『TENET テネット』飛行機破壊シーン、実機を衝動買いしていた「CGより効率的だから」

『ダークナイト』3部作や『インターステラー』(2014)などで比類なきこだわりを見せてきた映画監督、クリストファー・ノーランが、最新作『TENET テネット』でまたもや常識外れの映画づくりに挑んでいることが話題だ。予告編に登場する、大型旅客機が建物に突っ込むシーンを撮るため、本物の飛行機を本物の建物にぶつけたのである。
この事実を前に、映画ファンの間では驚きの声あり、「やっぱり」「ですよね」の声もあり。しかし英Total Filmにノーラン自らが語ったところによれば、最初は「ミニチュアを使って撮り、CGと合成しようという計画だった」という。では、なぜ最終的に実写で撮りきることになったのか?
『TENET テネット』で建物にぶつけられたのは大型旅客機「ボーイング747」。製作チームはわざわざ機体を購入し、わざわざ破壊しているのである。きっかけとなったのは、一同がロケハンのためにカリフォルニア州ビクタービルを訪れた際、現地で古い飛行機を多数発見したことだった。
「そこで検討したところ、ミニチュアを作ったり、CGで作ったりするより、実物大の本物の飛行機を買い、実際にカメラで撮るほうがずっと効率が良いってことがわかったんです。だから変な話、衝動買いでした。だけど、実際にやったらとてもうまくいきましたね。特殊効果スーパーバイザーのスコット・フィッシャー、プロダクション・デザイナーのネイサン・クロウリーが、どうすればこの派手なシーンをカメラで撮れるのかを考え出してくれて。大興奮でしたよ。」
主演のジョン・デヴィッド・ワシントンは、以前このシーンについて「とんでもなかった! すごかったですよ」と言い、カットがかかった後には「みんなで歓声を上げた」と話していた。このシーンに参加したというロバート・パティンソンは「本物の747型が爆発するシーンに自分が出るなんて、まさか誰も考えていなかったと思います。攻めすぎでバカバカしいくらい」と笑う。「撮影の時、“この映画はあと何回ぐらいこういうことをやるの?”って思いましたよ」。
Source: Total Film