだろう。
では、まず前者『感電死』は実現しうるだろうかとの疑問に、動画投稿主の答えはハッキリしている。メイスはあの電撃では死なない。なぜならスターウォーズ正史の映画作品の中で、シスのフォース・ライトニングによってジェダイが殺される場面が見当たらないからだ。

『エピソード2 クローンの攻撃』ではドゥークー伯爵がアナキンに、『エピソード3 シスの復讐』ではパルパティーンがヨーダに、そして『エピソード6 ジェダイの帰還』ではパルパティーンがルークにフォース・ライトニングを浴びせているが、どれもそのダメージは一時的なものであり、後遺症なども見られない。果たしてメイスが受けたフォース・ライトニングのダメージはどの程度のものなのだろう。本当に「あの程度では死なない」といえるのだろうか。

『エピソード6 ジェダイの帰還』でルークはパルパティーンに体感的には結構長い時間帯電させられていたが、そのダメージはすぐに回復していたように見える。その後ダース・ベイダーのマスクを外すシーンでは、手元に震えや麻痺などは見られず、表情や意識も落ち着いており、冷静沈着といった印象である。

筆者がルークの帯電時間をストップウォッチで測定したところ、約55秒であった。パルパティーンは「若きスカイウォーカーよ、死ぬがよい」と自信たっぷりな発言をしながら、歯を食いしばって電撃を放出しているが、およそ1分間の攻撃を加えてなお手の震えすら与えられない程度の攻撃なのである。

「人はシスのフォース・ライトニングを約1分間まともに喰らっても、死なないどころか後遺症も残らない」という事実が成立した所で、同じように例のメイス・ウィンドゥの帯電時間を測定してみる。

彼の場合、最初の数秒間はライトセーバーで防御をしている。身体には一切電撃を受けておらず、一旦パルパティーンが放電を中断した際は目つきもはっきりしており、衣類のコゲなど、帯電を物語る要素が一切見当たらない。よってこの間はノーダメージとする。
アナキンによって腕を斬られ、ライトセーバーを失い、電撃をモロに受け始めた時点からカウントをしてみると、その時間は僅か約15秒。“若きスカイウォーカー”が受けた時間の4分の1程度である。
『最強のジェダイ・マスター』と謳われたメイス・ウィンドゥがこの程度のフォース・ライトニングで致死的ダメージを受けていたとは考えがたい。したがって、パルパティーンが容姿の醜悪化と引き換えに”無限のパワー”によって与えた電撃は、メイス直接の死因になはならないと考えられる。

ジェダイは高所からの落下では死なない

15秒のフォース・ライトニングに耐えたとしても、その後彼に待っているのは高所からの落下だ。メイスらが居たパルパティーンの議長室は、彼の地位を象徴するようにかなり高所に位置している。あの高さから普通に落下したとすれば、生身の人間ならまず生存はありえないだろう。
しかし、『スノークはメイス説』を提唱する動画は、「ジェダイは高所から落ちたって平気」と主張する。

確かにジェダイは高所からよく落ちる。『エピソード1 ファントム・メナス』ダース・モール戦でオビ=ワンはそれなりの高低差のある段違い通路から落下しても無事で、そのまま戦闘を続行している。
『エピソード2 クローンの攻撃』冒頭、夜のコルサントでザム・ウェセルと繰り広げた空中チェイスシーンにおいても、アナキンが「ちょっと失礼」とスピーダーから飛び降りるシーンが確認できる。ここでアナキンは、約7.5秒の落下の末、別のスピーダーに着地している。
では、アナキンはどれくらいの高さからの落下に耐えていたのかを計算してみよう。コルサントの重力加速度gを地球と同様の9.8 (m/s2) と仮定すると、落下距離はおよそ275メートルと推定できる。ジェダイはこの高さから落下して、鉄の塊であるスピーダーに着地しても無傷ということになる。ちなみに六本木ヒルズ森タワーが238メートル虎ノ門ヒルズが256メートルと言えば、ジェダイの衝撃耐性がいかほどのものかわかるだろう。

他にも、『エピソード3 シスの復讐』ウータパウでオーダー66による奇襲を受けたオビ=ワンはクレイト・ドラゴンとともに水面に落下。そして何を隠そうメイス・ウィンドゥ本人だって、『エピソード2 クローンの攻撃』コロシアムのシーンでバトル・ドロイドの砲撃をはじき返しながら約3秒間落下、そのまま二本足ですんなり着地している。
この落下時間を先と同様の条件で計算すると、あのシーンでメイスは約50メートルの高さから落下していることになる。

