「東京コミコン」杉山すぴ豊Pに聞く運営のウラ事情 ─ 「マッツさんのステージで当日券の売上変わる」「SNSで頂くご意見は見ています」

──いつも来日セレブが豪華で驚かされますが、女性セレブの数ももっと増やして欲しいです。
そちらも考えています。コミコン自体には女性ファンが多い。男女ともに人気のある女優さんだといいなと思うんです。たとえば、マーベルならエリザベス・オルセンさんのように。
──女性セレブについて、アプローチはしているのですか?
しています。今後も積極的に行っていきたいです。
──コミコンがきっかけで興味や関心が広がることもありますから、どのセレブを招致するかはとても重要ですね。
こんな話があるんです。ハリウッド映画に関心が薄く、ハリウッド俳優もほとんど知らないという女性が、お姉さんの付き合いで東京コミコンに来られた。その時、たまたま一緒に見たステージイベントで、とんでもなくカッコいい方を初めて見て、即ファンになってしまったそうです。それは誰かというと、ジュード・ロウさん。

僕は、俳優のカッコ良さや綺麗さがきっかけで映画が好きになるというのもアリだと思います。コミコンがそういう出会いの場になれば嬉しい。例えば、若い方は『ロボコップ』を知らないことも多いと思いますが、ピーター・ウェラーさんが来日したステージのおかげで、『ロボコップ』や『バカルー・バンザイの8次元ギャラクシー』を初めて観たという方もいましたから。そういう広がりを起こすのが、コミコンの一つの醍醐味だと思います。映画会社からも、コミコンの場で何かできませんかという問い合わせが増えましたね。
──東京コミコンや大阪コミコンは、ポップカルチャーにとっての大きなコミュニティとして必要不可欠だと思います。洋画ファン、海ドラファンがこれだけの規模で集まれる機会というのは、今、日本にはコミコンしかない。SNSを見ていても、コミコンを通じて仲間たちと会うことを楽しみにしている方が本当にたくさんいます。別に友達じゃなくても、あの場所に行けば、自分と同じコンテンツを愛する人たちが大勢集まっている。自分はここにいていいんだということがわかるんです。ポップカルチャーの喜びを年に一度再確認できる貴重な場所。だからコミコンは発展しなければならないんです。
その通りですね。そのことに気付かされたのが、2020年開催でした。コロナ禍でリアル開催ができなくなり、オンラインでやりましたが、やはりリアルで会えないというのは、コミコンとしての楽しさが失われてしまう。「会える」というのは、セレブと会えるというだけじゃない。おっしゃる通り、仲間たちと会えるか会えないか、というのは大きいんです。そういう場を提供できるというのは、すごく大切なことだと思います。
それから、コミコンをこうしていきたいというビジョンもあるんですが、コミコンはプラットフォームであると考えています。「コミコンはこうあるべき」みたいな個性を出さない方がいいのかな、と。
我々のコンテンツがアメコミ関係だけになることもなければ、ハリウッドものだけになることもありません。日本のものも当然あって良い。もっと広くても良いんです。たとえば、昔はJAXAさん(宇宙航空研究開発機構)に出展いただくこともありました。SF映画や宇宙ものが好きな人は宇宙も好きなはず、といった繋がりです。
それから、声優さんのステージも人気です。声優さんは日本のIPであるアニメもやっているし、海外ドラマもやっている。声優さんというのは、実は日本と海外のIPをつなぐ架け橋のような存在でもある。コミコンにとって声優さんはとても大事です。
──ステージの裏で、セレブたちはどのように過ごしているのですか?
ステージ裏はすごく活気がありますよ。そのセレブの日本語吹替声優さんがバックステージに来られて、本人と対面を果たすということも時々あります。セレブの方も「君が僕か!」と喜ばれますね。和気藹々としています。
コスプレステージの時は、セレブがステージに向けて待機するコスプレイヤーさんたちを裏で見ていて、その完成度や愛の深さに大感激しています。コスプレファンの写真を撮るセレブもいますね。
──ステージ裏で、セレブ同士が仲良くなることは?
あります。よくありますね。談笑していたり、お互いに写真を撮りあっていたり。実はピーター・ウェラーさんが参加したのは、仲良しのクリストファー・ロイドさんが直接誘ったから、という裏話もあります。セレブの皆さん、お祭り感覚でご機嫌なことが多いです。
──ズバリお聞きしますが、SNSでは運営に対する意見や要望が毎年たくさん書き込まれていますよね。見ていますか?