【ネタバレ】『ヴェノム:ザ・ラストダンス』ラスト&おまけシーン解説 ─ 衝撃の結末と伏線、今後の展開も大予想

この記事には、『ヴェノム:ザ・ラストダンス』の重要なネタバレが含まれています。
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』おまけシーン解説
『ヴェノム:ザ・ラストダンス』には二つのおまけシーンが存在する。エンドクレジットの最中に挿入されるミッドクレジット・シーンでは、すべての黒幕となったヌルが登場。ヴェノムのコーデックスが消滅したことに激昂しており、“キング・イン・ブラック”の目覚めを宣言し、世界を焼き尽くしてやると予告。「お前はそれを目の当たりにする」と宣戦布告した。なお、解放に必要なコーデックスはヴェノムの死によって無くなったはずだが、どのようにしてヌルが復活できるのかは説明されていない。
劇中でヌルは、宇宙創造前から存在し続ける闇の邪神であり、シンビオートの創造主であると紹介されていたが、これは原作コミックと同じ。コミックではヴェノムやアベンジャーズ、X-MEN、ファンタスティック・フォー、シルバーサーファーにセントリーといった最強クラスのヒーローたちが結集して死闘を繰り広げたほどの、最強クラスのスーパーヴィランだ。原作でも同様にシンビオートの反逆によって幽閉されていたが、コーデックスによって解放され、地球に襲来する物語が展開された(『キング・イン・ブラック』)。
ケリー・マーセル監督は本作でのヌル登場について、「マーベル映画でサノスが注意深く紹介されたのと同じようにして、彼が自身の映画でどこまで行けるのかを試す、一種のテスト」であると紹介。これまでソニーのユニバースにはサノスのようなラスボスが存在しなかったが、ついにヌルがその最大の脅威となって、シリーズの今後を引き締める。劇中でマリガン刑事(スティーヴン・グレアム)が見た未来のビジョンでは、地獄のような光景に立つヌルの姿が描かれていたが、この最悪の事態が到来する恐れがある。
なお、ヌル役を演じたのは前作『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』(2021)で監督も務めたアンディ・サーキス。ハリウッドにおけるモーションキャプチャーや声優業の第一人者として、恐るべきラスボスを迫力たっぷりに表現した。
二つ目のおまけシーンは、まさにおまけだ。エンドロール後に登場したポストクレジット・シーンでは、ゼノファージとの戦いで爆破され、焼け野原状態となった研究所から、メキシコのバーの店員(クリスト・フェルナンデス)がひょっこり登場。エディが残したシンビオートの回収に訪れたストリックランド将軍によって、ついでに身柄が拘束されていた不運な男である。
ラストカットではゴキブリが登場するが、これは事前に語られた「核戦争になってもゴキブリは生き残る」というセリフを回収するものだ。海外メディアでは、実はこのゴキブリにシンビオートが残っていたのではないかと見る向きもあるが、果たしてどれだけの重要性があるかは不明。ちなみにシリーズ最後作のおまけシーンがゴキブリとともに幕を閉じるというのは、DC『アクアマン/失われた王国』(2023)と同様である。
ところで、施設全壊となった中でもバー店員だけが生き残っていたのは、コメディ演出のご加護によるものなのか、それとも彼にもゴキブリ並みの特殊な生命力があるということなのか……。