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オーランド・ブルーム、マーベルで演じるなら「キャプテン・ブリテン」 ─ 『LOTR』『パイレーツ』の思い出、日本愛を「東京コミコン2019」で語る

オーランド・ブルーム「東京コミコン2019」
©THE RIVER

2019年11月22日(金)~24日(日)開催の「東京コミコン2019」(幕張メッセ)3日目、ジュード・ロウに続いてステージに現れたのは、『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』のレゴラス役、『パイレーツ・オブ・カリビアン』ウィル・ターナー役のオーランド・ブルーム。午前中から美しくセクシーな魅力を放つスターが続々と姿を見せ、観客のボルテージは否応なく上がっていく。

進行は杉山すぴ豊と、「東京コミコン2019」広報部長の宇垣美里。呼び込まれるや、スマホで自撮りしながらの登場だ。熱狂的な歓声が上がる客席を前に、満面の笑顔を浮かべて「元気ですか、東京!」とオーディエンスに呼びかける。「みんな大好き!」と日本語で叫び、東京コミコンについては「すばらしいですね。日本のファンは愛情たっぷり、すごく丁寧です」と話した。

オーランド・ブルーム「東京コミコン2019」
©THE RIVER

オーランドといえば、『ロード・オブ・ザ・リング』『ホビット』のレゴラス役が今でも愛され続けている。弓矢の訓練には8週間を費やしたといい、「トレーニングが終わる頃には、空中を飛んでいる皿を射抜けるくらいにはなっていました。あの映画では、みんながすごく大変なトレーニングをしていたんですよ」と語った。とはいえ8週間という期間は、長いようでいて、武術のようなものを会得するには短い。「映画ではCGも使われますからね」といたずらっぽく笑顔を見せた。

また、もうひとつの代表的シリーズである『パイレーツ・オブ・カリビアン』については「まさに宝物のような体験でした」と振り返る。「ジョニー(・デップ)やキーラ(・ナイトレイ)と共演できたし、すごく若い、冒険心にあふれた、ロマンティックな役柄を演じるのは楽しかったですよ」。一方で、剣術を学ぶことはレゴラスの弓矢よりも難しかったそう。「(訓練の)期間が短かったし、大変でした。弓矢よりも難しいのは動きがあることで、美しいダンスを踊るようなものなんです。どう自分が動くのか、戦う相手がどうするのかも分からなくちゃいけない。とても楽しかったんですが、大変な仕事でしたね」。

オーランド・ブルーム「東京コミコン2019」
©THE RIVER

実は今回、オーランドは「東京コミコン2019」への来日が一度キャンセルされたという経緯があった。理由は、Amazon Prime Videoのドラマ「カーニバル・ロウ」シーズン2の撮影に入っているため。実は「来年は必ず行くよ!」というビデオメッセージも撮影されていたというが、その後、来日が再決定したのだ。その際、SNSには「オーランドは約束を守ってくれると信じていた」などの声があふれたが、これにオーランド自身は「僕はいつでも約束を守ります」と一言。客席から拍手喝采が鳴り響いた。

「20年前、『ロード・オブ・ザ・リング』のプロモーションで初めて来たときから、僕は日本のことが本当に大好きなんです。食事も、文化も好きだし、美しいし、きちんとまとまっている感じがするのも良い。『カーニバル・ロウ』の撮影で行けないということになった時、すごくがっかりしたんですよ。だけど、そのあと連絡があって、来られることが分かって。“まだ大丈夫?”と聞いたら、大丈夫だということで、来ることができました。来られて本当にうれしいです。」

ちなみに「カーニバル・ロウ」でオーランドが演じているのは、ある歓楽街で起こった連続殺人事件を追う刑事役。「神秘的な存在がたくさん出てくるファンタジーで、妖精やトロール、エルフなどが出てきます。だけどファンタジーでありながら、現実世界のような体験を味わえます」とアピールした。オーランド演じる刑事は、事件を追う中で、より大きな問題にぶつかるという役どころ。「(シーズン1が)Amazon Primeで配信されているので、ぜひご覧ください」。

オーランド・ブルーム「東京コミコン2019」
©THE RIVER

これまで様々な役柄に挑んできたオーランドは、演技の上でどんなことを大切にしているのか。宇垣の質問には、「いつも役の中にある“光”を見つけようとしています。闇と向き合っているようなキャラクターであっても、そこにどんな光があるのかを発見したいと思っているんです」。

また杉山から「アメコミヒーローで演じたい役どころは?」と尋ねられると、「僕はマーベルもDCも大好きですが、演じたいのはキャプテン・ブリテン。イギリス人ですからね(笑)。キャプテン・アメリカも大好きですけど」と答えた。特に、マーベルの映画づくりには敬意を払っているようで、「アイアンマンは良いし、マーク・ラファロが演じるハルクも素晴らしいですね」と話している。

トークの最中、オーランドはファンに向かって大きく手を振ったり、笑顔を浮かべたり、胸に手を当てたりと、ファンへの感謝とサービスを常に示していた。ファンへのメッセージを求められると、日本語で「ありがとうございます、みんな大好き」と口にしてから、「本当に親切で、誠実で、すごく支えてもらっていると思います。みなさんとハグしたいくらい」と笑ってみせた。

オーランド・ブルーム「東京コミコン2019」
©THE RIVER

最後にオーランドは、自ら観客との記念撮影を提案。大きな人だかりができたステージエリアを背景に、自身のスマホを再び取り出した。「ワン、ツー、スリー、みんな大好き!」のコールで写真が撮られると、「ありがとうございます」と再び日本語で感謝。両手を合わせ、頭を下げると、宇垣や杉山と握手を交わし、オーランドは徹底して丁寧にふるまう。端正なビジュアルはもちろんのこと、ワイルドかつキュートな魅力、そして人柄がにじむスマートであたたかな立ち振る舞い。短い時間ではあったが、大勢の観客の心をしっかりとつかんだにちがいない。

ギャラリー

「東京コミコン 2019」開催概要

会期 2019 年 11 月 22 日(金)~11 月 24 日(日)
※11 月 22 日(金)12:00~20:00
※11 月 23 日(土)10:00~20:00
※11 月 24 日(日)10:00~18:00
会場 幕張メッセ 9・10・11 ホール (〒261-0023 千葉県千葉市美浜区中瀬 2-1)
 

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。