Menu
(0)

Search

【インタビュー】「スター・トレック:ローワー・デッキ」の面白さは「人間関係や欠点」─ ブラッド・ボイムラー少尉役が語る

スター・トレック:ローワー・デッキ
「スター・トレック:ローワー・デッキ」Amazon Prime Videoにて配信中

『スター・トレック』シリーズのアニメ「スター・トレック:ローワー・デッキ」が、Amazon Prime Videoにて2021年1月22日より配信中だ。本記事では、ブラッド・ボイムラー少尉役を演じるジャック・クエイドのオフィシャルインタビューを紹介したい

舞台は2380年、「スター・フリート」という宇宙艦隊の中で最も重要性の低い宇宙船のひとつである、U.S.S.セリトス号を描く作品。スター・フリートの乗組員、ベケット・マリナー少尉、ブラッド・ボイムラー少尉、テンディ少尉、ラザフォード少尉が、様々なSF的な出来事に脅かされながらも、どうにかして自分たちの任務を果たし、社会生活を送ろうとする姿を、コメディ調に描いていく。

ジャック・クエイドは、デニス・クエイドとメグ・ライアンの間に生まれた息子・俳優で、「ザ・ボーイズ」(2019-)のメインキャストであるヒューイ・キャンベル役を担当するほか、『ハンガー・ゲーム』シリーズや『ローガン・ラッキー』(2017)など話題作に出演している。気鋭の俳優が、本作の出演決定時や、注目のシーン、演じる上での挑戦や面白さ、キャラクターと自身の共通点、日本のアニメーションなどについて語った。

スター・トレック:ローワー・デッキ
「スター・トレック:ローワー・デッキ」Amazon Prime Videoにて配信中

──本作への出演が決まった際や、初めて脚本を読んだ時の気持ちを教えてください。

出演が決まった時は本当に嬉しくて有頂天になりました。もともとアニメが好きだったので、今回出演できて長年の夢が叶いました。前に出たこともありますが、最初からレギュラーで出演するのは初めてになります。作品とともに成長して、いろいろなことを学び、声優にも挑戦できました。

スター・トレックの世界とその一員になることにも興味を持っていました。それまでは、たまにスター・トレックを観ていましたが、今ではすっかりトレッキーです。覚えることがたくさんあったので。仕事のためと、何十年もの間続いた名作フランチャイズに敬意を払うためにも。

脚本を最初に読んだのは、オーディションの時。極秘の企画で、スター・トレック関連であることも知らされていませんでした。オーディション前に準備はできなかったから、部屋に入って15分ぐらいでセリフを覚えて、一つのシーンに臨みました。言葉遣いとかも含めて、その時はパニックになりました(笑)。その後の台本読み合わせで初めて1話分の脚本を読みました。その時にこれはすごく特別な作品になると感じました。

すでに「まんが 宇宙大戦争」はあるけれど、「ローワー・デッキ」はスター・トレック初めてのコメディ作品。今までのスター・トレックにも面白いエピソードはたくさんあるけれど、僕たちはスター・トレックをおバカっぽくしたり、笑い物にすることなくコメディとして描くことに成功したと思います。エリートな科学者などの登場人物を無能に描くようなこともしていません。

「ローワー・デッキ」の面白さは、彼らの人間関係や欠点からきています。それってとてもクールなことですよね。他のスター・トレックはブリッジのクルーが中心だけれど、僕たちの番組ではサポートクルーが主人公です。他のスター・トレック作品では、宇宙船が攻撃を受けている時、彼らの走り回っている姿がちょっとだけ映るだけです。でも本作では彼らの日常生活が語られ、一生懸命仕事をしている姿や、夢が描かれます。

──印象に残っているシーン、または是非ここは見て欲しい!というシーンがあれば教えてください。

僕のお気に入りはボイムラーにバーバラという彼女ができるエピソード。マリナーは現実のことだと信じてくれません(笑)。ボイムラーのキャラクターは本当に面白くて、ロマンチックなことが起きてもうまく対処ができなくて自分で墓穴を掘ってしまう。その時点まで、描かれて来なかった性格も分かったりして、アフレコをしていた時もとても楽しめました。

──思わず笑ってしまうシーンがたくさんありますが、ブラッドを演じることの面白さや演じてみた感想などを教えてください。

ボイムラーのキャラクターは本当に大好きです。面白さの部分に関してはショーランナーのマイク・マクマーンを賞賛したい。脚本に書かれていなくても、何とか面白くできないかと常に工夫をしています。キャストの意見も聞いてくれますし、アドリブもさせてくれます。

