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『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』再会シーンの全貌 ― 監督&出演者、撮影秘話と想いを明かす

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』には、決して不用意に明かすことのできない、全編のカギとなるシーンが、カギとなる瞬間が数々用意されている。本記事でご紹介するのは、終盤に登場する最もエモーショナルなシーンの撮影裏話だ。

いうまでもなく、本記事には作品に関する重大なネタバレが多分に含まれている。本編を未見の方は、決して鑑賞前にお読みにならないよう、くれぐれもお気をつけいただきたい。

注意

この記事には、映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の重大なネタバレが含まれています。

©Walt Disney Studios Motion Pictures ©2017 & TM Lucasfilm Ltd. 写真:ゼータ イメージ

ルーク&レイア、つかの間の“再会”

映画冒頭からファースト・オーダー軍の追撃をかわし、撤退を続けるレジスタンスは、人々に棄てられてしまった惑星クレイトにたどり着く。ポー・ダメロンやフィン、ローズたちは懸命の抵抗をつづけ、惑星オクトーから戻ってきたレイも合流するが、戦況は依然としてファースト・オーダーに分があるまま。もはやこれ以上の撤退は不可能かと思われるさなか、そこにルーク・スカイウォーカーが現れる。

レイア・オーガナとハン・ソロの息子であり、かつて弟子だったベン・ソロ=カイロ・レンがダークサイドに堕ちてから、ルークとレイアは初めての再会を果たすのだった。「誰もいなくなってはいない(No one’s ever really gone.)」。ルークはそう言って、ハン・ソロがミレニアム・ファルコンに吊るしていたゴールデン・ダイスをレイアに手渡す……。

このシーンでは、ルークとレイア、そしてマーク・ハミルとキャリー・フィッシャーが『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)以来約34年ぶりにスクリーンに顔を揃えた。米Daily Beastのインタビューにて、ライアン・ジョンソン監督はこのシーンを「信じられません。お別れのシーンになると思ってなかったんです」と振り返っている。

「ルークとレイアのシーンを撮った時、まるで現場は教会のようでした。いつもは愉快な、本当にハッピーで活発な撮影現場なんです。ところがあの日は、みんなが静まり返って、じっと二人を見ていました。[中略]ずっと厳粛な空気で、本当に特別なことが起こっているのをみんなが感じていたんです。あんなふうになったのは最初で最後でしたね。」

ルークの「誰もいなくなってはいない(No one’s ever really gone.)」、そして反乱軍再建に不安を示すレイに、レイアが伝える「必要なものはすべてある(We have everything we need.)」。奇しくも『最後のジェダイ』のクライマックスには、2016年末に急逝したキャリー・フィッシャーの存在を浮き彫りにするようなセリフが複数登場する。
ライアン監督は、ルークやレイと相対するレイアの姿、そしてキャリーの演技について現在の実感を率直に明かした。

「(キャリーの演技を)今見ると、もちろん……複雑な気持ちになります。とても複雑ですよ。僕は(キャリーを)神様みたいだって思います。僕は幸運だと思うんですよ。つまり、彼女がこの演技を見せてくれた幸運、彼女と時間を共有できた幸運、この映画に彼女の最後の時間があるという、すさまじい幸運があるわけです。そして映画の一番最後には、レイに、僕たちに希望が託される。だから神様なんです。彼女がここにいてくれればと思いますよ。」

マーク・ハミルとキャリー・フィッシャー

Entertainment Weekly誌では、「キャリーとは本当の兄妹みたいだった」と語るマーク・ハミルが、久々の共演シーンについて声を詰まらせつつ語っている。

「映画の中で彼女にお別れを告げるのが、今では本当に悲しくて…見られないんですよ。僕はまだ…現実から目をそらしています。彼女は現在なんです、まだ過去じゃない。ここにいるのは当然ですよ。だって、映画の彼女はあんなに素敵なんですから。

劇中でハン・ソロのダイスを渡されたレイアは、かすかに、しかし確かな反応を示している。このリアクションについて、マークは「その時、彼女は理解したんです」と語るのだった。“そこにルークはいない、しかし、確かにいる”ということを……。この場面が現実のキャリーにそのままあてはまることになったのは、映画をめぐる奇妙な出来事であり、シリーズのファンにとっては運命でもあるだろう。

なお、本作の脚本作業に参加していたキャリー・フィッシャーは、このルークとレイアの再会シーンでも一部のセリフを執筆していたという。ライアン監督はそのうちのひとつを明かしている

「彼女は短いジョークが好きで、たくさんジョークを思いつくんです。レイアがルークに言う、“髪型を変えたの(I changed my hair.)”というセリフはキャリーが作ったんですよ。」

映画『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は2017年12月15日より全国の映画館にて公開中。

Sources: https://www.thedailybeast.com/star-wars-the-last-jedi-director-rian-johnson-carrie-fisher-helped-write-leias-most-touching-scenes
http://ew.com/movies/2017/12/16/the-last-jedi-spoiler-talk-carrie-fisher-force-powers-leia/2/
©THE RIVER

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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