経済用語に疎くてもしっかり楽しめる!アカデミー脚色賞『マネー・ショート 華麗なる大逆転』レビュー

『マネー・ショート 華麗なる大逆転』感想レビュー

冒頭で提示される「何も知らないことが問題なのではない。知らないことを知っていると思い込むことが問題なのだ。」というマーク・トウェインの言葉。

この言葉に尽きる作品だった。

主役級キャスト4人による超弩級の絡みを。
チープな邦題から連想してしまう大逆転劇を。
これらを求めている人にとっては 物足りないモノに感じてしまうかもしれない。

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事前に言っておこう。
メインの4人は交わらない。
スティーブ・カレルとライアン・ゴズリングの絡みはあるが、彼らが向き合い葛藤することになるのは経済だ 金だ その先にあるものだ。

そして、決して華麗な出来事なんか描いちゃいない。
大逆転というワードも意味合いが少し違う。
予告や宣伝で「アウトロー」という言葉を使っているが、それもまた違う方向へ観客を導いてしまっていると思う。

描かれているのは 実話を元にした経済破綻の話だ。

決してスター俳優4人による爽快逆転ストーリーではない。

正直に書こう。
お恥ずかしい話ですが、ぼくは政治にも経済にも疎い。
しかし、経済用語が飛び交うストーリーでありながら 全くもって無知なぼくでも十分に楽しめた。

それはアカデミー脚色賞を受賞するだけに値する作品の観せ方によるものだろう。

冒頭から怒涛のようにチンプンカンプンなワードが飛び交うのだが、先に述べたマーク・トウェインの言葉の恩恵か 知らないことは知らないことと焦ることなく真摯に受け止められた。
そうなることを読んでか、無知な観客にも分かるよう ユーモアたっぷりに説明をしてくれる。

そういった導線であるため、登場人物が観客に話しかけてくるという描き方にも違和感一切ナシ。

時折織り交ぜられている世間のニュースや映像のカット。
むしろぼくはこちらの映像の方が知っているモノばかりで親しみを持てた。

その映像と並行して動いている登場人物達。
ぼくが知り得る世界の裏側で、彼らのような人物達が動いていたんだなと。
ぼくが知らなかっただけなんだなと。

もしかしたら、無知な自分とは生きる世界の違う 別物の人間達のエピソードだと捉えていたかもしれない。

しかし、彼らにはそれぞれバックボーンや抱えている心の問題もあるし メタリカも聴くし マスクもするし ジムで身体も鍛えるし 理不尽なことには怒り出す。

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同じ人間なんだ。

ぼくが無知なだけであって 同じ人間なんだ。

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何度も書くが、冒頭のマーク・トウェインの言葉がここでもしっかり響いていた。
あれがなければ、なんとなく分かったつもりで映画を観終え、なんとなく分かってますよ風なレビューを書いていたと思う。

マーク・トウェインの言葉がストーリーを追っていく上での指針になっていたのだ。

ぼくのような無知な人でも楽しめ、経済に精通している人ならば 尚の事楽しめるのは間違いない。

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評価をCとしていますが、大好きな俳優4人の深い絡みを求めていた希望が叶わなかったのと ぼくが無知だったからです。

誤った予備知識を排除し、経済についても把握できている人にとっては 何倍にも評価が膨れ上がる作品になると思います。

そして、(ぼくのような人間にとっては)無知であることに警鐘を鳴らしてくれる作品だ。
大好きな映画という媒体であり 大好きな俳優陣を通して感じられたリアルだったからこそ、ようやく無知を脱しなくてはいけないなと心から思えました。

 

4
総合評価:C

マネー・ショート 華麗なる大逆転

原題  THE BIG SHORT
製作年 2015年
製作国 アメリカ
配給 東和ピクチャーズ
上映時間 130分

青春
6
2
エロ
2
サスペンス
6
ファンタジー
4

About the author

映画アドバイザー 元俳優 ライター 映画イベントMC。Instagramを中心に最新映画から懐かしの映画まで幅広く紹介。「ファイトクラブ」 「GO」「男はつらいよ」がバイブル。好きな監督はウディ・アレン。お仕事のご依頼はa.safety.pin.storm@gmail.comまでお願い致します。

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Comments

  • @takeru0720 2016年3月5日 at 11:15 AM

    経済用語に疎くてもしっかり楽しめる!アカデミー脚色賞『マネー・ショート 華麗なる大逆転』レビュー https://t.co/nrTMfOd5uB

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