『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ルークの機械の義手の謎、マーク・ハミルとライアン・ジョンソン監督を巻き込んだ大考察に

『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)内の重要なシーンにおいて疑問を抱いたファンが、その真意について脚本・監督のライアン・ジョンソンにTwitterで質問、そこにルーク・スカイウォーカー役のマーク・ハミルも「僕も知りたい」と同調し、ライアンが回答を行う一幕があった。
あれ、右手は?
このシーンは『スター・ウォーズ』の一つの伝説がエモーショナルに終わる瞬間を効果的に描いたが、一方で冷静な疑問も残った。とあるファンはTwitter上にて、ライアン・ジョンソン監督とマーク・ハミルに以下のように尋ねている。
「待て待て、ライアン・ジョンソンとマーク・ハミルに聞きたい。
ルークには金属の義手があって、フォースの中に消えたけど、あの義手も一緒に消えたってこと?新しい手が出来たの?どういうこと?知りたい。」
ルーク・スカイウォーカーは『エピソード5/帝国の逆襲』(1980)でダース・ベイダーに右手を斬り落とされて以来、機械の義手を装着している。ジェダイがフォース・ゴーストとして姿を消す際に肉体だけを消失するのであれば、機械の義手も一緒に消えてしまうのは辻褄が合わないのではないだろか?
この疑問については、ルークを演じたマーク・ハミルも不思議に感じていたようだ。マークが「僕も知りたい。答えがあるなら教えてくれ」と参加すると、ライアン・ジョンソン監督は次のように回答する。
In the edit room someone joke suggested that when he fades away his robot hand should clank down onto the rock. Might have undercut the moment. 😂
— Rian Johnson (@rianjohnson) 2018年1月19日
「編集室で、ルークが消える瞬間にロボット義手が岩の上にカチャンって落ちるのはどうかと誰かが冗談を言っていたな。やられたね。」
ライアン・ジョンソン監督は、『最後のジェダイ』世界公開翌日に掲載のEntertainment Weekly記事でも、「右手がカチャンと落ちるべきか」との話題が予め上がっていたと語っている。察するに、機械の右手がルークと共に消えたのは審美的な演出を考慮してのものだろう。その場に残ったルークのローブが風に飛ばされるシーンは、はためく音が僅かに聞こえ、伝説の英雄との別れに儚い余韻を残した。その直前に機械の義手が重々しい音を立てて落下しては、ある種のノイズとなってしまう。
米ABCのエグゼクティブ・プロデューサーを務め、数々のTVドラマを手がけるダニー・ズーカー氏もこのやり取りに加わった。「これ、我々の脚本家チームでも真剣に話し合ったやつだ。僕はカチャン反対派だった。」これに対してマーク・ハミルは、「エミー賞を受賞しまくりながら、そんなことに時間を費やしていたなんて、実に不思議だ」とジョークで返す。
How you have time for stuff like this while continually acquiring a warehouse-full-of-Emmys is downright mystifying to me.
— Mark Hamill (@HamillHimself) January 20, 2018
ファンは止まらない
いくらかのファンはこのやり取りの中で、様々な持論を展開し始める。米MAD誌のダン・テルファー氏は「弊紙の公式見解」として、機械の義手がルークと神経レベルで繋がっていたために一緒に消えたのではないか、またはフォースによって消されたのではないか、との辻褄を考察する。
では、ルークのフォース・ゴーストはこの後どうなってしまうのだろうか。仮に、続く『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』でフォース・ゴーストの姿を表す場合、右手を失って登場するのだろうか。濁流のごとく止まらないTwitterのスレッドの中では、『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)で既に答えが出ているとの指摘が散見できる。『ジェダイの帰還』の感動的なラストで、善を取り戻しフォース・ゴーストとなったアナキンは両手両足を揃えた状態で姿を現していた。つまり、フォースゴーストではその人物が生まれ持った五体を取り戻すことができるのではないか、と考えられるのだ。
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