『タイタニック』嫌がっていたディカプリオを口説くために、キャメロン監督はあえて「君には準備が出来ていないな」と放って挑戦心をくすぐっていた

ジェームズ・キャメロンの名作『タイタニック』(1997)といえば、レオナルド・ディカプリオが演じた主人公ジャック・ドーソンの美しき姿に今も憧れを抱くファンも多いだろう。この作品をもって日本でも「レオ様」との愛称で大ブレイクしたディカプリオだが、実は当初、ジャック役のオファーを拒み続けていたという。キャメロン監督はいかにして彼を口説いたのか、米Vanity Fairにて詳しく振り返っている。
ローズ役のケイト・ウィンスレットがうまく決定した一方、ジャック役のディカプリオ獲得には随分な苦労があった。「役者の方も役を求めてくれていたら素敵なのですが、レオナルドの場合は真逆でした。彼はあの役をやりたがらなかったのです」と、キャメロンは明かしている。「みんなが彼に、やるべきだ、キャリアのためになると言ったのですが、彼はやりたがらなかった」。
曰く、口説き落とすのには5週間を要したという。「週に一度は会って、何が嫌なのかを掘り下げていった」。一体、なぜディカプリオはこの一世一代の役の可能性を見過ごしていたのか。
「その答えはとてもシンプルでした。“あまりチャレンジングじゃない”と彼は考えていたのです。ただハンサムで若いレオ、という役はやりたくないと。」
当時、すでに『ギルバート・グレイプ』(1993)や『ロミオ+ジュリエット』(1996)で美少年俳優として注目を集めていたディカプリオ。また同じようなイメージの役が回ってきたことで、物足りなさを感じていたのだろう。
「いや、ハンサムで若いレオをやるわけじゃないんだ。まぁ、君はハンサムだし若いけど」とキャメロン。ここで彼は、本作は“見た目”が重要な役ではないのだと、次のように説いたという。
「これは、“センターを張る”ということだ。小道具がなくても、君が中心を支えられるかどうかだ。
本当に難しいのは、ジミー・スチュワート(※「アメリカの良心」と呼ばれた伝説的俳優)がやっていたことをやることだ。つまり、作品の真ん中にいるハンサムな男として、飾りを一切使わずに、ずっと観客の視線と関心を釘付けにし続けることなんだ。」
キャメロンによれば、次に続けたこの言葉が決定打になったという。それは、「君にはまだ準備ができていないだろうな」という、やや挑戦的な一言。これがディカプリオのチャレンジ精神に火をつけ、契約書にサインするに至ったのだ。
その後、ディカプリオが『タイタニック』でどのような成功を打ち立てたかはご存知の通り。今や名だたる名匠と数々の仕事をこなしているディカプリオだが、今度は彼の方から気になる監督らに「あなたの準備が良ければ、僕も準備ができています」とラブコールを送るようにしているという。キャメロンに発破をかけられた「君には準備ができていない」と対をなしているところが運命的ではないか。
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Source:Vanity Fair





















