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【レポート】「『ターミネーター』の名がつくもので、面白くないものは無い」3作ぶっとおし上映で濃厚トーク、『ニュー・フェイト』は「3時間貶せて3時間褒めれる」

ターミネーター:ニュー・フェイト
© 2020 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

伝説的作品『ターミネーター2』(1991)の正統な続編として登場したターミネーター:ニュー・フェイトが、早くも2020年3月4日にブルーレイ&DVDリリースとなる。これを記念して、『ターミネーター』(1984)『ターミネーター2』(1991)、そして本作『ターミネーター:ニュー・フェイト』を3作続けて上映する「『ターミネーター』3作ぶっとおし応援上映」が池袋・新文芸坐で開催。愛ある『ターミネーター』ファン200名が熱狂した。

イベントでは、『ターミネーター』シリーズ愛好家として、映画評論家のてらさわホーク、「ウルトラマン」シリーズ監督の田口清隆が登壇。愛すべき『ターミネーター』シリーズの魅力を大いに語った。

『ターミネーター』3作ぶっとおし上映
© THE RIVER

『ターミネーター』子どもの頃の思い出

今なお多くの支持を受ける『ターミネーター』『ターミネーター2』は、ファンにとって少年少女時代における共通の思い出だろう。「『T2』がとにかく大好き」「全ての映画の中で3本の指に入るくらい」という田口は、公開当時4歳だったという第1作について「僕にとってホラー映画だった」と振り返る。「『エイリアン』も『ターミネーター』も1は怖かったんですけど、両方とも2でキャメロンがエンタメにしてくれたっていう。」「父親が映画好きで、『グーニーズ』(1985)『グレムリン』(1990)も映画館で観た記憶がある。『ターミネーター』はどうやら行っていないようなんですよね。たぶん、怖かったんだと思います。『グレムリン』(1984)も1は怖かったですよね。『バタリアン』(1985)も『グレムリン』も、2になるとみんなエンタメになる。」

そんな田口は、子供の頃は『ターミネーター2』のT-1000(悪役)に憧れ、その歩き方や走り方を真似していたとの思い出を語る。「『ターミネーター2』を観てから姿勢が良くなった。足が遅かったんですけど、体育の授業の短距離走の時にT-1000の走り方を真似したら、速くなったんですよ。リレーの選手に選ばれたくらい。T-1000のおかげです。今でも、普段歩く時に無表情で前を見て、こう…、クセが(笑)。」

田口は第1作目について「改めて観ると、いい意味での荒削り感というか、勢いでワーッとやっている感じが良い」との魅力を語る。「80年代のハリウッドの、作り物で頑張ってる感じってあるじゃないですか。今ってもう、見分けつかない(ほどのCGの出来栄え)っていうのは良いことなんですけど、(当時の作品の)見分けついちゃうんだけど、良い感じっていうのが。」

一方てらさわは『ターミネーター2』について、「公開当時は“最新のSFXが…”というところが取り沙汰されていましたけど、今日改めて観てみると、やっぱりアナログ特撮というか、CGじゃないところ、作り物やミニチュアをうまく使ってますよね」と再評価。「『ターミネーター』は1作目の製作が640万ドルくらい。今のお金にしたら結構な金額かも知れないけど、それでも超大作という予算ではない。ジェームズ・キャメロンが夜のロサンゼルスでひたすらゲリラ撮影していたらしい」と解説を続ける。「それでも予算が尽きちゃって、キャメロンとプロデューサーのゲイル・アン・ハードという方が個人的に借金してようやく完成した。第2作(の製作費)は1億ドルと言われてますから、1作目から15,6倍ということですよね。T2のキャメロンは、第1作でやりたくても出来なかったことをやった。SFXにお金を使えるだけ使っている感じが凄く良いですよね。」

『ターミネーター』3作ぶっとおし上映
© THE RIVER

第1作、悪のシュワルツェネッガーの魅力

続けててらさわが、「2ではスタン・ウィンストンが特殊メイクをすごく頑張っていて、途中からシュワルツェネッガーの骨が見えちゃうんですが、どうしても顔のちょっと外側に骨がある。それが当時の特殊メイクの味ですよね」と語ると、田口は「『ターミネーター』シリーズはシュワちゃんの顔がいかに削れるかも見どころ。2の削れっぷりは良いですよね」とコメントした。

どちらかと言うと1作目を支持するというてらさわだが、その理由は「シュワルツェネッガーの悪の魅力」。「改めて観ると1はワルいですね。今日は大きな画面で観直して思ったんですけど、モーテルに帰ってきて、鏡の前でノースリーブで目をえぐったりするじゃないですか。そのシーンの二の腕がめちゃくちゃ太い。あの頃ってボディビル上がりで、身体としては一番バルクが良い頃だと思うんですよ。こんな人が追っかけてくるって、やっぱホラーですよね。」

