『スター・ウォーズ in コンサート 2018』初日プレミア公演レポート ─ 極上の鑑賞体験がここに

この日、東京オペラシティに詰めかけた1,000人超の観客の中には、もう何十回、何百回と『スター・ウォーズ』を観てきたという者も多かっただろう。しかし、生のオーケストラと共に大画面で鑑賞するのは初めて、というのが大半のはず。
『スター・ウォーズ inコンサート』JAPAN TOURが、2018年7月29日(日)に東京オペラシティ コンサートホールにてスタートした。
使用されるスクリーンは500インチ。ファンにとって、『スター・ウォーズ』クラシック三部作が大画面で上映されるだけでも足を運ぶ価値がある。そこに90人編成のオーケストラが、上映に合わせながらジョン・ウィリアムズのスコアを生演奏してくれるのだ。『スター・ウォーズ』鑑賞として贅を極めた、映画+ライブの複合型エンターテインメントである。
この日は『新たなる希望』(1978)『帝国の逆襲』(1980)『ジェダイの帰還』(1983)の三部作を1日かけて一挙上演する、わずか1,150席限定のプレミア特別公演。三部作一挙上演は世界中で日本だけの特別企画だ。チケット価格は32,700円と高額ながら即日完売だったという。筆者はこの日、『ジェダイの帰還』を鑑賞することができた。
これ以上ないスター・ウォーズ体験を
定刻、東京フィルハーモニー交響楽団と、指揮のニコラス・バックが万雷の拍手の中登場。20世紀フォックスのファンファーレも生演奏で聴ける貴重さと歓びは、ファンなら語らずともご理解いただけるだろう。
一瞬の静寂。壇上のオーケストラがメイン・タイトルを響かせる。斬り裂く、とか、解き放つ、と言うのが正しいだろう。第一音が、鉄球のごとく重厚感と共に、遥か彼方の銀河系から眼前まで飛来する。
やがて、インペリアル・シャトルがデス・スターに到着する。ベイダー卿がお出でだ。司令官に伝えよ!機械の呼吸音は、天然木で設計された変形ピラミッド型のオペラシティコンサートホールには馴染まず、それがかえって不気味さを強調する。
このヴィランが登場するたび、オーケストラの一団が帝国のマーチを高らかに奏でる。今、目の前で、ダース・ベイダーが空間を支配しているのだ。この場にいる全ての観客が、もう一度ベイダーに恐怖している。威圧されている。
かと思えば、ルークやレイア、銀河の運命が大きな転換を迎える場面では、スクリーンと物語から放たれる神秘性を、旋律に変えて観客の心奥に直接手渡ししてくるし、ランド艦隊が第二デス・スターに突撃すると、まるで軍楽隊のように戦闘意識を掻き立ててくる。
オーケストラは、「第四の壁」のこちら側にいるのか、それとも向こう側にいるのだろうか?考えていくと、その答えはフォースに導かれていることに気付く。ヨーダによれば、フォースとはあまねく生命や物体を取り巻くもの。「お前とわしの間にもある」「地面とあの戦闘機の間にも」と言った。
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