息つく暇なし!一人の人間として「天才」を描ききった『スティーブ・ジョブズ』感想レビュー

『スティーブ・ジョブズ』
この作品を観るAppleユーザーは、きっと今以上にApple製品に愛着を持つことでしょう。

2013年に公開された「スティーブ・ジョブズ」がまだ記憶に新しいですが、今回マイケル・ファスベンダー×ダニー・ボイルという超強力タッグ!
面白いに決まってる!

人は偉業を成し遂げた人物を 称賛の意を込めて「天才」と呼ぶ。
しかし、理解の範疇を超えた人物に対しても「天才」と名付けていないだろうか。

きっと世界中の人にとってスティーブ・ジョブズという男は偉業を成し遂げた「天才」であり、理解のできない「天才」でもある。

しかし、この作品で描かれていたのは ぼくらと同じ人間。
人間 スティーブ・ジョブズだった。

  • Macintosh
  • NeXT Cube
  • iMac

この3つの新作発表会を軸に 彼の人となりを描いているのだが、ダニー・ボイル独特の映像表現や音楽の使い方、役者の演技も相まって息つく暇がない。

その重圧は、実際のモノには遠く及ばないだろうが ジョブズが味わっていた重圧の片鱗を味あわせてくれる。

何かを成し遂げる人物は、日常において何処かが破綻している。
そんな謳い文句的な言葉をよく耳にする。
序盤の内はそんな風に思いながら観ていた。

しかし、描かれていたのは 自分が思い描いた夢や未来を実現するために他の何もかもを犠牲にしている男の姿だった。

スティーブ・ジョブズ 2015 レビュー

先程の謳い文句と同じことを言ってるように聞こえるかもしれないが、その選択を 他を犠牲にする選択を自ら選んでいることのスゴさ。

軽い気持ちで「天才は何処かが破綻している」などとは言えないなと思った。

普通の人であればきっとその選択はできない。
妥協する。
妥協した上での正解を見つけ、帳尻を合わせるだろう。

本来夢見たモノを捨て その源泉にフタをし、妥協の上の幸せを手に入れる。

多くの人がその道を選んでいる。
ぼく自身も。

だが、彼は決してそれをしない。
その覚悟がどれだけすごいことなのか。
それが天才と呼ばれる所以なのだと思った。

劇中、彼に休まる時間はない。
強いて言うならラスト。

休まるとは違うが、思い描いた未来に近づくことができ始めたからこそ 他へ気を回すことができ始めたのかもしれない。

そんな彼の姿だったからこそ感動できたのだと思う。

天才 スティーブ・ジョブズを描いた作品ではなく、僕らと変わらない人間 スティーブ・ジョブズを。
思い描いた夢を 未来を実現するために全力を尽くす人間 スティーブ・ジョブズ描いた作品でした。

ぼくはiPhoneのミュージック機能を使わない日はないのですが、より一層愛着を持って日々 音楽を楽しめそうです。

この楽しみがあるのは、スティーブ・ジョブズのおかげなのだと思いながら。

4.4
総合評価:B

スティーブ・ジョブズ

原題  STEVE JOBS
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給  東宝東和 上映時間 122分

青春
6
2
エロ
2
サスペンス
8
ファンタジー
4

About the author

映画アドバイザー 元俳優 ライター 映画イベントMC。Instagramを中心に最新映画から懐かしの映画まで幅広く紹介。「ファイトクラブ」 「GO」「男はつらいよ」がバイブル。好きな監督はウディ・アレン。お仕事のご依頼はa.safety.pin.storm@gmail.comまでお願い致します。

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Comments

  • @oriver_cinema 2016年2月19日 at 10:26 AM

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