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アメコミ映画成功の秘訣はホラー映画にあり?サム・ライミだけじゃない、ホラー出身の監督たちの共通点

“愛を知る全人類に捧ぐ”アメコミ映画。それらを手掛ける監督たちの多くにはある共通点があるのをご存じだろうか。

『スパイダーマン』のサムライミ監督が死霊のはらわたを手掛けたのは有名だが、『アベンジャーズ』のジョス・ウェドン監督はキャビン、『バットマンVSスーパーマン』のザック・スナイダー監督はドーン・オブ・ザ・デッド、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のジェームズガン監督はスリザーと、彼らにはみなホラー映画の監督経験がある。

共通点は肉体変化

彼らの撮るホラーは肉体変化である。この肉体変化の演出がヒーローがスーパーパワーを手にする葛藤や悲壮感に繋がっているのではないだろうか。例えば、ガン監督のスリザーでは(ヨンドゥ役でおなじみ)マイケル・ルーカー演じる男がエイリアンに寄生され巨大ナメクジ男へと変貌する様が描かれている。変貌した彼が愛し続けた女性にとどめを刺されるラストは見ているこちらも悲しくなってくる。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』でも軽い作風の中にアライグマに改造されたロケットに見え隠れする悲壮感は作品に深みを持たせている。

『スパイダーマン:ホームカミング』に抜擢されたジョンワッツ監督もデビュー作はクラウンという、父親がピエロの怪物に変化するホラー映画である。どこにでもいる平凡な人間が、変化を起こす自身の肉体に恐怖を抱いたり、周囲の人間との関わりに神経質になったりする様子は蜘蛛に噛まれたピーターパーカーそのものではないだろうか。

このように、アメコミ映画とは一見異なったジャンルに感じられる要素こそが、我々がヒーロー達を単なる超人としてだけでなく同じ人間として共感し応援し続ける理由となっているのではないだろうか。だからこそ、これらの演出に長けた監督たちは現代のスタン・リーの如く私たちに愛と正義を伝えてくれるのだろう。

ガン監督の映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』は2017年5月12日、ワッツ監督の『スパイダーマン:ホームカミング』は同年8月11日日本公開である。彼らがどんな肉体変化を描くのか今後とも見逃せない。?

Eyecatch Image:http://www.imdb.com/title/tt1780798/mediaviewer/rm3314094080

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露木

私の体はサム・ライミ版『スパイダーマン』で出来ている。 

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