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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ホルド提督シーン、撮影&編集秘話 ― 「シーンをまるごと現場で作り直した」

©THE RIVER

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』に登場する新キャラクターのうち、レジスタンスの重要人物として活躍するのがアミリン・ホルド提督だ。演じるのはデヴィッド・リンチ作品などに数々出演するローラ・ダーン。劇中ではレイア・オーガナとポー・ダメロンと主に関わりながら、レジスタンスを“ある方向”へと導いていく……。

ホルド提督の関わる会話シーン、そして映画のハイライトとなる一大シーンを、出演者やスタッフはいかにして構築していったのか? ライアン・ジョンソン監督をはじめとした製作スタッフが証言している。

注意

この記事には、映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の重大なネタバレが含まれています。

©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

キャリー・フィッシャー&ローラ・ダーンの創った「別れ」

アミリン・ホルド提督は、ファースト・オーダー軍の攻撃によって意識を失ってしまったレイア・オーガナに代わって、レジスタンスの撤退を指揮するため派遣されてくる。そこでポー・ダメロンとの衝突しながら作戦を決行しようとするが、ポーらの謀反によって事態は急変。最後にはレイアがポーを抑える事態になるのだが、ホルド提督には確かな目算があったのだ。

レジスタンス存続のためホルド提督が採った作戦とは、戦艦を棄てて、生き残った乗組員を小さな輸送船へ移して逃がすというもの。しかし情報が漏れたことによって、その作戦すらファースト・オーダー軍の知るところになってしまう。輸送船に乗らず、戦艦に残ったホルドは、作戦を完遂するため、自らを犠牲にしてファースト・オーダーへと一糸報いるのだった……。

Daily Beast誌に対して、ライアン監督はレイアとホルドの別れのシーンを撮影現場ですべて作り直したことを明らかにしている。
たとえば、レジスタンスの仲間を失うことを拒むレイアに対する、ホルドの「大丈夫ですよ。あなたに教えてもらいました(Sure you can. You taught me how.)」というセリフは、演じるローラが、自身やファンのキャリーへの思いを反映して作り出したものだというのだ。また、レイアとホルドが同時に「フォースとともに…(May the force…)」と言いかけてレイアが譲るというくだりは、キャリーのアイデアによって生まれたやり取りだったという。

「別れのシーンはキャリーとローラが完全に書き直してくれましたね。僕たち3人で一緒に作っていったんです。一番ぐっとくる場面はローラのアイデアでした。彼女は、“ホルドからレイアへのセリフだけど、私からキャリーに言っているようにも思うんです。彼女が私にしてくれたこと、私自身の感謝を伝えたい”と言ってましたね。」

監督はこのシーンについて、「すごくパワフルな場面になりました。すごく幸せですよ」と話している。

ホルド提督の突撃シーン、複雑すぎる編集秘話

ホルド提督にとって最大の見せ場となるのは、DJ(ベニチオ・デル・トロ)の裏切りによってレジスタンスの作戦がファースト・オーダーに漏れたのち、輸送船への攻撃を抑えるため、自らの戦艦をハイパー・スペース・ジャンプを利用して敵艦に衝突させる場面だ。

本作の編集を担当したボブ・ダクセイ氏は、レジスタンス本隊の撤退のみならず、複数の場面が同時進行する中で訪れるこのクライマックスについて「スゴいシーンになると思っていたが、編集はすごく複雑だった」と述べて、作業の困難さを米Colliderに明かしている。なにしろ彼は、カイロ・レンとレイ、フィンとローズ、ホルドやハックスなど、複数の要素をスピード感を失わないまま正確につなぎ合わせなければならなかったのだ。

「ストーリーボード(絵コンテ)を見た時、理解するのが本当に大変でした。それに、ILMから最初のデジタル・エフェクトをもらった時もうまくいかなくて。そこで、どうやって成功させるのか、どこで何が起こるのかを再検討したんです。そうしたら、どうしていいか全然わからなかったのが、いきなり“これはスゴい”に変わりましたね。」

このシーンの特徴は、ジョン・ウィリアムズによる劇伴音楽が鳴り響き、数多の効果音が次々に重ねられていく中、ホルドの突撃によって宇宙の静寂が突如訪れる点にもある。映像と音響の両面で残酷かつ美しいコントラストが示されるこの演出は、ボブ氏によれば「すべてライアン監督が考えていたこと」だったとか……。

複数のストーリーラインが同時進行し、互いに絡み合いながら緊張感を高めていく本作の中盤において、ホルド提督の突撃シーンはその要となる。その自己犠牲を観客に受け入れやすくするように、監督は本編の再撮影において、前半シーンのホルドの造形をやや調整していたようだ。

SlashFilmの独自取材によると、元々のホルドはポーに対して完成版以上に「上から目線」のキャラクターで、まるで子供相手に話すかのように彼を“ハニー(honey)”と呼んだり、“飛行機乗り(flyboy)”扱いしたりしていたという。大枠の人物描写や物語はそのままだったようなので、後半の展開を鑑みて、性格を少しだけ和らげる作業が施されたということだろう。よく見ると、アフレコで収録されたセリフと口の動きが一致していないところもあるそうだ。

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国の映画館にて公開中。

Sources: https://www.thedailybeast.com/star-wars-the-last-jedi-director-rian-johnson-carrie-fisher-helped-write-leias-most-touching-scenes
http://collider.com/the-last-jedi-holdo-scene-explained/
http://www.slashfilm.com/star-wars-the-last-jedi-deleted-scenes/2/
©THE RIVER

Writer

中谷 直登
中谷 直登Naoto Nakatani

THE RIVER編集長。ライター、メディアの運営や映画などのプロモーション企画を行っています。お問い合わせは nakatani@riverch.jp まで。

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