『トロン』続編企画は生きていた…が、またも頓挫 ─今度はジャレット・レト出演でリブートか

2010年に公開された『トロン:レガシー』の続編企画が大転回を起こそうとしている。
1982年の『トロン』から28年ぶりの続編作となった『トロン:レガシー』は、ジョセフ・コシンスキー監督が引き続き登板され、続編となる第三弾の制作準備が進められていたが、2015年時点でいちど製作中止の報道があった。
『トロン3』は死んでいなかった
ところがColliderが報じたところによると、『トロン』続編企画は完全に死んだわけではなく、『トロン:アセンション(原題:Tron:Ascension)』の仮称まで付けられ、“凍結”されたまま仮死状態にあったという。その理由として、ディズニーが抱えるマーベルやスター・ウォーズといった巨大フランチャイズの影があった。これは、2017年3月1日付けでColliderに掲載されたコシンスキー監督の声明だ。
「今言えることは、トロン3は冷凍状態っていうこと。とりあえず存続はしていて、死んではいない。生きているよ。前進するタイミングを待って、座って待機中なんだ。
まぁ、思い出して欲しい。『トロン:レガシー』を作った時、ディズニーはマーベルもルーカスフィルムも所有していなかった…。でも彼らは、今全てを所有している。『トロン』は、彼らが全てを手に入れる前のプロジェクトなんだ。スタジオの立場からすれば、(映画化する)一定数のストックもあって、映画制作のための資金もある程度あって、スター・ウォーズのスピンオフやマーベルの新作を作れば、全てとんでもなく良い成績が上がってしまう。
『トロン』の映画も、僕はとてもうまくいくと思うんだけど、果たして(スター・ウォーズやマーベルといった)他の作品ほど成功するだろうか、という疑問はあるんだ。今やディズニーには成功の見込みが高い資産が山ほどストックされている。だから『トロン』の新作が作られないんだ。
でも、だからといって、作品が観られなくなるなんてことはないよ。」
コシンスキー監督は、続編は劇場公開作品であることにこだわっていなかった。同記事では、”デジタル”の表現が色濃い『トロン』だからこそ、VRコンテンツとしての展開にも興味があると述べている。しかし、あくまでそれは個人的な希望であり、全てはディズニー次第であるとも語っている。
温められていたアセンション構想
監督が同様に語った所によると、『トロン:アセンション』は”侵略映画”になる予定だったということで、脚本製作も進行していた。
「脚本は8割がた完成している。良い形だった。確か8〜9ヶ月だったかな、撮影準備としては充分な期間をかけた。脚本は良い状態だと思う。
僕が興奮しているのは、作品コンセプトなんだ。よくあるものとは逆に、マシンの内部から侵略者が出現するんだよ。『トロン:レガシー』の最後にクオラが出てきたのがヒントだね。
『トロン:アセンション』は、第一部が現実世界、第二部がトロンの世界、それから第三部は完全に現実世界、というアイデアなんだ。こんな風にトロンのコンセプトを切り開くのをスクリーンで観られたら、すごくスリリングだと思う。そして、クオラと『異星の客』のキャラクター考察、彼女が数年間かけて、現実世界に迎合していくことをどう見出して、どう馴染んでいくのかという考察もすごく興味深いよね。」
新タイプのヒーロー映画になるはずだった
トロンのキャラクターたちが現実世界で活躍する。『アセンション』で描かれるはずだったコンセプトについて、コシンスキー監督はスーパーヒーロー映画の文脈からもこう語っていた。
「彼らはスーパーパワーを持っていない。目からビームを撃ったりしないし、スーパーヒーロー映画でよくありそうなことはしない。でも彼女には、デジタル・ヒューマン・ハイブリッドの第一世代としてのDNAが組み込まれている。グリッドの世界から物質を現実世界に出現させる能力が備わっている、というアイデアがあるんだ。」
続編ではなくリブートに
脚本も完成が近く、構想もずいぶん組み上がっていた『トロン:アセンション』だが、ここに来てその実現が絶望的であるとの報道が再び登場した。3作目の『トロン』映画は、続編ではなくリブートになりそうだという。ハリウッド・レポーターが伝えている。
リブート版『トロン』は、現在プロジェクトのごく初期状態にあり、主演は『スーサイド・スクワッド』ジョーカーの狂演も記憶に新しいジャレッド・レト。「アレス(Ares)」という重要な新キャラクターを演じる予定と伝えられている。ほか、トム・クルーズ主演作『オブリビオン』製作総指揮のジャスティン・スプリンガー、レトの製作パートナー、エマ・ルドブルックの名も関係者として挙がっている。
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