WIREDにある記事『47階から落ちた窓清掃員が死ななかった理由』に、以下のような記述がある。

医師のSheldon Teperman氏が『New York Post』紙に語ったところによると、「4階か5階からの落下で50%の人が死亡する。10階、11階の高さになれば、ほぼ100%助からない」という。

10階、11階の高さとは具体的に何メートルくらいか。もちろん建物の種類にもよるが、1階を約3メートルとするとおよそ30メートルになる。地球人が「ほぼ100%助からない」レベルをゆうに超える50メートルという高さから落下しても、両足で着地し、足腰に衝撃を受けるそぶりを一切見せずすぐさま大量のバトル・ドロイドとの戦闘を続行できる身体の持ち主がメイス・ウィンドゥというジェダイなのだ。やはり、『高所から落下して死んだ』とも考えがたいとは思わないだろうか。

サミュエル・L・ジャクソンがメイスの存命を語っている

おまけに、メイス・ウィンドゥを演じた名優サミュエル・L・ジャクソンも、メイス・ウィンドゥは死んでいないと信じている。これについてはジョージ・ルーカス本人も「死んでないって事でいいよ」と半ばどうでも良さげに認めている。ルーカスは既にディズニーとルーカス・フィルム主導のスクリプト制作チームから外れているため、蚊帳の外でのぼやき扱いになってしまうが、とにかく創造主が「メイス存命」を認めたというのも一応の事実だ。これについては下記記事にて。

以上の理由により、メイス・ウィンドゥは「死んでいない」という説を裏付ける証拠が出揃った。ここからようやく、なぜ彼がスノークとなり得るのかについて見ていこう。

裏付け2:帝国の誕生と滅亡を目撃している

もしもメイス・ウィンドゥがスノークになるのなら、スノークのセリフにある「私は帝国の誕生と滅亡を見てきた」という条件を満たしていなければならない。これについては問題ないだろう。パルパティーンの暗躍により共和国が帝国に化けた時代を生きているし、そのまま生きながらえていたとすれば、その後反乱軍やルーク・スカイウォーカーの活躍によって帝国が一度滅びゆく様も銀河の何処かで見ていたことになる。

裏付け3:容姿の変化

白い肌に傷を負ったスノークの容姿に、黒い肌を持つメイス・ウィンドゥがなぜなり得るのだろうか。これについて筆者は少々賛同し難い理由を件の動画では述べている。曰く、パルパティーンのフォース・ライトニングを受けたことにより、肌が白くなり、また老いたゴーストのような容姿になったというのだ。あの場面でパルパティーン自身にも急激な老化現象が発生していたが、同じ事がメイスにも起こったというのである。

先程、『フォース・ライトニングでジェダイは深刻なダメージを受けない』と述べたように、筆者はフォース・ライトニングの威力に懐疑的であるため、この説には賛同できない。それに、メイスの4倍時間攻撃を受けたルーク・スカイウォーカーにも同等もしくはそれ以上の容姿の変化が起こっていないと説明がつかないだろう。
しかも、『シスの復讐』映像内で確認できる限り、あの時点でメイスの肌の色、皮膚のシワなどに変化が起こっているようには見えない。

しかし、スノークの顔の傷については理解できなくもない。左の額に刻まれたあの傷は、落下時に負傷したという事だ。

裏付け4:ダークサイドとしてのメイス・ウィンドゥ

ジェダイ評議会の長であるメイス・ウィンドゥだが、彼は我々が思う以上にダークサイドの一面を持ち合わせている。彼のみが使う紫のライトセーバーは、ジェダイの青、シスの赤の両要素を持ち合わせている事を示唆している。

闇に通ずる戦闘型

ライトセーバーを使うジェダイとシス卿は、”型”によってセイバーの握り方や構え、挙動、攻守方法が異なる。メイス・ウィンドゥが使う型はフォームVIIと呼ばれている。“残忍の型”との異名をもつこのフォームは、内なるダークサイドを解放し一体化する事が求められる。ライトサイドとダークサイドの間、グレーサイドと言うべき状態に陥るのだ。
メイスはこのフォームVIIを発展させた“ヴァーパッド”と呼ばれる型を体得している。心の闇を更に最大限に引き出す極めて危険なこの型は、習得に失敗するとそのままダークサイドに堕ちてしまうという。

