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『ザ・バットマン』マット・リーヴス&大友啓史の対談が実現、『るろうに剣心』監督が「共感」した点とは? ─ スペシャルムービー公開

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2022年3月11日より公開中の『THE BATMAN -ザ・バットマン-』では、ブルース・ウェインがバットマンとして活動を始めて2年、まだ未熟であり完璧とはほど遠い怒りと復讐心を燃えたぎらせる姿が描かれる。そんなヒューマンドラマを軸に心震える作品を世に送り出してきた映画監督同士の対談が実現した。

この度、本作で監督を務めたマット・リーヴスと、『るろうに剣心』シリーズの大友啓史監督のスペシャルムービーが公開されている。同じ作り手として、共に人気コミック作品を原作に持つ作品を手がけたクリエイターとして、共鳴し合い、語り出したら止まらない映画談義の一部に注目だ。

大友:「『THE BATMAN-ザ・バットマン-』を拝見して、『2年目』という設定が非常に効いていると感じました。今回のバットマンは、まだ精神的に余裕がなく未成熟ですよね。それが新鮮であり、面白い。この設定はどうやって生まれたのでしょう?」

リーヴス:「今回、バットマンの最初の数年に焦点を当てたのは、キャリアの初期に話を設定することで、彼の覚醒や変化を描けると考えたからです。本作の時点ではブルースを突き動かしているのは自分の中の復讐心であり、彼は自らが個人的な感情に支配されていることをまだ理解していない。そのぶん、リドラーとの戦いの中で己を知り、成長していく道のりをエモーショナルに描けるのです。バットマンはバットマンでも、人間的な短所もあるキャラクターとして描きたいと思いました。そういったアイデアを、アクションにも反映させましたね。」

大友:「おっしゃる通り、バットマンが自分より格下の敵の攻撃を食らってしまうシーンや、洗練されていない粗暴な戦闘スタイルなど、アクションの一つひとつがキャラクターの掘り下げに繋がっている。マット監督は、映画におけるアクションの役割を非常に大切にしていていると感じました。僕も『るろうに剣心』という映画で、キャラクターの心情とアクションを連結させようとこだわったので、とても共感しました。」

リーヴス:「ありがとうございます。おっしゃる通り、映画におけるアクションのカギは、キャラクターの感情と結びついているかどうかだと思います。今回でいえば、全てのアクションはブルース/バットマンの個人的な感情──復讐心に起因していなければならないと考えました。

ブルースは『自分は物事を正そうとしている』と思っていますが、その一方で父母が殺された復讐心に取りつかれている。闇の中から現れてごろつきと戦うシーンも、バットモービルのカー・チェイスも、彼の執念や怒りの延長線上にあるものでなければならなかったのです。そしてどの戦いでも、ブルースは自分の憤怒をぶつけるだけではなく、たくさんの暴力も受けているし、時には怪我もする。彼は常に必死で、ギリギリのところで何とかやっている状態です。

象徴的なのは、ウィング・スーツで飛ぶシーンです。ブルースはうまく着地できず、地面に叩きつけられて苦しみますよね。まだ慣れていないから、成功できない。ただ、彼はあの痛みを耐え抜く。それこそがブルースのただひとつのスーパー・パワーです。この使命のためには何だって耐えてやるという、彼の強い意志ですね。ブルースが自殺行為に近いバットマンの活動に身を投じるのは、それだけ自分の人生に意味を見出したいと思っているから。だからこそ、この映画では彼がどれだけ戦えるのかを見せるだけではなく、どこまでダメージを受けられるのか、というのも見せたかったんです。」

大友:「なるほど。それで思い出したのは、バットマンの衣装です。いくつも傷がついていたり改良を加えた跡があるなど、細部までこだわっていて感動しました。」

リーヴス:「衣装もブルースと同じく『完璧ではない』をコンセプトに作り上げました。2年間、ブルースは自作のスーツを着て夜な夜な街に繰り出し、戦いに明け暮れている。その中で彼自身が受けたダメージの蓄積を目に見える形で表現したく、スーツに傷や縫い目を施しました。バットマンが誰の助けも得られない一匹狼である、と観客が理解できるようにする狙いもありました。」

大友:「復讐心のお話がありましたが、バットマン自身がヴィランであってもおかしくないんですよね。バットマンと敵対するリドラーには相似性があって、どちらも社会を憎んでいる。その構造が実に現代的で、面白かったです。」

リーヴス:「リドラーは連続殺人犯でありながら、ゴッサムの不正を暴こうとする政治的扇動者でもある。一方バットマンは、自分には越えない一線があると思いたがっていますが、法を自らの手に委ねて他者を裁いている。自分が一線をいつ越えてもおかしくない危うさに気づいていないバットマンと、気づいたうえで躊躇なく踏み越えるリドラー。そんな2人を合わせ鏡のように描いたら面白いと考えました。」

対談を終えて、大友監督は以下のように本作をあらためて絶賛している。

「同世代でもあるマット監督は、作り手としてこだわる部分が、自分とすごく近いように思いました。僕も彼も『タクシー・ドライバー』や『ゴッドファーザー』など70年代の映画を観て育った世代ですから、やりたいことがよくわかる。街の描き方や光と影で人物を表現する手法、社会の暗部に目を向け、人生の敗者に肩入れする物語……。そういったものが丸々投影された作品が今回の『THE BATMAN -ザ・バットマン-』だと思います。これだけのビッグバジェット作品ですから、振り切るのはかなり勇気が必要だったと思いますが、よくぞやり切ったと驚きました。」

映画『THE BATMAN -ザ・バットマン-』は公開中。

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THE RIVER編集部THE RIVER

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