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陰鬱な闇の中で育まれた、不気味に切ない愛と友情の物語『The Eyes of My Mother 』(アイズ・オブ・マイ・マザー)

先日、米国で行われたファンタスティック映画祭、その上映作品の中から実に個人的な趣味により気にかかった映画を、今回から一作品ずつピックアップして、ご紹介してみようと思う。ちなみに、もしかしたらこの一回で終わるかもしれないし、延々と続くかもしれないが、それは神のみぞ知る。

先に述べておくが、ぼく自身がこの映画祭に赴いて、その上映作品のほぼすべてを余すところなく鑑賞したわけではないので、あくまで予告編を観ての、気になっちゃった映画ということなので、あしからず。

さて、ちなみにこのファンタスティック映画祭について概要を少しだけ。

ファンタスティック映画祭とは、2005年に設立されて以来、2016年の今回で12回目を迎える、米国最大のジャンル映画祭である。世界中の様々なホラー、ファンタジー、SF、アクションなどを寄せ集めて、8日間にわたって上映しちゃうぜ!というものである。つまり簡潔に言うと、ファンタスティックな映画製作と普及を推進する、映画祭なのである。大きな映画祭はたいていの場合、その開催地の地名を冠することが多いのだが、このファンタスティック映画祭の毎年恒例の開催場所は、テキサス州オースティンにある「Alamo Drafthouse Cinema」(アラモ・ドラフトハウス・シネマ)となっている。

“The most important film festival in North America” – Texas Monthly

「北米で最も重要な映画祭!」- テキサス月刊  

今回ご紹介するのは、9月24土曜日と9月29日の映画祭最終日(木曜日)に上映された、『The Eyes of My Mother』(アイズ・オブ・マイ・マザー)である。

The Eyes Of My Mother
https://www.youtube.com/watch?v=Gp2adx_ScA8

簡単なあらすじはと言えば、この物語の主人公は、小さな農場で母親と父親と静かな生活を送るフランシスカという若い女の子である。しかし、彼らの平和な生活は突然、とある連続殺人犯によって無残にも破壊されてしまう。そして母親を失った彼女は・・・、というお話である。ちなみにこの作品は全編白黒で構成されており、そのコントラスの美しさと、物語の光と影が入り交じった部分も、おそらくは見どころのひとつだと感じる。

The Eyes Of My Mother
https://www.youtube.com/watch?v=Gp2adx_ScA8

監督と脚本を務めるのは、この映画が初監督作品となるニコラス・ペッシェ、ニコラス・ペッシェ(Nicolas Pesce)。主人公フランシスカ役を演じるのは『Velkam khom』のキカ・マガリャエス(Kika Magalhaes)、

Kika Magalhaes
http://www.imdb.com/name/nm5490961/

そしてフランシスカの母親を演じるのは、フランシス・フォード・コッポラの『ゴッドファーザー PART III』(The Godfather Part III)で道端の名も無き女性を演じていたダイアナ・アゴスティーニ(Diana Agostini)である。

Diana Agostini
http://www.imdb.com/name/nm0013207/

 

その他にも連続殺人犯チャーリー役で、TVドラマシリーズ『GOTHAM/ゴッサム』(Gotham)のアーノルド・ドブキンス(Arnold Dobkins)を演じていたウィル・ブリル(Will Brill)や、ギレルモ・デル・トロの『パシフィック・リム』(Pacific Rim)にノンクレジットで出演していたクララ・ウォン(Clara Wong)がキミコという何やら日本人らしき役で出演している。

それでは、心の準備がよろしければ、予告編をご覧いただこう。

いかがであろうか、白と黒に沈み込む、フランシスカの小さな世界の光と闇、中盤から流れる音楽に怪しげな切なさを感じつつも、それとは裏腹に増長してゆく不気味で恐ろしいヴィジョン、気になるでしょ、この映画。

というわけで、予告編にもあったように、米国では2016年12月2日より、劇場、オン・デマンド、iTunes、そしてAmazonビデオで公開予定だということである。

肉切り包丁の先端で、何かの肉切ってるシーン・・・、あれ怖いなあ・・・。

Writer

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MujinaMujina Tsukishiro

普段はあまり摂取しないコーヒーとドーナツを、無駄に欲してしまう今日この頃。You know, this is - excuse me - a damn fine cup of coffee.