殺生を厭わない性格

また、メイス・ウィンドウといえば殺生を厭わない性格も特徴的だ。『エピソード2 クローンの攻撃』においてはジャンゴ・フェットの首を躊躇なく斬り飛ばしている。ジャンゴを戦闘不能にする手段なら他にもいくらでもあったはずのところ、斬首という最も残忍な殺害方法をいとも自然に実行したメイスは、『エピソード3 シスの復讐』パルパティーンに差し迫るシーンでも問答無用で私的処刑を試みようとする。アナキンですら「ジェダイの掟に反する」とマジレスせざるを得ない状況であった。

メイスはジェダイでありながら、ダークサイドの持つ力も自らの戦闘フォームに取り入れ、必要以上とも取れる感覚で殺人も犯す、かなりグレーな存在なのだ。光と闇の境目、危うい橋の上に立っていたメイスのバランス感覚は、上司パルパティーン、部下アナキンの裏切りによって闇側に崩れ落ちたと考えても不自然ではない。

スノークは真っ黒ではない

光と闇の両側に通ずるメイス・ウィンドウのコンセプトは、は、スノークにも通ずる。『フォースの覚醒』時点でスノークが、”かつて”または”現役”でシスの暗黒卿であるという供述は見られない。また、スノークはカイロ・レンに対し「お前を象るもの…ダークサイド…そして光」と発言していることから、彼はフォースのダークサイドとライドサイドの両側に通じているのではないかと考えられる。これもメイス・ウィンドウの出自を考えれば合致する。

裏付け5:メイスの復讐

ここまで、メイス・ウィンドウがいかにライトサイドとダークサイドの両要素を兼ねているかを見てきた。ここからは、具体的になぜ彼がダークサイド側にバランスを崩し、スノークとなったかを検証していこう。

『フォースの覚醒』でのスノークの目的を思い出して欲しい。彼はルーク・スカイウォーカーの居場所を突き止め、抹殺しようとしていた。メイス・ウィンドゥは、アナキン・スカイウォーカーの咄嗟の裏切りによって腕を失い、それがきっかけとなってパルパティーンの攻撃が激化、自分が倒されるだけでなく、これまで身を挺してきたジェダイ・オーダーを根絶させられてしまったのだ。
もともと、スカイウォーカーをジェダイとして迎える事に懐疑的であったメイス。彼はその後も評議会においてアナキンの実力を正当に評価せず、ぞんざいとも言える扱いをしてきた。
やはりアナキン・スカイウォーカーは招かれざる存在だった。あの後、死を免れ目を覚ましたメイスの精神はダークサイドに呑み込まれ、彼をスカイウォーカーへの復讐に駆り立てたのではないだろうか。メイスがスノークとなってルークの地図を捜索していたのも、これで合点がいく。

レイも生かしてはおけない

『フォースの覚醒』ラスト、レイとカイロ・レンの決戦シーンでは、ライトセーバーを初めて握ったはずのレイがパワフルな剣術で『レン騎士団』リーダーであるカイロ・レンを圧倒していたのに驚いた方も多いはずだ。なぜ、レイはあそこまで戦闘に長けていたのか、そもそもレイの正体とは。
『レイの正体』の考察についてはまた別の話題となってしまうため、ここではあれこれ考えるのを一旦は割愛するが、『スノークの正体はメイス説』においては、レイは”パルパティーンの孫娘”という事にしておかなければならない。
アナキンを憎んでその息子ルークの討伐を望んだように、スノークはパルパティーンを憎んでその孫娘レイの排除を願う必要があるからだ。

レイのフォームは、パルパティーンの戦闘型であるフォームⅣ、別名“ホーク=バット戦法”に酷似している。このフォームはヨーダやルークも扱うものだが、パルパティーンの場合、セイバーの『突き』や『振り下ろし』などの所作が目立って特徴的。レイが見せた動きとそっくりなのである。なぜレイに強いフォースが宿っていたのか。それは彼女の中にパルパティーンの血が流れているからというわけだ。

スカイウォーカー同様、パルパティーンの血筋も生かしておくわけにはいかない、というわけだ。

裏付け6:自分こそが『選ばれし者』と信じている

メイス・ウィンドゥは、自分こそが『選ばれし者』だと信じている。スカイウォーカーの受け入れと彼の評価を拒むような反応を示していたのもそのためだ。
『選ばれし者』とは、フォースのライトサイドとダークサイドにバランスをもたらす者。これは先述の通り、メイス・ウィンドゥはライトサイドとダークサイドの混合フォーム”ヴァーパッド”習得に挑み、成功しているほか、ジェダイの青、シスの赤を混ぜた紫という色のライトセーバーを使用しているところから、彼が選ばれし者としての『バランス』という概念に執着している事を物語っている。

