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『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』VFXメイキング映像が米公開 ─ 海のシーン、本物の水をCGで全消去していた

スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け
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『スター・ウォーズ』スカイウォーカー・サーガの完結編となった、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のVFXメイキング映像が米国にて公開された。この映像は、本作のCGを担当した米ILMが米Vanity Fairを通じて発表したもの。4分間におよぶ充実した内容は、Vanity Fairのウェブサイトにて確認することができる。もちろん本編のネタバレが多分に含まれているので、まだ観ていないという方はまず劇場へ。

この記事には、映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』のネタバレが含まれています。

公開されたメイキング映像には、2016年に急逝したキャリー・フィッシャー演じるレイア・オーガナがいかにして本作に登場したかという映像処理のプロセスをはじめ、若き日のルーク(マーク・ハミル)とレイアの訓練シーンに『エピソード6/ジェダイの帰還』(1983)の映像が使用されている様子、レイ(デイジー・リドリー)をはじめとするキャラクターのアクションシーンなどが多数盛り込まれている。クライマックスの決戦シーンでは、「それもCGだったのか…」と驚かされもすることだろう。ほとんどアニメ作品の領域に突入しているほどの描き込みぶりに注目だ。

映像の公開にともない、Vanity Fairでは、レイとカイロ・レン(アダム・ドライバー)が海に浮かんだデス・スターの残骸上で戦う場面についても記されている。CGチームは約59万トンもの海水を試算し、ショットごとに416トン~15万9,000トンもの海水をCGで作り出したという。いささか想像しがたい数字だが、より奇妙なのは、CGの海水を合成するために本物の水を消去したというエピソードだ。撮影現場ではデイジーとアダムに向けて、ウォーターキャノンで放水が行われていたのである。それこそが、現場にあった“唯一の水”だった。視覚効果スーパーバイザーのロジャー・ガイエット氏はこう語っている。

「正直、“なんでウォーターキャノンがあるんだろう”と思ってましたよ。皮肉なことに、ドミニク・タオイー(視覚効果)が水を担当していて、それがあのシーンの雰囲気を作っていたんですが、後から本物の水は全部消去したんです。ウォーターキャノンの水は、実際の波のように動きはしませんからね。本物の水をすべて消去して、あとから正しい動きをする水をこちらで足しました。どうかしてますよね。」

しかしガイエット氏は、撮影現場には本物の水が必要だったことも十分に理解している。「私たちは、人がライトセーバーで戦うということの説得力を生み出していたわけです。ああしなければ、デイジーとアダムが立ち向かう対象を作ることはできなかったでしょう」。

映画『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』は2019年12月20日(金)より公開中

Source: Vanity Fair

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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