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クリストファー・ノーラン、新作は「もっとも野心的」 ─ ジャンルを超えるスパイ映画、『テネット』場面写真が米公開

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『ダークナイト』3部作や『インターステラー』(2014)の映画監督、クリストファー・ノーランは今回も本気だ。なんでも、次回作『テネット(原題:TENET)』はキャリア史上もっとも野心的な作品だというのである。

ノーラン作品の例に漏れず、本作のストーリーは謎のベールに包まれたまま。タイトルの『テネット(Tenet)』とは「教義・信条」を意味する言葉で、ノーランが自ら執筆した脚本は「国際スパイが世界を股にかける大作アクション」に仕上がっているとのこと。革新的ブロックバスター映画である、冒険映画である、そして“時間の連続性”をめぐる物語だとも伝えられてきた。

このたび米Entertainment Weeklyでは、ノーラン自身が『テネット』について初めて語った。そこでノーランは、新たな挑戦となる本作への自信を惜しみなく口にしている。

「僕たちはスパイ映画の観点から出発しましたが、そこからいろんなところに向かっています。いくつもの異なるジャンルを、エキサイティングかつ新鮮な形で越境しているんです。エマ(・トーマス/プロデューサー)と僕は、これまでスケールの大きい作品をたくさん作り上げてきましたが、世界的展開という点では、確実に今回が過去最大。7ヶ国のあちこちで、大人数のキャストとともに大規模のアクションを撮影しました。間違いなく、これまでで最も野心的な映画です。」

出演者のアーロン・テイラー=ジョンソンは、本作について「映画の限界に挑戦している」「ハイ・コンセプト(編注:内容を簡潔に説明できるシンプルな企画)やSFのコンセプトの限界を拡張しようとしている」と語っていた。作品のスケールとノーランの企み、その両面で極めて高い次元を目指している作品と言えそうだ。

主演を務めるのは、『ブラック・クランズマン』(2018)の新鋭ジョン・デヴィッド・ワシントン。ノーランいわく「大いなるヒーロー」の役柄を演じているという。なおEntertainment Weeklyでは、『トワイライト』シリーズや『グッド・タイム』(2017)で知られるロバート・パティンソンとの共演シーンの場面写真が公開された。

元アメリカンフットボール選手という経歴を持つ異色の俳優であるワシントンを、ノーランは「すさまじく優秀な俳優であり、身体面の才能も素晴らしい」と絶賛する。「アスリートだから、誰もがついていくのに必死なんです。車やヘリコプター、いろんな乗り物から彼を撮りましたよ」。

一方でワシントン自身は、ボートのシーンを撮影した際の苦労を振り返っている。「怖かったですけど、クリストファー・ノーランが“アクション!”って言うんで、そういう気持ちをかなぐり捨てて、クールに見えるようにしなきゃいけない。ボートの操縦のしかたなんて知らないし(笑)。だけど、さも操縦できるかのように演じなきゃいけませんから」。

そのほか本作には、『コードネームU.N.C.L.E.』(2015)『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(2017)のエリザベス・デビッキ、ノーラン作品常連のマイケル・ケイン、『ダンケルク』(2017)から続投のケネス・ブラナーらが出演。撮影監督は『インターステラー』『ダンケルク』に続いてホイテ・ヴァン・ホイテマ、編集は『ヘレディタリー/継承』(2018)のジェニファー・レイム、音楽は『ブラックパンサー』(2018)の注目株ルドウィグ・ゴランソンが務める。

映画『テネット(原題:TENET)』は2020年7月17日に米国公開予定

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Source: Entertainment Weekly

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。