クエンティン・タランティーノ、『レザボア・ドッグス』リメイク版での引退案もあった ─ 次回作で引退の意志は変わらず

10作品目を最後に映画界から引退を公言している映画監督のクエンティン・タランティーノ。どうやら、映画界から退く意志は未だ変わらずのようだ。
米番組「Real Time with Bill Maher」にてタランティーノは、「あなたは引退するには若すぎるし、映画監督として今が絶頂期ではないですか」と司会者から疑問を投げかけられたところ、「だからこそ、辞めたいんです」と改めて表明。「どうして、今が絶頂期だと断言出来るのですか」と続けた司会者に対して、タランティーノは「僕は映画の歴史を知っています。ここから映画監督として良くなることはありません」と答えた。
それでも納得できない様子の司会者はタランティーノに、「あなたは他人の評価で判断していますが、そんなことはあなたにだって分かるはずがない。まだ58歳ではないですか」「そもそも、なぜ1本に限定する必要があるのですか」とさらに迫る。その理由についてタランティーノは、ドン・シーゲルによる名作映画を例に挙げながら答えた。「『アルカトラズからの脱出』(1979)を最後に彼が引退していたら、なんて最高な最終作だったか。なんて最高な幕の閉じ方だったか。ただ彼はその後、2本の映画を残して去っていきました」。
2019年にタランティーノは、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を9作目として発表。司会者は、タランティーノに対して経験値が創造性を高めるとしながら、同作が監督史上最高傑作であると話した。続けて司会者は、『レザボア・ドッグス』(1992)を現在の視点から作り直すことについて尋ねたところ、「『レザボア・ドッグス』のリメイクを最後の作品として考えたことがあります」と告白。とはいえ、「やりませんよ。ただ、考えはしました」と付け加えている。
司会者から必死に説得されるも、タランティーノは最後までその意志を変えることはなかった。一体、どんな最高傑作で幕を閉じるのだろうか……。
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Source:Real Time with Bill Maher