彼と一緒にアフレコのブースに入って、キャラクターの思いがけない面白さを一緒に引き出しています。例えばボイムラーはキャプテン(艦長)になりたがっているけれど、“キャプテン”という言葉をちゃんと発音できません。“キャプン”って言っちゃうんです(笑)。キャプテンになりたいボイムラーだけれど、実際にキャプテンと一緒にいて最高の自分を見せたい時に、ちゃんとキャプテンって言えません。そんな面白さは、一緒にアフレコしている時に編み出しました。シーズン2の収録もしているけれど、未だに言えてないです(笑)。

スター・トレック:ローワー・デッキ
「スター・トレック:ローワー・デッキ」Amazon Prime Videoにて配信中

──ブラッドはとても表情豊かなキャラクターでしたが、表現をする上で大変だったことや、挑戦したことなどがあれば教えてください。

アフレコは興味深いチャレンジでした。実写だと目や顔の表情、身振りで表現できるし、声は表現するツールの一つといった感じでしょう。でも声優は全てを声で表現しなくてはなりません。僕はアフレコブースで身体を大きく動かして表現することが多かったです。他のキャストもそうしていたので、カメラを設置しておいたら面白かったかもしれません。手を振り回したり、動き回ったりすることは役立ちました。あとはマイク・マクマーンの演出が素晴らしく、みんなから一番いいものを引き出すことができます。

──ブラッドとご自身の共通点などがあれば教えてください。

似ているところはあると思います。彼のようなご機嫌取りではないけれど、まだ若くて天下に名を成したいと考えるハングリーなところには共感できます。ボイムラーはすごいことを成し遂げるために、昇進していきたい。そしてとても努力家でもある。僕も20代で、何か大きいことを成し遂げたいと切望しています。だからそういうところは共通していると思いますね。

──「スター・トレック」シリーズで好きなキャラクターは誰ですか?また、その理由も教えてください。

悩ましいところですね。まず(「新スター・トレック」の)データは大好きなキャラクターの一人。彼は実によく描かれていいます。人間の本質について考えさせられるような素晴らしい存在です。データの物語は長い間ずっと書き続けられます。そしてカーク船長とスポックですね。長い歴史を持つ「スター・トレック」シリーズの最初の主人公たちで象徴的な存在。最近「宇宙大作戦」を見返していて、彼らのすごさを再認識したところです。シリーズとしても大成功したし、見事なキャラクターたちです。だからこの3人が僕のお気に入りのキャラクターです。

スター・トレック:ローワー・デッキ
「スター・トレック:ローワー・デッキ」Amazon Prime Videoにて配信中

──収録中の面白い出来事(ハプニング)などがあれば教えてください。

今回の収録で特別だったのは、収録の一部を自宅のクローゼットで行ったことです。大部分の収録は終わっていたけれど、まだ作業をしている途中でコロナウィルスの流行が始まりました。だから残りは自宅で収録しなければならなくて、それでも何とか高い音質を保てるように頑張りました。一夜にして僕たち声優は音響技師に大変身。マイクをセットしたり、録音したり……。信じられないようなプロセスだったけれど、みんなでやってのけました。

──日本のアニメシリーズで好きなものや、印象に残っている作品はありますか?

今観ているものはないけれど、宮崎駿のファンです。スタジオジブリの作品は素晴らしいと思います。コロナの自粛期間中は『千と千尋の神隠し』や『ハウルの動く城』を観て癒されていましたね。

──本作の配信を楽しみにしている日本のファンへ、メッセージをお願い致します。

僕たちの作品を楽しみにしていてくれてありがとう。スター・トレックを独特の世界観で表したとっても楽しいアニメなので、思いっきり満喫してくれると嬉しいです。面白いのと同時に「スター・トレック」シリーズの一部でもあり、設定は「ネメシス/S.T.X」直後。僕らがそうだったように、新しいクルーたちを好きになってくれるといいですね。そして思いっきり楽しんでください!(スター・トレックのファンでいてくれてありがとう)。

スター・トレック:ローワー・デッキ
「スター・トレック:ローワー・デッキ」Amazon Prime Videoにて配信中

「スター・トレック:ローワー・デッキ」は、Amazon Prime Videoにて配信中。

あわせて読みたい

Writer

アバター画像
THE RIVER編集部THE RIVER

THE RIVER編集部スタッフが選りすぐりの情報をお届けします。お問い合わせは info@theriver.jp まで。