『マイティ・ソー』ロキの初期デザイン案、狂気にあふれすぎていた ― 最終案までの変化をデザイナーが解説

映画『マイティ・ソー』『アベンジャーズ』シリーズに登場する雷神ソーの弟ロキは、初登場以来、多くのファンに愛されてきた。これまでトム・ヒドルストンによる演技を支えてきたのが、特徴的なキャラクターのデザインだ。

『マイティ・ソー』(2011)のデザインに携わったマーベル・スタジオの元デザイナーであるチャーリー・ウェン氏が、このたびInstagramにてロキのデザイン案の変遷を伝えてくれている。しかしそれにしても、その初期案は狂気にあふれすぎ……?

トム・ヒドルストン ©THE RIVER

『マイティ・ソー』ロキ、衝撃の初期デザイン


まずはチャーリー氏が「いろんな選択肢があったけど、これが一番イカれてる」と紹介するデザインから見ていこう。このコスチュームを着用するトム・ヒドルストン、それはそれで見てみたかった気もするが……。

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なんとも移動に困りそうな広がり方をしているコスチュームだが、このデザインについてチャーリー氏は「ロキの背景や、人を操る性質に注目したもの」と説明している。兄であるソーとの関係よりも、まずは“悪戯の神”であること、人を欺くという大きな特徴をデザインで示すことが目的とされたものだという。ちなみにチャーリー氏は、「人類の技術を超えた科学に基づくアスガルドの魔法、というアイデアで遊びたかった」とも記している。

つづいてチャーリー氏が紹介しているのは、『マイティ・ソー』の制作で次に取り組んだという、「ロキのアーマーを着用したトム・ヒドルストン」のデザインだ。この作業当時、すでにソーのデザインが完了していたため、それにあわせて各キャラクターのデザインを作り込んでいったという。

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チャーリー氏はキャラクターのデザインについて、「色や形、素材がストーリーに一致しているだけでなく、キャラクターの物語のある部分で、観客の感情を引き出すものでなければならない」と強調する。ロキのコスチュームにはソーと同じ、北欧神話のシンボルに由来するモチーフが織り込まれているということだ。その一方、ソーのように戦いへと注意を払うのではないロキの性質や才能を示すべく、ロキのアーマーは実戦向きではなく、むしろ儀礼的なデザインになっているという。

そして、こちらがチャーリー氏によるアーマー姿の最終案である。「シェイクスピア風とまでは言わなくとも演劇的なデザイン」だと説明するデザインは、上の案から多くが引き継がれている。

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またチャーリー氏は、「ロキの普段着」の最終デザイン案も紹介している。このデザインはアーマー姿とは異なり、ロキというキャラクターの性格に注目して制作されたそうだ。

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特筆すべきは、チャーリー氏が「カラー」の造花からインスパイアされて襟の形をデザインしたこと、それがロキの“内なる犠牲”を象徴していることを明かしていることだ。チャーリー氏は「ロキを典型的な悪役として捉えたことはありません。彼は放蕩息子の弟みたいなものなんです」と記している。

映画『マイティ・ソー』MovieNEXは現在発売中。

Sources: Charlie Wen(1, 2, 3, 4

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THE RIVER編集部。わかりやすいことはそのままに、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすくお伝えしたいと思っています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp へ。

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