サノスのCGは『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』に「まるで及ばない」とジェームズ・キャメロン ─ 毒舌ふたたび、その真意とは

「先に言っておきたいんだけど、マーベルやDCをけなすつもりはないから。私はああいう映画も大好きだし、そういう話はしないでおこうね」。巨匠ジェームズ・キャメロンが、こう発言した直後にさっそくマーベル映画を再び口撃してしまうという珍事件がにわかに話題を呼んでいる。
最新作『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の公開を控え、米Comicbook.comのインタビューを受けたキャメロンは、コミック映画のVFXや、その絶え間ない発展が自らのモチベーションとなった面があるかどうかを尋ねられている。キャメロンは「大作スーパーヒーロー映画は業界の大きな部分を占めているし、技術の向上は人を高めてくれるもの」と答え、その側面があることを否定しなかった。
「(テクノロジーの向上が)優れたアーティストをもたらしてくれます。ツールやプラグイン、コードが生まれると、さらに優秀な人たちがコードを書き、シミュレーションをする、そういうことがあちこちで起きている。私たちがチームを作る中で、WETA(VFX制作会社)も常に新人を雇っていて、そういうところから(向上が)生まれるのです。すべてが一緒によりよくなっています。」
ここまでは言葉選びも穏やかなキャメロンだが、それでも『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の映像面には大きな自信があり、VFXチームにも絶大なる信用がある模様。『アバター』での取り組みに言及するや、ついつい毒が出てしまうキャメロンなのだった。
「WETAは最高ですよ。ILMも素晴らしいけれど、私たちがやるような顔の感情表現で言えば……“サノス? 待って、勘弁してよ”と。まるで及んでいませんよ。それがWETAの仕事です。」
いまや説明不要ながら、サノスとは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』(2018)『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019)などでジョシュ・ブローリンが演じたキャラクターのこと。ジョシュの演技をモーションキャプチャーによってCG化していたが、キャメロンにとっては『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』に及ぶものではないという。
ただし、思わず苦笑いを浮かべるインタビュアーを前に、キャメロンは「何が言いたいかというとね」と言葉を継いでいる。「(本編の)映像を確認していて、本当に感動してしまうことがありました。登場人物の内なる声が理解できる。彼らが言葉を発する前に、その思いがわかる」。すなわち、役柄の内面を演技によって伝える俳優の仕事を、そのままCGでも再現できる映像技術に注目してほしいということなのだ。その意味で、キャメロンは本作が『アベンジャーズ』に劣っているとはまったく思っていないのである。
ところで余談ながら、このインタビューの中で、キャメロンは「コミック映画を撮りたいとは思わないね。スパイダーマンは個人的に大好きだけど、ほかの人たちがうまくやっているし」とも言っている。
映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は2022年12月16日(金)公開。
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Source: Comicbook.com