【レビュー】映画『ダーティーコップ』チープな邦題は忘れて、原題『The Trust』として観て欲しい

映画『ダーティー・コップ』評価・感想

ラスベガス
汚職にまみれ腐敗した警察組織に生きるストーン(ニコラス・ケイジ)とウォーターズ(イライジャ・ウッド)は、うだつが上がらない日々を送っていた。
その現状を打破する機会を常に探して求めているストーン
SEXやマリファナなどでその現状に折り合いをつけているウォーターズ
そんな2人の前に、人生を変え得る千載一遇のチャンスが訪れる。
堕落した繰り返しの日々から抜け出そうともがく男達の物語だ。

この作品、宣伝の仕方を大幅に間違えている。
チープな邦題 誤った宣伝が、作品の中にある大切なモノを歪めている。

原題に込められた想いは、今を生きるあなたやぼくにも通ずるモノ
それを汲み忘れて観たが最後、チープな邦題「ダーティー・コップ」の引力に引っ張られ 物足りない作品に終わるだろう。

描いていたのは原題「The Trust」が示す通りの「信頼」であった。

邦題やあらすじからは、ギラギラしてエゲツなくて危ういストーリー展開を 2人の心理描写を期待できる。

だが、蓋を開けてみればぼくらと何ら変わらない人間の姿。

繰り返しの日常にはウンザリ
そんな状況を一変させる機会を 出来事をいつだって待ち望んでいる
ステキなことが 楽しいことが ハイになれちゃうようなことが起きたらいいなと思っている
でも、そんなことは頻繁に起きたりなんてしない。

決して劇的に進むことのないストーリー展開は、ぼくらが送る日常と変わらない日々を過ごしている人間なんだということを納得させてくれる。

それと同時に、ぼくらと変わることのない人間が徐々に徐々に引き返せなくなる狂気の領域へと足を踏み入れていく様を強く感じさせてくれる。

退屈で代わり映えのない毎日じゃ満足できない
刺激を 変化を 別の世界を追い求める

その感覚をとてもリアルに描いていた。

同じ繰り返しの毎日
クソみたいな現実
生きてんのがやんなっちゃうことだってたまにはある。

だけど、そんな世界だからこそ輝きを感じられる。

映画を観ることだってその一つかもしれない
そして、「信頼」もまたその一つなのだとぼくは思う。

それは相手に対しての信頼もそう
己に対しての信頼もそう

何をするにあたっても、重要なモノだ

彼らにはあっただろうか
その行動に信念は伴っていただろうか

彼らのとった行動がどのような末路になったとしても、きっと何も変わらなかったと思う。

肝心要の大事なモノが欠けていたのなら、きっとまた同じになる。

ぼくらは繰り返しの日常からは一生抜け出せない

抜け出せたとしても、それは一時のこと

その新たな場が、再び繰り返しの日常へと変化するだけ。

手に入れられないからこそ追い求める。
僅かな時間であったとしても、そこに達したい。
そこに至るための大事なモノ

そういったモノを感じさせてくれる作品でした。

原題を心に刻んだ上で観ていなかったら、邦題が示す表面上の部分しか感じ取れなかったかもしれない。
彼らの心に寄り添うことなどできなかったかもしれない。

どうか陳腐な邦題に囚われないで欲しい
原題「The Trust」としてご覧ください。

ダーティーコップ

About the author

映画アドバイザー 元俳優 ライター 映画イベントMC。Instagramを中心に最新映画から懐かしの映画まで幅広く紹介。「ファイトクラブ」 「GO」「男はつらいよ」がバイブル。好きな監督はウディ・アレン。お仕事のご依頼はa.safety.pin.storm@gmail.comまでお願い致します。

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