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【レポート】「スター・ウォーズ レジスタンス」製作陣が「東京コミコン 2018」に登場 ― 「誰も見たことのない、一生残る作品に」

東京コミコン2018 スター・ウォーズ レジスタンス
©THE RIVER

2018年11月30日(金)、ポップカルチャーの祭典「東京コミコン 2018」にて、『スター・ウォーズ』シリーズの新アニメ「スター・ウォーズ レジスタンス」のトークイベントが開催された

いよいよ日本初放送を2018年12月9日(日)に控えた本イベントには、エグゼクティブ・プロデューサーを務めるルーカスフィルムのアシーナ・ポルティーヨ氏と、アニメーション制作を担当したポリゴン・ピクチュアズのジャック・リアン氏、そしてさらなるゲストとしてトーラ・ドーザ役の吹き替えを務める佐藤美由希氏が登壇。作品への思いや舞台裏などを存分に語ってくれた。

スター・ウォーズ レジスタンス
© & TM 2018 Lucasfilm Ltd.

『フォースの覚醒』の半年前を描く

「スター・ウォーズ レジスタンス」は、映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(2015)の約6ヶ月前、また『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)の30年後を舞台とする物語だ。ジェダイではなくパイロットに焦点を当てて、レジスタンスが誕生する以前の世界が描かれることになる。

このたび「東京コミコン 2018」に登場したアシーナ氏は、「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」で2度のエミー賞に輝き、2016年には米The Hollywood Reporterによる“エンターテインメント業界で最も力のある女性100人”に選ばれた人物。本作では「クローン・ウォーズ」「スター・ウォーズ 反乱者たち」に続いてエグゼクティブ・プロデューサーを務めている。

東京コミコン2018 スター・ウォーズ レジスタンス
©THE RIVER

アシーナ氏によると、デイヴ監督はもともと“パイロット”という存在に興味を抱いていたという。そこで本作では、そういった設定を通して「レジスタンスやファースト・オーダーがどのように出来上がったのか、レイア・オーガナとポー・ダメロンの関係はどういったものかを描きたかった」のだとか。映画では故キャリー・フィッシャーが演じたレイア、オスカー・アイザックが演じたポーの関係が、さらにその過去まで遡って紡ぎ出されることになりそうだ。

「スター・ウォーズ レジスタンス」の主人公となるのは、ポーにスカウトされる若きパイロットのカズ(カズーダ・シオノ)。彼はBB-8とともに、ファースト・オーダーの脅威を探っていくことになる。
制作に携わったポリゴン・ピクチュアズのジャック氏は、『スター・ウォーズ』新3部作とのリンクする作品をアニメーションで描くことに「本当にワクワクした」と話す。しかしルーカスフィルムや『スター・ウォーズ』といえば、非常に厳しい秘密主義を求めることでも知られる。ジャック氏は製作の日々について、「誰にも何も喋っちゃいけないのはつらかった」と振り返った。

東京コミコン2018 スター・ウォーズ レジスタンス
©THE RIVER

ルーカスフィルムとポリゴン・ピクチュアズ

「スター・ウォーズ:クローン・ウォーズ」「スター・ウォーズ 反乱者たち」を手がけたデイヴ・フィローニ監督らは、本作の製作を2015年から開始したとのこと。当初からデイヴ監督らは「誰も見たことのない作品にしたい」と意気込んでいたといい、「クローン・ウォーズ」を経て、ルーカスフィルムとポリゴン・ピクチュアズの再コラボレーションを熱望したとのことだ。

ジャック氏はルーカスフィルムからのオファーを受けて、「プレッシャーはあったが確かな信頼、期待を感じた」という。ポリゴン・ピクチュアズは「常に誰も見たことのない、まったく新しい要素、まったく新しい見た目のアニメーション、デジタルコンテンツを手がける」というモットーだといい、「スター・ウォーズ レジスタンス」のオファーは最高の挑戦になったとか。
またアシーナ氏も、ポリゴン・ピクチュアズの作り出す「2Dのような3D表現」には大いに感じ入り、同社の持つ知識と教養に大きな刺激を受けたとのこと。本作では、作品のルック(見た目)において同社の実力が大きく活かされたという。

東京コミコン2018 スター・ウォーズ レジスタンス
©THE RIVER

なお「スター・ウォーズ レジスタンス」は、アシーナ氏によると、各エピソードごとに脚本から完成まで約1年が費やされているとか。本編制作の一部を担っているポリゴン・ピクチュアズも、1話あたり20~25週という時間をかけて細部を作り込んだ。制作中はルーカスフィルムのスタッフが東京やマレーシアのスタジオで共同作業にあたっており、デイヴ監督のビジョンが具現化されているかを確かめてきたという。

アシーナ氏は、ポリゴン・ピクチュアズによる高水準の映像に惜しみない賛辞を送っている。制作中にはストーリーの一貫性などを確かめるため、全22話をまとめて見ることがあるそうだが、「細部までとても美しい仕事で何度見ても飽きない」と話した。一方のジャック氏によれば、制作には「長い時間をかけ、大勢の人間が関わっており、1コマごとにすごい労力がかかっている」そうで、完成時には「大きな満足感が得られるのが素晴らしい」という。

ちなみに今回のトークイベントでは、制作の舞台裏を捉えた映像が特別に上映され、ジャック氏がリアルタイムで解説を加えていくという貴重な場面もあった。

東京コミコン2018 スター・ウォーズ レジスタンス
©THE RIVER

トークの終盤には、エースパイロットのトーラ・ドーザ役を演じる佐藤美由希氏が花束を持って登場。アシーナ氏はトーラをイメージした髪型で登壇しており、「あなたのためのヘアスタイルなんですよ」と話していた。

佐藤氏はトーラ役への就任、『スター・ウォーズ』ファミリーへの参加について「最初は信じられなかった」と述べつつも、「きちんとトーラとして生きて、その魅力やかわいさを少しでもお伝えしたい」と意気込みを語った。コミカルな要素をもつ作品ゆえ、アフレコ作業は収録現場はとても明るい雰囲気で楽しく進められているという。

東京コミコン2018 スター・ウォーズ レジスタンス
©THE RIVER

最後に「スター・ウォーズ レジスタンス」について、ジャック氏は「日本のアニメを思わせる淡い色彩など、素晴らしいルックになった」と自信をにじませる。また作品の見どころは「永遠の男の子としては、たくさん戦闘機が出てくるところ」だとして、「アニメのテイストとしては『ルパン三世』を思わせるところもある」と話した。その真意については、ぜひ本編で確かめてみよう。

またアシーナ氏は、「私は『スター・ウォーズ』には5歳で出会い、その経験が一生残るものとなりました。みなさんにとって、この作品が同じような経験になればうれしく思います」と述べた。

アニメ「スター・ウォーズ レジスタンス/スカウト」は、2018年12月9日(日)夜7時よりディズニーXDとDlifeで同時日本初放送。

「スター・ウォーズ レジスタンス」公式サイト:https://starwars.disney.co.jp/tv/resistance.html

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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