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ポーグはなぜ生まれたか?『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ロケ地の現実的な事情

スター・ウォーズ 最後のジェダイ ポーグ

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の劇場公開前から大きな注目を集めたのは、そのキュートなビジュアルが目を惹いた新クリーチャー「ポーグ」だ。そのかわいさで人気を集めることもあれば、時に関連商品を売りたいがためのキャラクターだと批判されることもある彼らは、一体どのような経緯で誕生することになったのか?

StarWars.comでは、ポーグの誕生に携わったコンセプト・デザイナー、ジェイク・ラント・デイビーズ氏のインタビューが掲載されている。ポーグが考え出された背景には、惑星オクトーのロケ地となった孤島スケリッグ・マイケルの“やむにやまれぬ事情”があったというのだ。

ポーグのモデルは「ツノメドリ」

ポーグのデザインの基となったのは、チドリ目ウミスズメ科の海鳥であるツノメドリ(別名:パフィン)。新たなクリーチャーを開発するきっかけになったのは、このツノメドリがロケ地のスケリッグ・マイケルに多数生息していたからだという。

「ライアン(・ジョンソン監督)は、このシーン(惑星オクトー)をスケリッグ・マイケルで撮るつもりでした。オクトーとして登場する現実の島で、ツノメドリだらけの場所なんです。野生生物が保護されていて、あたり一面に何百羽もの鳥たちが見えるんですよ。ライアンはこのことを前向きに捉えて、どうすればうまくやれるのかを考えていましたね。(鳥たちを)消すことはできない、物理的に消すことはできません。デジタル処理で削除するのも問題ですし、膨大な作業になります。」

そこで監督はじめ製作スタッフは、ツノメドリや鳥たちの存在を味方につけるという発想に思い至った。

「ライアンは“これはいいね、僕たちで(オクトーに)生息する種を作ろう”と考えていました。すでにケアテイカーのデザイン作業を始めていたので、ライアンから再び説明を受けたんです。(ケアテイカーは)ツノメドリの人間版だと聞いていました。そういう種族を出す予定だったので、ライアンはツノメドリを再びインスピレーションの源にしたんです。ツノメドリは本当に大きな影響を与えてくれましたよ。」

ツノメドリ(Photo by Wynand van Poortvliet on Unsplash)

もっともジェイク氏によれば、主にツノメドリの要素はポーグのサイズと色に活かされているという。ほかにもさまざまな動物の要素を拝借しながら、ポーグのデザインは練り上げられていったというのだ。

影響を受けたのは、アシカやパグ犬、ツノメドリでした。アシカの大きな目、それからパグ犬の大きな目と、愉快でブサイクな顔ですね。元来、パグ犬はものすごくかわいいわけじゃないと思うんです。ものすごくかわいいのは、他の動物やマンガにいるだろうと。それに、ポーグはものすごくかわいいと思われなくてもよかった。でもパグ犬は確かにかわいいし、明らかな魅力がありますよね。たぶん大きい目だと思うんですけど。だからパグ犬みたいに、ポーグは悲しげな、どうともいえない顔をしてるんですよ(笑)。」

ちなみにデザイナーたちは、ポーグが『スター・ウォーズ』のクリーチャーらしくなるよう、なるべくシルエットをシンプルにするよう努めたという。なにせジェイク氏は、その特徴を「タマゴみたいな形、頭のてっぺんに2つの目、それから悲しい口」と語っているのだ。

惑星オクトーで存在感を発揮し、ついにはミレニアム・ファルコンにまで巣を作ってしまったポーグ。果たして、次回作『エピソード9(仮題)』で登場することはあるのだろうか? なおStarWars.comでは、ポーグが完成するまでのアートの数々もあわせて公開されているので、こちらもぜひご覧いただきたい。

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国の映画館にて公開中

Source: http://www.starwars.com/news/designing-star-wars-the-last-jedi-part-1-how-porgs-were-hatched
©THE RIVER

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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