メイスはパルパティーンを殺害する事で、フォースに均衡をもたらすはずだった。そこをアナキンに妨害され、彼の崇高な計画は失敗に終わる。スノークとして再び姿を表した今、スカイウォーカーを抹殺することで『バランス』を実現しようとしているのだ。

ハン・ソロはカイロ・レンに対し「スノークはお前が用済みになったら、お前を殺す気だぞ」と発言していた。メイスにとっての『バランス』を成立させるには、ルークもカイロも存在してはいけないのだろう。

裏付け7:バックスイング斬りをカイロ・レンに伝授している

ヴァーパッドと言う独自の型を編み出しているメイス・ウィンドゥは、他のジェダイにはない独特の剣術を扱っている。彼の戦闘フォームにおいて特徴的なのは、ライトセーバーを身体より後ろ側にスイングさせる動作だ。

ジャンゴ・フェット斬首の決まり手も、このモーションである。
件のパルパティーン戦においても、バックスイング斬りを複数回見せている。

パルパティーンを窓際に追い詰め、壁面ガラスを割ったのも、やはりメイスのバックスイング斬りだ。

このモーションの使い手は他にもいる。それがカイロ・レンだ。検証動画では、『フォースの覚醒』においてカイロ・レンがメイス・ウィンドゥとよく似たバックスイング斬りを少なくとも3回以上は使っていると主張する。

なぜカイロ・レンがバックスイング斬りを使うのか。他でもない。彼に剣術を教えたマスターはスノークであり、スノークの正体はメイス・ウィンドゥだからである。

裏付け8:フォースが『覚醒』するのはメイスの子孫、フィンであり、彼を殺せなかったから

この見出しにえらく混乱する人も多いだろう。これを書いている筆者自身も混乱している。なんか色々とすっ飛ばしている気がする。
だが、落ち着いてこの裏付けを検証してみよう。

フィンはメイス・ウィンドゥの子孫なのだという。この噂については『フォースの覚醒』公開前にも囁かれていたものだ。その裏付けについては、これはこれで色々ありそうだが、ここではひとまず『フィンが強力なフォースの感応者だから、彼はメイスの子孫』という事で検証しよう。
なぜ、彼がフォースの感応者だからといっていきなりメイスの息子と言えるのか。そもそもこの時点で論理が飛んでいるが、この点の検証はまた別の機会にするとして、『なぜ、フィンが強力なフォースの感応者だと言えるのか』を考えたい。

『フォースの覚醒』を観た人のほとんどは、この”The Force Awaken”という副題はレイのことを指していると考えるだろう。だが、今回の説立証に際しては、フォースに覚醒したのはフィンだという。

スノークがカイロ・レンに “There has been an awakening.((フォースが)覚醒した)”と語るシーンがある。注目したいのは、この一文は未来系ではなく過去分詞形の文であるということ。つまり、この発言の時点で何者かが『覚醒』していたはずだ。

検証動画では、このセリフの登場タイミング前後で、フィンとレイが何をしていたかのタイムラインを作成している。詳しく見てみよう。

https://youtu.be/-xBRxofNI3Y
https://youtu.be/-xBRxofNI3Y

映画のタイムラインに合わせて7箇所が示されているが、まずいちばん左。
“FINN AWAKENS”の場面は、まだストーム・トルーパー兵だったフィンらが惑星ジャクーのトゥアナル村襲撃の際、帝国軍のやり方に限界を覚え、離反を考え始める瞬間。つまり、彼がライトサイドに目覚める覚醒の時だ。

火の上がる村で立ち尽くすFN-2187ことフィンの立ち位置を、カイロ・レンが直感的に気づくのも、カイロがフィンの中の覚醒したライトサイドに反応したからだ。

ハックス将軍らが、トルーパーがポー・ダメロンを連れ脱走した件をカイロに伝達した時。ハックスらが脱走兵の特定を急ぐ一方、カイロは一瞬で「FN-2187」と言い当てる。これは、ジャクーの現場でフィンをフォース感応者としてはっきり認識し、意識していたからだろう。

それからフィンはポー・ダメロンを助けファースト・オーダーから脱走し、レイと共にジャクーを発つ。
実は”There has been an awakening.”のセリフはこの後に登場するのだ。この時点でレイはまだ何も覚醒していない。レイがマズ・カナタの城でルークのライトセーバーに触れ、フォース・ヴィジョンを観るのは、このセリフのおよそ20分も後の出来事。レイがマインド・トリックに成功するなどフォースの使い手として目覚め始めるのはもっと後の出来事だ。

