【ネタバレ】『ヴェノム:ザ・ラストダンス』ラスト&おまけシーン解説 ─ 衝撃の結末と伏線、今後の展開も大予想

この記事には、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の非常に重要なネタバレが含まれています。未鑑賞の方は閲覧をお控えいただき、ネタバレなしのレビュー記事をお楽しみください。
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』エディとヴェノムの最後……ラストシーン
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』より初登場した、闇の邪神にしてシンビオートの創造主ヌル。はるか彼方の惑星に幽閉されたこの最強ヴィランは、自身解放のカギとなる“コーデックス”の持ち主ヴェノムを狙って、ゼノファージを地球に送り込んでいた。
コーデックスとは、シンビオートが別の生命を蘇らせた際、異なる生命が一つとなって生成されるもの(それ以上の詳細は不明)。ヴェノムはシリーズ第1作の対ライオット戦の際にエディ・ブロック(トム・ハーディ)を蘇生させていたので、コーデックスを取得していたのだ。
ちなみにゼノファージのビジョンではコーデックスが渦巻き型をしていたが、これは原作コミックを踏襲したもの。また、コミックではいくつものコーデックスを充分量集める必要があるとされたが、映画では一つで通用する設定に変更された。
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』クライマックスでは、エリア51でヴェノムたちがヌルによる使者ゼノファージとの激闘を繰り広げる。物理的に破壊しても再生されるゼノファージが次々と送り込まれ、このままでは勝ち目なしと判断したヴェノムは、最後の奇策に打って出る。「俺たち、リーサル・プロテクターはもう無理か……」「まだなれる。今こそ必要だ」。
ヴェノムは、自らにゼノファージを巻き込む形で吸収し、自分もろとも“ハイパー酸溶解”を浴びて消滅を試みたのだ。この事態を収拾させ、コーデックスを消滅させるためには、エディかヴェノム、そのどちらかが犠牲とならなければならない。“ラストダンス”を踊るのは、ヴェノムだった。
膨張した身体を引きずりながら、エディはヴェノムの身体を投げ出し、「お前を忘れない。お前も俺を忘れるな。さらば」と言い伝え、死の酸を浴びる。虹彩認証によって酸噴射を行っていたストリックランド将軍(キウェテル・イジョフォー)の体が制御盤から落ちると、自らその体勢を直してなおも酸を浴び続ける、まさに“決死”のエディ。この生命体から聞いたことのない、低く鈍い呻き声。最期の瞬間には「さよならは別れじゃない」と言い残し、相棒に危害が及ばないようにシールドを被せる。そして手榴弾のピンが抜かれ……。
この戦いでは、エリア51の地下極秘施設の研究職員たちもシンビオートと融合し、ゼノファージに立ち向かった。その全員が敗れた中、最後までシンビオートのサンプルを使わずにいたペイン博士(ジュノー・テンプル)は、爆破される研究所から逃走しながらついに融合。かつて全身に受けた落雷による特別なパワーを宿していた彼女は、スーパースピードで駆けるシンビオート“アゴニー”として覚醒する。
ヴェノムの犠牲により、ゼノファージ群はなんとか消滅した。エディは、旅の途中で出会ったマーティン・ムーンから教えられた“ニエリカ”(死後の世界に通じる道)を夢見て気絶し、目が覚めるとどこかの施設のベッドの上にいた。側にいたのは、ストリックランド将軍のボスであり、劇中でほとんど説明のされなかった謎の“インペリアム計画”首謀と見られる男で、現在までにキャラクター名などは不明。エディはこの男から礼を述べられつつ、一連の出来事を口外してはならないと警告される。
回復したエディが向かったのは、ヴェノムと夢見た旅の終着地ニューヨークだ。BGMはMaroon5の『Memories』。「分かち合った喜びに乾杯」と歌う一曲だ。エディは、これまで“相棒”と過ごしたかけがえのない日々を胸に抱き、清々しい顔で歩く。もう頭の中で絶え間なく悪態をつく声はない。あるのは静寂と平穏、そして思い出だけ。
二人で見ようと約束しながら、ついぞ叶わなかった自由の女神をひとり眺めながら、エディは「忘れないよ、相棒」と呟く。こうして、エディとヴェノムの物語は完結するのだった……。