『ターミネーター』3作ぶっとおし上映
© THE RIVER

「もともとのキャメロンのビジョンは、一見普通の人が音もなく襲いかかってくるというものだったらしいんですね」と、てらさわからトリビアも。「1作目に、ランス・ヘンリクセンが演じるブコビッチ刑事という人がいましたけど、あの人を元々(ターミネーター役に)考えていたくらいで。」田口は「その時シュワちゃんに役が決まっていなかったら、こんなに続いていなかったかも知れませんね」としみじみ。

この日のぶっとおし上映では、ファンに混じって『ターミネーター2』を再鑑賞したてらさわ。「ラスト(溶鉱炉に沈むシーン)でボロ泣きしました。会場の皆さんもこうやって(親指を立てて)ましたよね」と呼びかけると、田口は「泡風呂入ると大体やりますよね。で、沈んでく」と笑わせる。

『ターミネーター』3作ぶっとおし上映
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『T2』以降のシリーズ再評価

「2以降も全て劇場で観ている」という田口だが、「唯一脱落したのはTVシリーズのやつ(「ターミネーター:サラ・コナー クロニクルズ」)」と告白。「ごめんなさい、ちょっと忙しくなっちゃって、また観ようと思っていたら打ち切りになったという話を聞いて……。」

てらさわも「全く同じ状況です。ブルーレイは持っているので、いつでも観られるんですけど」と同調。「まぁ、『ターミネーター』との名がつくもので、面白くないものは無いんですけどね。4作目、5作目も、今になって観てみると、これはこれで(面白い)。『ターミネーター3』(2003)も最近では再評価の兆しがすごくある。T2よりも予算がすごくかかっていて……、やってることはロボット同士がトイレで殴り合っている(笑)。」

クリスチャン・ベールをジョン・コナー役に据えた『ターミネーター4』(2009)について、田口は「僕はすごく好きなんですよ」と評価する。「みんなが観たかった未来戦争を描いたのに、何でみんな評価しないんだ、みたいな(笑)。」

てらさわも「そうなんですよ!」と熱い反応。「そのことについては、当時から物申したかった。(未来戦争は)1作目、2作目の冒頭でほんの少し触れただけじゃないですか。あれを全編やってくれたんだから。何だよ、とか思って。おっきなロボットも出てくるし」と熱弁すると、「男の子大喜びな要素満載でしたよね」、と田口。

続く『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(2015)も、てらさわは「第1作と第2作を最先端の技術でアップデートしてくれたじゃないですか。そこから独自の展開が始まっていく」との魅力を紹介する。「ファンにとっては堪らない映画のはずなのに、みんな何故か『新起動/ジェニシス』の話になるとそっと目を伏せる」とシュンとすると、会場からは笑いが溢れた。

『ターミネーター』3作ぶっとおし上映
© THE RIVER

待ってました!『ニュー・フェイト』

そして、待望の最新作『ターミネーター:ニュー・フェイト』はジェームズ・キャメロンが製作に復帰した『ターミネーター2』の正統な続編だ。この日は3作続けてスクリーンで鑑賞できる贅沢な機会となったが、田口は「3作ぶっとおしで観る一番の魅力と言えば、サラ・コナー三段活用ですよ!」と熱弁する。「予告編にもありますけど、登場シーンは“待ってました!”という感じ。」

ターミネーター:ニュー・フェイト
© 2020 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

てらさわは「28年ぶりですから」と、リンダ・ハミルトン演じるサラ・コナーとの再会を喜ぶ。「第1作目の若々しさ、びっくりしますよね。あの時は20代ですよ。『T2』でもずいぶん貫禄が出ていましたけど。」

「『ニュー・フェイト』では、さらに歳を重ねて。シュワルツェネッガーも、どうやって出てくるのかがビックリしましたね。観た後に飲みに行って、いっぱい話して欲しい」と語った田口からは、最後に「3時間けなせるし、3時間褒めちぎれる映画です」との名評価(?)も飛び出した。

ターミネーター:ニュー・フェイト
© 2020 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

この日の上映会は「V8J絶叫上映企画チーム」による応援上映形式で、上映中の喝采、声援、鳴り物の使用が可能だった。コスプレ姿も見られるファンで埋め尽くされた会場で、『ターミネーター2』ラストシーンでは観客が揃って親指を立てた。『ターミネーター:ニュー・フェイト』サラ・コナー登場シーンでは、田口が言ったように「待ってました!」などの歓声が飛び交い、この日のハイライトに。愛する『ターミネーター』への熱気に溢れた、長く短い1日となったのだった。

ターミネーター:ニュー・フェイト

『ターミネーター:ニュー・フェイト』は、2020年3月4日(水)ブルーレイ&DVDリリース。デジタル先行配信中。

発売・販売元:20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン
(c)2020 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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