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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』パルパティーン登場はJ・Jのアイデア ─ 前監督が『最後のジェダイ』に出した注文とは

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は、『スター・ウォーズ』新3部作の完結編でありながら、3作品中もっとも製作の紆余曲折を経た作品だ。当初は『ジュラシック・ワールド』(2015)のコリン・トレボロウが脚本・監督を務める予定だったが、2017年9月、ルーカスフィルムが脚本に納得しなかったことから、トレボロウは企画を離脱。後任者には『フォースの覚醒』(2015)を手がけたJ・J・エイブラムスが就任した。

もっとも完成した映画には、当時の脚本を手がけたトレボロウとデレク・コノリーの名前が「原案」としてクレジットされる。このことについて、トレボロウは「J・Jが僕たちのアイデアを部分的に使ってくれたことをうれしく思います。僕たち全員が必要だと思ったシーンを観てもらえるのが楽しみ」と英Empireにてコメントした。

現在、トレボロウは『スカイウォーカーの夜明け』の脚本について、「僕の言うことではありません、特に今ではね」と語り、多くを明かそうとしていない。「過去2年間、スタッフがどれほど必死に働いたかを僕は知っています。[中略]この映画を世に送り出す彼らのことをサポートしたい。それに僕は、最終的に自分の名前が載るところがあってうれしいんですよ」。そんな中、トレボロウは、とある重要な展開が自身の案ではないことを明かしている。

皇帝(パルパティーン)を再登場させるというのはJ・Jのアイデア。正直、僕はまったく考えたことがありませんでした。彼を称えたいと思います。やり遂げるのが難しいストーリーですが、そのカギを見つけたということですから」。

ちなみに、前作『最後のジェダイ』(2017)を手がけたライアン・ジョンソン監督が『フォースの覚醒』のラストに注文を出していたように、もともと完結編を手がける予定だったトレボロウも、『最後のジェダイ』に自分のアイデアを反映してもらっていたという。

ライアンには、レイとポーが初めて出会う場面をちょっとだけ入れてほしいとお願いしました。2人はすごく愛されているキャラクターだし、次回作では2人になんらかの歴史を与えるべきだと思ったんです。彼のやり方は完璧だったと思いますよ。」

トレボロウが降板したことで、彼がレイとポーを出会わせた真の理由は分からなくなった。しかし後任のJ・Jは、『スカイウォーカーの夜明け』ではレイとフィン、ポーの3人組を「オリジナル3部作の精神にならって」掘り下げることにしたと述べている。トレボロウのアイデアをジョンソンが具現化し、J・Jが引き継ぐという“監督たちのリレー”が、舞台裏ではひっそりと行われていたのだ。

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)日米同時公開

Source: Empire

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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