ハエ男の恐怖、再び!『ザ・フライ』リメイク版の監督に新鋭J・D・ディラード監督が就任か
あの恐怖の蝿男映画、『ザ・フライ』のリメイク版が製作に向けて動き出している。監督として交渉が進められているのは、2016年度のサンダンス映画祭で注目を集めた『スライト(原題:Sleight)』を手がけた新鋭J・D・ディラード監督だ。
『ザ・フライ』は1986年に公開(日本では1987年)された、デヴィッド・クローネンバーグ監督作品だが、実はこの作品自体がすでにリメイクである。その元祖となった作品は、1958年に公開されたカート・ニューマン監督による映画『ハエ男の恐怖(原題:The Fly)』だ。どちらの作品も、イギリス国籍のフランス語作家ジョルジュ・ランジュランの代表作『蝿』が原作となったSFホラー映画なので、今回も厳密には、その原作の再映画化が動き出している、というのが正しいのかもしれない……。

物語のあらすじを簡潔に説明すると、「諸事情あって蝿になってしまった男の悲劇」である。
過去の作品では、蝿になってしまう主人公を、1958年版ではデヴィッド・ヘディソン、1986年版ではジェフ・ゴールドブラムが演じている。両作品とも見応えのある作品であり、個人的に1958年版のラストには、いろいろな意味で衝撃を受けた。ちなみに大筋のストーリーは、どちらもほとんど同じである。ただし年代的な背景や表現の問題があるほか、クローネンバーグによる1986年版は、彼の映像表現に特化するためだと思われるが、物語はオリジナルとは異なる時間軸で進んでゆく。

ちなみに両作品とも続編が製作されており、1958年版にはエドワード・バーンズ監督による『蠅男の逆襲』(1959年)、そして1986年版にはクリス・ウェイラス監督による『ザ・フライ2 二世誕生』(1989年)という作品が存在する。筆者は『ザ・フライ2 二世誕生』は観たことがあるが、『蠅男の逆襲』はちょっと“キケン”な予感がしたのでまだ未鑑賞である。しかし、ずいぶん前にうっかりDVDを買ってしまったので……いずれ立ち向かわなければならないだろう。
ところで『ザ・フライ』のリメイク版は、現在J・D・ディラードが監督と脚本を務める方向で20世紀フォックス社との交渉が進められている。なおディラードの執筆パートナーであるアレックス・テウラーが、脚本を共同で執筆するようだ。
ディラード監督の『スライト』は、いよいよ米国での公開が2017年4月28日に迫っている。若きストリート・マジシャンが、誘拐された妹を助けるため、秘められた能力を解放するという異色の「ヒーロー映画」だとか。筆者も彼の作品を鑑賞したことがないので、『ザ・フライ』のリメイク版にも期待度は未知数だが、ともかくあの“蝿男”フランチャイズがここにきて新たに始動することには大きな期待を寄せている。今後の展開を見守りたいと思う。
では最後に、J・D・ディラード監督作品『スライト』の予告編をどうぞ。
Source: http://deadline.com/2017/03/jd-dillard-negotiations-direct-co-write-the-fly-remake-fox-sleight-alex-theurer-1202043309/
Eyecatch Image: http://collider.com/the-fly-review-david-cronenberg/
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