もしもスノークのいう”awakening”がレイの事だとしたら、この時系列では成立しない。スノークことメイスは、我が子孫フィンの”覚醒”を感知したというわけだ。

フィンは、『フォースの覚醒』劇中ではフォース使いとしての素質は見せなかった。そうなのだ。フィンが生まれたばかりの頃、スノークはそこに失望した。一度フィンを見捨て、才能豊かな他の子どもを探した。(それがベン・ソロ…後のカイロ・レンだ。)
しかしスノークは、フィンを完全に放棄するつもりもなかった。そこでいつでも自分の目が届くよう、彼をファースト・オーダーに入れさせたというわけだ。もしも後年、フィンの才能が目を覚ました時に、すぐに利用できるように。
でなければ、もともと清掃員だったフィンがいきなりジャクーでの村民殺戮ミッションというハードな現場に飛ばされるなんて不自然である。スノークは、自分の息の掛かったカイロ・レンのミッションにフィンを同行させて、彼の覚醒を試みたのかもしれない。

これが、”There has been an awakening.((フォースが)覚醒した)”というセリフの真意ということになる。

フィンを生かしたカイロ・レン

カイロ・レンはフィンとの戦いで、彼を殺していない。はじめは素人のフィンを弄ぶように戦っていたカイロだが、油断しすぎてか右腕の負傷を許すと、カイロはフィンへの左パンチを一発、そしてライトセーバーで背中の表面をなでるように斬るだけで見逃している。

カイロ・レンの人間性を思い出して欲しい。ジャクーでは無抵抗で丸腰の老人ロア・サン・テッカを問答無用で惨殺。さらには実の父親であるハン・ソロを躊躇なく刺殺。カイロ・レンがマスク置き場に敷き詰めいてる灰は、彼がこれまで惨殺してきた人々の遺灰だという。

一方、フィンとは。
現場ではろくに活躍もせず、あげく捕らえたレジスタンスのパイロットを連れて脱走。そして今度はカイロ・レンの腕を斬りつけると来た。
なぜ、カイロはそんなフィンを殺さず、致命傷も与えずに生かしておいたのか。あまりにもぬるすぎないか。
それは、カイロ・レンがフィンの重要性を知っていたから。もしくは、スノークが裏で「殺すな」と指示をしていたからなのではないだろうか。

あなたの意見は?

以上が、『最高指導者スノークの正体はメイス・ウィンドゥ説』の全容である。提唱者も「すごくクレイジーな説」と認めながら、「たとえ事実じゃなかったとしても、すごく面白いファン・フィクションじゃない?」と述べている。
この説に対して、反対派は既に同様の検証動画をアップしたり、メディアに記事を展開するなどの盛り上がりが見られている。

あなたは、この説をどう考えるだろうか。こじつけのような部分もある一方、妙に納得してしまうような理論もあったのではないだろうか。個人的には、スノークになる動機が少々弱い気もするが…。ぜひ意見や、あなたの説を聞かせて欲しい。

何の肥やしにもならない考察だが、僕達は2019年予定の『エピソード9』まで、同様のファン理論の話題で盛り上がれそうだ。

Source:https://www.inverse.com/article/21233-snoke-mace-windu-star-wars-theory
http://www.scified.com/news/star-wars-fan-theory-suggests-snoke-is-actually-mace-windu-with-supporting-evidence
https://www.youtube.com/watch?v=-xBRxofNI3Y
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%A5
http://wired.jp/2007/12/18/47%E9%9A%8E%E3%81%8B%E3%82%89%E8%90%BD%E3%81%A1%E3%81%9F%E7%AA%93%E6%B8%85%E6%8E%83%E5%93%A1%E3%81%8C%E6%AD%BB%E3%81%AA%E3%81%AA%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E7%90%86%E7%94%B1/
http://www.02320.net/free-fall_velocity-and-impact/
http://starwars.wikia.com/wiki/Mace_Windu
http://starwars.wikia.com/wiki/Palpatine
http://ja.starwars.wikia.com/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%82%BA_%E3%82%A8%E3%83%94%E3%82%BD%E3%83%BC%E3%83%899
http://starwars.wikia.com/wiki/Form_IV
http://starwars.wikia.com/wiki/Form_VII

Writer

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。