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「マーベルのミス、DCとワーナーの利益に」 ─ 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ガン監督の解雇劇、『ザ・スーサイド・スクワッド』製作者はどう見たか

ジェームズ・ガン
Photo by Gage Skidmore https://commons.wikimedia.org/wiki/File:James_Gunn_(28663744545).jpg

2018年7月、ディズニー/マーベル・スタジオが『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3(原題)』からジェームズ・ガン監督を一時解雇するという事件が起こった。約10年前のツイートが掘り起こされ、SNSにて拡散されたことが原因だった(のちに再雇用)。ワーナー・ブラザース/DCコミックスが『スーサイド・スクワッド』(2016)の続編にガンを起用したと報じられたのは、それから約3ヶ月後のこと。これが、ジェームズ・ガン版『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の始まりだった。

世界中の映画ファン・コミックファンが動揺し、ハリウッドの業界関係者の間にも激震が走った解雇事件を、『ザ・スーサイド・スクワッド』の製作陣はどう見ていたのか。ガン監督と以前から親交のあったプロデューサーのピーター・サフラン氏は、米Deadlineにて「ひどい出来事だった。けれども、マーベルのミスが、結果的にはDCとワーナーの莫大な利益となった」と率直に語っている。

「(解雇について)ディズニーとマーベルの過剰反応だと感じた人々はいると思いますし、究極的には、ディズニーとマーベルも自分たちの過剰反応だったと思ったんでしょう。だから『ザ・スーサイド・スクワッド』の契約を結んだ後すぐに──それとこれとは関係ありませんが──彼らは決定を覆し、彼を(『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』)3部作に呼び戻した。彼(ガン)は自分で制御できないほど大きな力に巻き込まれたのかもしれない、そのことに人々が気づいたんだと思いますよ。彼は何年も前のツイートについて謝罪していたし、その後は非常に模範的な生活をしていましたしね。」

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『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』からの解雇報道後、すぐにワーナー&DCがガン監督の獲得に動いたというエピソードはしばしば語られているが、そのキーパーソンがサフラン氏だった。「ジェームズ・ガンがマーベルから解雇されたのが木曜日か金曜日のことで、次の月曜日にはトビー・エメリッヒ(ワーナー会長)のところに行っていた」というのである。その際、エメリッヒ会長は「我々は君のことが大好きだ、と伝えてほしい」と話したとか。「DCでもなんでもいいから、彼がやりたいものをやろう」との伝言を受け、サフラン氏はガンに話を持ちかけた。

当時、ガンがどの作品を撮るのかはまだ決まっていなかった。しかし、サフラン氏は当時から「スーサイド・スクワッドを撮るのにジェームズ・ガン以上の人間はいない」と確信していたそう。「『ザ・スーサイド・スクワッド』をやろうと、一生懸命に提案しましたね」と振り返っている。

映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』は、2021年8月13日(金)全国公開。

Sources: Deadline, ComicBook.com(1, 2

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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