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【東京コミコン2018】怒涛の「バーフバリ」推し、映画・チャンネルNECOのブースが謎キャラで異様な空気

東京コミコン2018
©THE RIVER

なんだこのキャラクターは

超人気のインド映画『バーフバリ』シリーズの前日譚アニメ「バーフバリ 失われた伝説」シーズン1を一挙放送する、映画・チャンネルNECOが「東京コミコン 2018」の会場で放っている空気が異様である。ブース一面に貼り出されているのは、おなじみシリーズの主人公であるバーフバリのお面だ。

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これほどまでの『バーフバリ』推しには理由がある。2018年の東京コミコンには、バラーラデーヴァ役のラーナー・ダッグバーティ氏が来日し、オープニングイベントに早くも姿を見せてくれた。昨今、日本全土を席巻している空前の『バーフバリ』ブーム、そしてインド映画ブーム。この勢いにさらなる火をつけるべく、幕張メッセに駆けつけたのが“インド映画の応援隊長”こと「ナン子」だったのである。

「バーフバリ」推しの謎キャラ、その正体は

ナン子の歴史はそこそこ長い。インド映画が日本でさほど盛り上がっていなかった2013年に、『きっと、うまくいく』(2009)、『タイガー 伝説のスパイ』(2012)、『闇の帝王DON ベルリン強奪作戦』(2011)、『命ある限り』(2012)という注目の4作品が「ボリウッド4」として日活の配給で公開された際に誕生したキャラクターなのだ。

なんと今回、東京コミコンの会場には「ボリウッド4」の当時のプロデューサー氏も参加。ナン子ちゃんの後ろでバーフバリのお面を手作業で組み立てており、そこでお話をうかがうことができた。いわく、ナン子ちゃんは「ボリウッド4」の公開にあたって「なんとかインド映画を盛り上げられないか」新橋の焼きとん屋で話し合っていたところ、「ゆるキャラが欲しい」というアイデアが出たことで生まれたという。

ところが、ゆるキャラを作り出すにはその後のプロセスがこれまた異様であった。日活社内で開かれたデザインコンペでなぜか採用されたナン子だったが、その選考に携わったのはロックバンド「筋肉少女帯」や「特撮」で知られる、ミュージシャン・作家の大槻ケンヂ氏。さらに頭部の着ぐるみを製作したのは、日本のホラー映画/バイオレンス映画で“残酷造形”なる職域を打ち出した「西村映造」の西村喜廣氏だったというのである。

その後、ナン子ちゃんは「ゆるキャラグランプリ2013」にエントリーしているほか、“カンフー映画応援隊長”の「ナン子・リー」という、もはやナンとはナンの関係もない妹分を誕生させて「ナン子シスターズBand」なるコンビを組んでもいる。もうわからないよ。

さらに、よくよくお話を聞いてみると、ナン子には「ナマステ」しか喋れないという設定があるという。インド映画を応援するナンのキャラクターで、しかも「ナマステ」しか喋れないというキャラクター造形、失礼を承知で言えば設定がゆるい。設定のゆるキャラである。ちなみに、ナン子の公式Twitterは2013年から更新されていない

空前のインド映画ブーム、ナン子が帰ってきた

とにかく2018年冬、ナン子は帰ってきた。東京コミコンというポップカルチャーの祭典で、『バーフバリ』という超人気シリーズをひっさげて帰ってきたのだ。「ボリウッド4」のプロデューサー氏は「こんなにインド映画の人気が出て…」と感慨深げであったが、もはやナン子がインド映画を応援しているのか、インド映画がナン子を応援しているのかわからない。なおまったくの余談だが、今回の登場にあたって、ナン子の衣裳(首から下)は中の人が自腹を切っているそうである。

東京コミコン2018
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ところで、ブース一面に貼り出されたバーフバリのお面は、ブースでナン子の写真を撮影して「#バニメNECO」のハッシュタグを付けてSNSに投稿するともらえるという。コミコンを訪れたマヒシュマティの民たちは、バーフバリと引き換えにナン子の姿を拡散せねばならないのである。真の独裁者とは誰か……。

なお担当者の方によると、コミコンでバーフバリのお面を配布することに決めた理由は、このたび映画・チャンネルNECOにて「バーフバリ 失われた伝説」を放送するにあたって、すでに知名度の高い実写映画版との差別化を図ったためだという。確かに、これならアニメだと一目でわかる!

東京コミコン2018
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というわけで「東京コミコン 2018」へお越しの際には、ぜひナン子の歴史を噛みしめて、ここで出会えた奇跡を喜び、写真を撮ってSNSに投稿し、そしてバーフバリのお面を持って帰ってほしい。幸いにも撮影初日、ナン子の周りには人だかりができていた。誕生から数年、とうとうブレイクの時は近い(かもしれない)。

アニメ「バーフバリ 失われた伝説」シーズン1は、2018年12月22日(土)、映画・チャンネルNECOにて全13話一挙放送

映画・チャンネルNECO 公式サイト:https://www.necoweb.com/neco/

「東京コミコン2018」開催概要

東京コミコン

会期:
2018年11月30日(金)12:00~19:00
2018年12月1日(土)10:00~19:00
2018年12月2日(日)10:00~18:00

会場:幕張メッセ国際展示場9・10・11ホール

チケット情報

前売入場券

※チケットぴあ、ローソンチケット、イープラスの3社で発売
発売:2018年9月1日(土)10:00~2018年11月29日(木)まで
11月30日(金):一般2,800円(税込)中高生2,200円(税込)
12月1日(土)、2日(日):一般3,200円(税込)中高生2,200円(税込)
詳細につきましては、オフィシャルサイトにて後日発表となります。
※英語でのご案内、海外在住の方はこちらのサイトをご利用いただけます。
Tickets for English Speaking persons and non-residents are available at:http://hollycontokyo.com/

当日入場券

※チケットぴあで発売
発売:2018年11月30日(金)0:00~
一般3,500円(税込)中高生2,500円(税込)
詳細につきましては、オフィシャルサイトにて後日発表となります。

「東京コミコン 2018」公式サイト:http://tokyocomiccon.jp/

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。