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【特集】VRは世界から映画館を消し去るか?VRと映画の未来を読む

映画「マトリックス」が公開された1999年、仮想現実は私たちから遠く離れたものだと思っていた。
しかし、それから17年という年月を経て、仮想現実は私たちの手元に届くようになった。

今いる”現実世界”とは別の”仮想空間”で、私たちは様々な体験をすることができたり、より便利になったサービスを活用することが出来るようになる。

マトリックス」の世界を、遥か遠い未来の話、もしくは異次元の話だと思っていたあの頃の純粋な少女筆者は、人類の技術の進歩を驚かずにはいれない。

VR元年

http://www.sony.jp/playstation/psvr/
http://www.sony.jp/playstation/psvr/

2016年、今年はVirtual Realityがより身近なものとなった飛躍の時代だ。VR(Virtual Reality)元年と呼ばれている。
コンピューターで創造された架空の世界に、入り込むことができるのだ。
それこそ、「アバター」や「トロン」のような別の世界を”そこにいるかのような感覚”を味わうことができる。
VRデバイスを使用すれば、どこでも、だ。

今年に入り、SONYの「PlayStation VR」や、Oculusの「Rift」など大手メーカーからVRデバイスが続々発売された。
それにより、仮想現実はより身近に私たちの手元に届くようになった。
これさえあれば、目の前に広がるのは”ここ”じゃないどこかになる。そこで体験する経験は、まるで本当にそこにいるかのような感覚だ。

“BATMAN VR”予告編

VRにより広がるビジネス

では、一体VRでは何ができるのか?

今年9月に行われた、日本最大規模のゲームの祭典、東京ゲームショウではVR関連のブースが多数設けられ、ゲーム市場はおそらく今後飛躍していくだろう。

その他、ブライダル業界や不動産業界、旅行会社、家具メーカーなど、すでに様々なビジネスでVRは活躍の場を広げている。
その中でも、大画面で仮想空間を繰り広げている映画は確実にVR活用にもってこいの場だろう。

VRと映画の未来

「もしも、マッドマックスの世界に自分が入り込めたら」
「もしも、ルークと共にライトセイバーを振りかざし戦うことができたら」
「もしも、エマ・ワトソンを間近にリアルに感じることができたら」

あなたのそんな夢が叶うかもしれない。

現に、映画「ローグ・ワン」のVRコラボコンテンツが発表されたり、「オデッセイ」のマーク・ワトニーのように火星体験ができたり、「アサシンクリード」公開にあたりVR動画が配信されるなど様々なコンテンツが続々登場している。

VR専用のシアターを設備したシネマ・カフェ『ココロヲ・動かす・映画館◯』が2017年にオープン予定(東京・吉祥寺)になるなど、映画館衰退の傾向にある映画業界に、潤いをもたらしている。

http://www.webdice.jp/dice/detail/5280/
http://www.webdice.jp/dice/detail/5280/

VRシアターがオープンされる一方で、ネットカフェやゲームセンターなどで映画をVR視聴できる「VR THEATER」というサービスも登場した。
映画は映画館で観るもの、という概念を取り払い、VRデバイスさえあればどこでも映画を楽しむことができるようになるだろう。

http://interpia.ne.jp/vr/theater/
http://interpia.ne.jp/vr/theater/

映画は映画館で観るもの、という概念はもはや過去のものになるのかもしれない。VHSやDVD、Blu-rayなどで映画はレンタルし家で観ることができるものだし、「Netflix」や「Hulu」、「dTV」「amazonプライム」などの動画配信サービスが普及してきたことにより、さらに身近に家で映画を観ることができるようになった。

VRの登場により、映画館は消える?

しかし、今後、場所を選ばずどこでも映画を観ることができるようになったら、”映画館”の今後はどうなっていってしまうのだろうか。

Oculus VRがリリースした「Netflix」アプリでは、まるで別荘のような空間に大きなスクリーンが用意され、そこで「Netflix」を観ることが可能だ。もちろん、横になりながら観ることだってできる。

http://www.gizmodo.jp/2015/09/netflixgear_vr.html
http://www.gizmodo.jp/2015/09/netflixgear_vr.html

姿勢を崩すことのできない映画館と違い、リラックスした姿勢で観ることができる。

もしかしたら、(あくまで筆者の妄想全開だが、)その仮想空間に友達同士で集まり、映画を観ることだって可能になるかもしれない。
もし、そうなったらわざわざ映画館に行って、映画を観る必要性はどんどん無くなっていってしまうのではないだろうか。

スマホが登場した当時「スマホなんて誰が持つんだよ」と誰かが言っていたあの頃、今ではほとんどの人口がスマホを所有するようになった。
「アバター」で3D技術が導入され、公開当時その奥行き感と立体感に多くの人が驚いた頃、今では3D技術は当たり前となり、3Dメガネをかけることに違和感のない人が増えた。

VRが登場した今、「VRを一般普及させるには時間が必要なのでは」という声があったりなかったりする中で、今まさにこの瞬間もVR技術は進歩していっているのである。

事実、VR対応映画を制作する動きもあるのだから、夢物語などと言っている間にVRを普通に装着しているあなたがいるかもしれない。

そうなると、ただでさえ日々映画館が減少して行っている中、その存在意義は危ぶまれていってしまうのではないかと不安を隠せない。

映画館で観る映画こそ、非現実的で至福の時だったことや、売店でポップコーンを買うことも、映画館特有の匂いも、「あの頃」になってしまうのではないかと、映画館好きとしては今後の映画事情について注目していきたいところだ。

Writer

アバター画像
K氏

ホラー以外を好む雑食系。ミーハーです。