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クエンティン・タランティーノ、『ヘイトフル・エイト』iPhoneでの公開を提案され激怒していた

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 来日記者会見
© THE RIVER

ヘイトフル・エイト』(2015)の公開方法を巡り、クエンティン・タランティーノ監督が米ユニバーサル・ピクチャーズに対して、激怒したことがあったのだという。一体、何が起こったのだろうか……?The Wall Street Journalにて、ユニバーサル・ピクチャーズの元代表ジェフ・シェルが事の経緯を語った。

そもそもクエンティン・タランティーノ監督といえば、最先端の映像技術やスタジオセットに頼らず撮影することで知られる、生粋のアナログ主義者だ。2014年には「デジタル化は映画の死だ」とまで公言しており、古き良きフィルム撮影に徹底する一面も見せている。そんなこだわりの強いタランティーノ監督は、本作を製作するにあたっても、圧倒的な解像度と息を呑む映像体験を実現させる70mmフィルムで撮影・公開させることを切望していたのだ。しかし、具体的な理由は不明だが、米ワインスタイン・カンパニーに要望を却下されてしまう。それでも妥協することが出来なかったタランティーノ監督は、他のスタジオにも打診する形になったというわけだ。

そして、実際に配給先の候補に挙がったのが、ユニバーサル・ピクチャーズだった。そこで、タランティーノ監督が特別の映写機および巨大スクリーンでの70mmフィルム上映を要求したところ、ユニバーサル・ピクチャーズ側は、何を思ったのか「iPhoneで配信するのはどうでしょうか?」と提案したのだ。それに対して、タランティーノ監督は「最高”ですね(Great)」と一言、皮肉を述べ、激怒しながらその場を立ち去ってしまったとのこと。デジタル化に対する抵抗感を持つタランティーノ監督にとって、この提案は“パンドラの箱”だったと考えてまず間違いないだろう。

ユニバーサル・ピクチャーズとの交渉決裂後、再びワインスタイン・カンパニーが配給を担当。70mmフィルムとはいかなかったものの、65mmフィルムで撮影されることになり、公開の際には念願叶っての70mm形式に変換されて上映された。また、タランティーノ監督が本作の次に手掛けた『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)でも16mm&35mmフィルムで撮影されており、今も尚、徹底したアナログ・フィルム主義を貫いているようだ。

Source: The Wall Street Journal , IndieWire

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Minami

THE RIVER編集部。「思わず誰かに話して足を運びたくなるような」「映像を見ているかのように読者が想像できるような」を基準に記事を執筆しています。映画のことばかり考えている“映画人間”です。どうぞ、宜しくお願い致します。

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