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『ザ・バットマン』主演ロバート・パティンソン単独インタビュー ─ トム・ホランドと食事に行って「バットマンとスパイダーマンだね」と盛り上がる

THE BATMAN-ザ・バットマン-
© 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

全く新しいバットマンが始動する。『ダークナイト』トリロジー以来となるバットマン単独映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』が、2022年3月11日(金)に公開される。

新バットマンを演じるのは、『ハリー・ポッター』『トワイライト』シリーズでブレイクし、『TENET テネット』(2020)でも世界の話題をさらったロバート・パティンソン。物語は、主人公ブルース・ウェインがバットマンとしての活動を始めた2年目の、若く未熟な日々。善と悪の間で揺らぐ、人間味あふれる新たなるバットマン像が登場する。

THE RIVERでは、本作の貴重な取材の機会に参加し、キャストや製作陣を含む全10名へのインタビューに一挙成功。本記事ではその第1弾として、バットマン/ブルース・ウェイン役の主演、ロバート・パティンソンとの一対一のインタビューの様子をお届けする。キャラクターの内面に迫るトークから、あの大人気俳優との意外すぎるマル秘エピソードまで、ファン必見の内容だ。

『THE BATMAN-ザ・バットマンー』
© 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

『THE BATMAN-ザ・バットマン-』バットマン/ブルース・ウェイン役ロバート・パティンソン 単独インタビュー

── バットマン/ブルース・ウェイン役は、映画史、コミック史、そしてポップカルチャー史においても最も偉大な役です。このオファーが来た時、承諾するまでにどれくらい時間がかかりましたか?

即決でした(笑)。脚本を読む前でしたが、マット(・リーヴス監督)にお会いして、キャラクターをどう描くつもりか、ゴッサムをどう描き直すかについてじっくりお話ししたんです。そのアイデアが気に入ったので、脚本を読むよりもずっと前に快諾したんです。

それから脚本を読んだら、「他の映画とは全く別物だ」という感じで。本当に純粋なノワール、探偵物語で、グラフィック・ノベルの感覚そのままでした。同時に、派手なアクション映画でもあるわけなのですが、とにかくミステリー/スリラーの要素が強い。まるでシリアル・キラー映画でしたから、これまでのバットマン映画とは全然違うぞと(笑)。

──新しいバットスーツのデザイン、カッコいいですね。今回のスーツデザインはとても機能的なように見えます。あなた自身もスーツデザインに携わったそうですね。

僕が参加した時点で、既に素晴らしいコンセプトアートがありました。バットマンは毎晩外に出て、一晩中戦っているわけですから、もはや兵士なんです。僕が最初にスーツのデザインを見せてもらった時、カウル(マスク部分)にも銃創があったり、血が付いていたりして、最高でした。全体的にヨゴレていて、ボロボロになっていて、彼は本当に戦っているんだという感じがすごく出ていて。

この映画が他と違うのは、長回しの会話シーンが多いということ。そこではスーツも着ているし、カウルのまま感情表現をしなければならない。なので、かなり微妙なボディランゲージで様々な表現をする必要があるんです。コスチュームデザイナーのジャクリーヌ(・デュラン)とは、ヘビのような動きができないかと探りました。僕の中では、映画『エイリアン』に出てくるエイリアンみたいな動きをしたかったんですけど(笑)、スーツから首を伸ばせるような動きを取り入れたかったんです。

THE BATMAN-ザ・バットマン-
© 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

スーツはかなり動きやすい作りになっていると思います。優雅に動くこともできますし、ちょっと亡霊っぽいような、フワっとした動きもできます。

──スーツのデザインについては、『ダークナイト』のクリスチャン・ベールが「自分でトイレに行けるようにしたほうがいい」って言ってましたけど(笑)。

それ!まさにクリスチャン・ベールご本人とも話したんですよ(笑)。しかも皮肉なことに、たまたまトイレで彼にバッタリお会いして、そこで彼に言われたんです。それで、2人で隣りあってオシッコする展開になった(笑)。

──えーっ、本当ですか!(笑)それ、いつの話ですか?

