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『ザ・メニュー』落ちぶれた映画スター、モデルはスティーブン・セガールだった

ジョン・レグイザモ
Photo by Gage Skidmore https://www.flickr.com/photos/gageskidmore/9349687358/ Remixed by THE RIVER

アニャ・テイラー=ジョイ、レイフ・ファインズ主演『ザ・メニュー』には、個性たっぷりのキャラクターが大勢登場する。そのうちのひとりが、『ジョン・ウィック』シリーズや『ムーラン・ルージュ』(2001)など長年のキャリアを誇るジョン・レグイザモが演じる落ちぶれた映画スター。かつては人気を誇ったが、今ではキャリア存続のためグルメ番組への進出を目論んでいる男だ。

米Entertainment Weeklyにて、ジョンはこの役柄のモデルがスティーブン・セガールだったことを明かしている。セガールといえば、1990年代から『沈黙』シリーズ(実際にはシリーズ作品ではない)や『暴走特急』(1995)などに出演したアクションスター。ジョンはセガールとの共演歴があるものの、そのコメントはいささか辛辣だ。

僕は(自分が演じたような)スターたちにたくさん会ってきましたよ。彼らが消えてしまう前にね。つまり、彼らはもういないということだけど。僕はスティーブン・セガールを基に、この役柄を演じたんです。彼とはひどい喧嘩をしましたよ。『エクゼクティブ・デシジョン』(1996)という映画で共演しましたが、彼はひどい人間でしたね。」

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ふたりが共演した『エグゼクティブ・デシジョン』は、テロリストにハイジャックされた飛行機を救うべく、米軍特殊部隊のチームが空中から任務に挑む物語。セガールは特殊部隊のリーダーを、ジョンはその部下を演じた。もっとも本作はかなりの異色作で、セガール演じるリーダーは映画の序盤で退場。共演期間は短かったと思われるが、それでも腹に据えかねる出来事があったのだろう。もっとも、ジョンは当時のトラブルに詳しく言及してはいないのだが……。

ちなみにジョンは、『ザ・メニュー』の脚本を気に入って出演を決めたことを明かしてもいる。「一見するとフード映画だけれど、アメリカの特権や上流階級を風刺する映画。[中略]料理の描写があり、見事な台詞があり、恐ろしいことが起きる。これこそ、僕がこの業界に惹かれるきっかけになったアートシアター映画です。限界を超え、現状を打破する作品ですよ」。

ジョンが演じる映画スターは、コミカルな演技もあいまって、どこか憎めない、しかし嫌な側面を確かに滲ませる存在感を残した。アンサンブルの一員として振る舞うジョンの巧みなバランス感覚にも注目だ。もっともジョン自身は、監督のマーク・マイロッドが「演技を微調整するための完璧な指示をくれた」のだと絶賛。「素晴らしい経験でした」と撮影を振り返っている。

映画『ザ・メニュー』は2022年11月18日(金)より全国公開中

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Source: Entertainment Weekly

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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