【初心者向けアメコミ推薦図書1】マーベル『スパイダーバース』でアメコミ特有の多様性をたっぷり味わおう!

功罪両方の面が取り沙汰されますが、現在、アメコミを原作とするいわゆる『アメコミ映画』が、ハリウッド映画を中心としたエンターテインメントの『大きな潮流』になっていることは、異論のないところだと思います。
この項では、大ヒット公開中の『デッドプール』を始めとして、『バットマンVSスーパーマン』や『シビルウォー』などのアメコミ映画をご覧になって、初めて原作である『アメコミ』に興味を持たれた方に、邦訳されていて、なおかつ2016年6月現在発売されたばかりのオススメのアメコミをご紹介させて頂きます。

そもそもアメコミって

初心者の方にオススメを聞かれると、以前はどうしても『単独で』楽しめる読み切りの作品を紹介しがちでした。私より遥かに知識のあるアメコミの専門家やライター諸氏も、各映画誌などで『おすすめ本』等を取り上げる時、どうしてもアメコミ特有の『初心者のとっつきにくさ』が気になってしまうようで、同じ『単独色』の強い本を紹介する傾向が強いように見受けられます。

確かに、映画『アベンジャーズ』などを見て、メインのヒーローの原作に興味を持ったはいいけど、いきなりマーベルコミックスの『シビルウォー』のようなクロスオーバー大作を読んでも、いきなり『誰だ、こいつらは』というキャラクターがこちらを置いてけぼりにして話を進めますので、なかなか『面白い』というところまでいきにくいのではないか、と考えます。(その点、DCはNEW52という再出発シリーズが邦訳されていて現在手に入りやすいので、マーベルより敷居が低いかもしれません)
ただ、読み切り作品にも短所があって、一番の欠点は、その単独色の強さゆえ、その作品のストーリーにはまらなければ、アメコミ自体に見切りをつけられてしまうかもしれない、という点です。どうしても我々日本人は、アメコミを最初は読みなれた『日本の漫画』と同じような目で読んでしまうので、特に初心者の方は一作品読んでみて駄目だったら、アメコミというジャンルそのものに失望してしまうのではないでしょうか。
邦訳アメコミは各出版社が企業努力されているとは思いますが、1冊2,000円以上することが多く、『日本の漫画』に慣れている身としては安い買い物ではありませんしね。

アメコミの最大の魅力『多様性』

筆者の私見ですが、アメコミにおいて『ストーリーの面白さ』は、大事な要素ではありますが魅力の一端に過ぎません。一番大きな魅力は『多様性』ではないでしょうか。平たく言うと『色んなのがある』ということです。言葉で説明するのが難しいですが、この『色んなのがある』という中には、キャラクターの種類、描くライターやアーチストの数、1人のキャラクターを取り巻く世界観や辿ってきた歴史の数などが含まれます。
今回ご紹介するのはマーベルコミックスなのですが、マーベルは自ら版権を持つコミックスを中心としたキャラクターたちが住む世界を『マーベルユニバース』と呼んでいます。この『マーベルユニバース』の中は様々な世界観が並び立つ、いわゆる並行世界『マルチバース』になっており、まず大きく分けて一番有名なストーリーラインを含む『メインユニバース』と、スピンオフやスポット作品が中心の『派生ユニバース』と二分され、またその二つの中でも、それぞれ『アース616』だの『アース199999』だの『アース295』だの、各世界にナンバリングタイトルをつけているわけです。ややこしいのはこのナンバリングは『後付け』な上に『適当』なので、規則性がありませんし、このアース群には、その昔日本の少年漫画誌『ボンボン』に連載された『スパイダーマンJ』(アース7041)や、格闘ゲーム『マーベルVSカプコン』(アース96169)などの二次創作の全てが含まれます。

スパイダーマンが大集合『スパイダーバース』

最早、読者として全てを網羅するのは不可能といってもいいと思いますが、今回ご紹介する『スパイダーバース』は、『スパイダーマン』という、誰でも知っている人気キャラクターに限って、今まで公式に創作されたほとんど全てのアースに登場するスパイダーマンを登場させてしまっている作品です。読んでみると、もう、ほとんどスパイダーマンしか出てきませんが、そのバリエーションの豊富さに驚かされます。ストーリーは、わりと有名なスパイダーファミリーが重要な役どころを担ってまわしていますが、前述した『ボンボン』のスパイダーマンや、何より黒歴史と呼ばれていた東映特撮版『スパイダーマン』と、その主人公の搭乗機である(笑)レオパルドンが、今までの不遇を慰められるかのように、外連味たっぷりの扱いをされているところも、日本人として嬉しく思う点です。
筆者の言葉が足りず、うまく表現できないアメコミ最大の魅力である『多様性』について、これほどわかりやすい本もないと思います。アメコミの接し方がわかるという点で、非常におすすめの1冊です。

スパイダーバース (MARVEL)

追記になりますが、もう一つのおすすめポイントとして、そして初心者の方にはこちらのほうが重要な点かもしれませんが、この『スパイダーバース』を手掛けているアーチスト、オリビア・コワペルさんが描く魅力的なアートワークが挙げられます。個人的に非常に好みの絵を描くアーチストで、アメコミに馴染が薄い方でも、とっつきやすい絵ではないでしょうか。彼の代表作は他に『ハウス・オブ・M』などがあり、こちらもメインユニバースのアース616の中では、とても重要なエピソードを描いた作品です。

About the author

1977年生まれ。週刊少年ジャンプ脳のクリーチャー愛好家。玩具コレクター。エンドレスダイエッター。「意識低い系」の文章を信条としています。

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Comments

  • ポロポロ 2016年6月8日 at 8:35 PM

    スパイダーバース自分も買って楽しんでいます
    エッジオブとワールドオブが待ちきれませんね!

    尚、レオパルドンは東映特撮版です
    アニメではなく実写なので訂正をよろしくお願いします

    Reply
    • TZ-77 2016年6月9日 at 8:57 AM

      ご指摘ありがとうございます。思いっきりアニメ版て書いてますね。恐縮です。すぐ訂正致します。

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