『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ルーク最大の技は”アリ”なのか?ファン議論に監督が資料を紹介

賛否両意見が聞こえる『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(2017)内でも、最も議論を呼ぶであろう劇中シーンについて、脚本・監督のライアン・ジョンソンは2018年1月20日、自身のTwitterにて無言の説明を行った。

件のシーンとは、物語終盤、惑星クレイトでの決戦でルーク・スカイウォーカーがカイロ・レンの前に現れる場面だ。ルークはカイロの斬撃を巧みにかわしながらレジスタンス脱出のための時間稼ぎを行うが、実はその実体はオク=トーにあり、クレイトに現れていたのはルークの強いフォースによる分身だった。
カイロ・レンとルーク(の分身)による対決シーンを改めてよく観ると、確かにルークはライトセーバーの光刃部分をカイロと絶対に交えようとしていない。そればかりか、クレイトの白い塩原はカイロの足捌きによって赤い地表を露わにするが、ルークの場合は実体がそこにないため、足跡すら残さないのだ。ルークが遠く離れたオク=トーに実在すると明らかになる瞬間、観客はハッとさせられる一方で、「いくらフォースでも、無制約な能力を使われては興ざめだ」と懐疑的な意見もあった。
本当にあった「ドッペルゲンガー」の術
ルークの分身術は、本当に前例も突拍子もない演出だったのだろうか?『最後のジェダイ』劇場公開から一ヶ月以上が経った2018年1月20日、未だ議論絶えぬこの話題について、ついにライアン・ジョンソン監督が無言のまま立ち上がった。
https://twitter.com/rianjohnson/status/954398119185256449
— Rian Johnson (@rianjohnson) 2018年1月19日
— Rian Johnson (@rianjohnson) 2018年1月19日
— Rian Johnson (@rianjohnson) 2018年1月19日
— Rian Johnson (@rianjohnson) 2018年1月19日
「これでわかったろう」とでも言いたげにライアン・ジョンソン監督が示したのは、2010年に出版された書籍『The Jedi Path: A Manual for Students of the Force』。フォース修行のすべについてを収めた全160ページの教典だ。そのページ内にて、「ドッペルゲンガー」が”フォースの上級術”として以下のように記載されている。
「ドッペルゲンガー、またはシミルフツルス(Similfuturus)とは、自身の短期的な分身、または実物そのままの外部オブジェクトを創り出す術である。この術を体得すれば、任意の人物の幻影を創ったり、分身を創ることでドロイドなどの敵の目をくらますことができる。」
この書籍は、2012年にディズニーがルーカスフィルムを企業買収した際に「非正史(レジェンズ)」として切り離され、現行の映画・アニメ・小説などのシリーズにはあくまでも直接関与しないものとされている。ライアン・ジョンソン監督は、こうした外伝資料からアイデアを着想していたのだろう。なおライアンはこの投稿直後、以下のようにフェードアウトしている。
— Rian Johnson (@rianjohnson) 2018年1月19日
それにしても、ライアン・ジョンソン監督は『最後のジェダイ』公開直後より、このようにメディアにて劇中の真意や意図を積極的に語っているように感じられる。ちなみに同タイミングでは、「なぜレイアは僅かにしか修行をしていないはずなのに、宇宙空間の吸引に逆らって飛ぶことができたのか?」という質問に「彼女は超ヤベぇから(badass muthafucka)」との自由な返答を行っている。
Cause she’s a badass muthafucka.
— Rian Johnson (@rianjohnson) 2018年1月19日
Source:https://twitter.com/rianjohnson/status/954398324760563712