オファーを受けたすぐ後のことです(笑)。その時に教えてもらって。で、彼の言う通りでしたよ。幸いなことに僕のスーツは可能だったんですけど、彼のスーツは無理だったみたいで(笑)。

──あなたの『悪魔はいつもそこに』(2020)での演技は最高に素晴らしかったです。この作品では、スパイダーマン役のトム・ホランドと共演されましたよね。彼とスーパーヒーロー役についての話はしましたか?

しました!実は僕たち、ロンドンで地元が結構近いんですよ。ある日一緒に夜ご飯食べに行ったことがあって、彼とはそこで初めて(役について)ちゃんとお話ししたんですけど。2人で「バットマンとスパイダーマンが一緒にいるなんて凄いよねー」って話で盛り上がった(笑)。地元が近い同士、まさかこんなことが現実になるなんて信じられないよねって。めちゃくちゃ不思議な状況でしたが、すごく満たされましたね。

──最高ですね……!バットマン役は今後も演じ続けたいですか?

(軽やかに)はい、是非とも。マットが描くストーリーも大好きです。映画の中で、キャラクターたちが行き着くところも好きですね。いかようにも展開していけると思います。まさにキャラクターの再発明という感じで、本当に今までとは全く違う世界観が描かれます。2作目で彼が何をするのか、すごく興味がありますね。

──本作でのバットマンは、怒りのために戦っているように見えます。でも、怒りを原動力に戦い続けるのは、莫大なエネルギーが必要になってくるように思います。

その通りですね。何か敵となる存在がいると、そこからエネルギーが得られる。すっごく不健全ですけどね(笑)。結局そういうエネルギーは、闇のエネルギーに変わってしまって、やがて自分をも傷つけることになってしまう。でも、ブルースはこれまで20年もの痛みを蓄積していて、それが今度は周りに放たれることになるんでしょう。

ブルースにとって、バットマンになるということは、いろいろな意味で奇妙なセラピーのようなもの。そして、それに依存してしまっているんです。おそらく彼にとっての最大の恐怖は、マスクを剥がされ、バットマンはブルース・ウェインであるという事実が知られてしまうことでしょう。それは彼にとって死同然です。彼はバットマンとして、そうして戦ってきたんです。

それで、莫大なエネルギーが必要というのは、その通りです。でも、彼も(敵の存在から)莫大なエネルギーを受けてもいるわけですね。

『THE BATMAN-ザ・バットマンー』
© 2020 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved.

──予告編で、ギャングみたいな集団に「何様のつもりだ」と言われて、バットマンが「復讐だ」と言いますよね。「正義だ」とは言わなかった。

あの当時の彼は、自分のことを「正義」だとは考えていなかったからです。本編で、この時点でのバットマンは、「この街は変われる」とすら考えていなかったと思う。街は絶え間ない腐敗の最中にあると思っていたんです。だから、彼のやっていることは「目には目を」の制裁でしかなくて。誰かが悪をなせば、自分もその者に悪をなす、という。それが彼なりの正義だったわけですが、真の正義とは全く違いますよね。だから復讐なんです。そして復讐とは、得てして感情的なものに由来するわけですね。

──これまでのバットマン俳優は、バットマン姿の時は低い声で喋りますね。(クリスチャン・ベール版のモノマネをしながら)“I’m not wearing hockey pads”って(笑)。あなたのバットマンも、声を変えていますか?

あのスーツを着ると、どうしても低い声で喋りたくなっちゃうんですよ!(笑)ただ、先に演じられた他の俳優さんたちと同じような声色にはしたくなくて。他の役者さんたちのものほど大袈裟ではないですが、間違いなく声は変えました。それは……(モノマネにつられたように一瞬低い声で喋りかけて、すぐに笑ってごまかす)。あぁ、練習しないと。今はできないです(笑)。

THE BATMAN-ザ・バットマン-
© 2021 Warner Bros. Ent. All Rights Reserved TM & © DC

DC映画『THE BATMAN-ザ・バットマン-』は2022年3月11日(金)に全国公開。

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中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER創設者。代表。運営から記事執筆・取材まで。数多くのハリウッドスターにインタビューを行なっています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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