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人気海外ドラマが日本でのロケ撮影を土壇場で断念 ─ ロケハンも大好評だったが、約6億円優遇のタイに奪われる

ホワイト・ロータス / 諸事情だらけのリゾートホテル
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エミー賞受賞のHBOドラマ「ホワイト・ロータス / 諸事情だらけのリゾートホテル」(2020-)が、日本での撮影を断念していたことがわかった。シーズン3製作に向けて日本でロケハンも行っていたが、最終的に多額の撮影インセンティブが得られるタイにロケ地を変更されていたようだ。

この情報は、日本在住のプロデューサー、ジョージナ・ポープが東京映画祭にて明かしたもの。ポープは日本での撮影に関心を持つ「著名なショーランナー」とロケハンを行ったと述べ、こう振り返った。「素晴らしい偵察でした。本州中の素晴らしいロケ地を見ることができました。ショーランナーは何もかも気に入り、我々はすべてを手に入れたと自信に満ちていました」。なお“ショーランナー”の名前は伏せられていたが、のちに米Deadline「ホワイト・ロータス/ 諸事情だらけのリゾートホテル」のマイク・ホワイトであることを確認している。

日本は長年、撮影許可システムの煩雑さによって「ハリウッド映画のロケ撮影ができない」と指摘されていた。現在では進展が見られ、日本で撮影・制作する海外の映像作品の制作費一部を支援する補助金制度が成立している。

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しかし「ホワイト・ロータス」の舞台に検討されていた当時は、日本で制度改正が進む前。その結果、強力な撮影優遇制度のあるタイに軍配が上がったようだ。

「タイ政府は、撮影優遇制度の更新と改善を発表したばかりでした。30%のリベートです。彼らのプロジェクトにとって、それは440万ドル(約6億6,000万円)相当になります。誰もが同情的な目で私を見ていましたよ。当時、日本には優遇制度が一切ありませんでした。私は具体的な答えを返すことができず、3500万ドルのプロジェクトが消えてなくなる音が聞こえるだけでした。」

HBOシリーズ「ホワイト・ロータス」は、世界のリゾート地を舞台にした社会風刺コメディドラマ。シーズン1ではハワイ・マウイ島、シーズン2ではイタリア・シチリア島を舞台に、殺人をめぐるミステリーや複雑な人間模様が興味深く展開された。シーズン2の終了後にホワイトは、シーズン3の舞台が「アジア」で、テーマが「死と東洋の宗教とスピリチュアル」になることを予告。これを受けて、次は日本ではないか?と予想するファンが多く、特に神社や芸者文化があり、日本の歴史的な街並みを味わえる京都は、本作にぴったりだと考えられていた。

Source:Deadline

Writer

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KyokoKyoko Okajima

アメリカ留学、大手動画配信サービスの社員を経て、ライターに転身。海外ドラマが大好きで、永遠のNo.1は『ブレイキング・バッド』と『ベター・コール・ソウル』。

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