Menu
(0)

Search

「ワンダヴィジョン」劇中CMまとめ ─ 意味深な描写、キャッチコピーから考察しよう

ワンダヴィジョン
『ワンダヴィジョン』 ディズニープラスで配信中 (c) 2021 Marvel

マーベル・スタジオが放つ異色のドラマ「ワンダヴィジョン」は、往年のシットコムを踏襲した劇中劇の形式で展開される。毎話エピソードの途中にはマーベル・シネマティック・ユニバースにちなんだ要素が登場するCM映像が挟まれるのだが、どうやらこの風変わりな演出は、お遊びやイースターエッグの目的に終わらないらしい。 

「ワンダヴィジョン」製作のジャック・シェイファーは、意味深なCM映像について「マーベルのファンならピンとくるものがあると思います。でも、それぞれの時代を再現しているので、マーベルを何も知らない人にとっても、物語を彩るものとして存在できる」と説明。そればかりでなく、CM映像は企画の初期段階において「ストーリーの一部だった」と明かし、現在も「非常に重要なもの。どうなるか見ておいてください」と伝えているのだ。

「ワンダヴィジョン」で描かれる物語それ自体が、おそらくワンダの見ている何かしらの幻や映像であることは毎話少しずつ示唆されている。それでは、途中に登場するCM映像は一体何を意味するのか。毎話、この記事にまとめていく。

第1話「公開収録でお送りします」:トーストメイト2000

この投稿をInstagramで見る

Marvel Entertainment(@marvel)がシェアした投稿

第1話では、突然のCM映像に驚いた視聴者も多いことだろう。アイアンマンことトニー・スタークの父ハワードが創業したスターク・インダストリーズの新商品として紹介されるのは、好みの焼き加減でトーストなどが焼ける『トーストメイト2000』。2000という数字には、当時未来的な響きがあったのだろう。

アシスタントの女性がパンをセットした瞬間、わずかにアイアンマンのチャージ音が聞こえること、途中からランプだけが赤いカラーになること、タイマー音がなぜか時限爆弾のように不気味に聞こえることがポイントだ。キャッチコピーは「過去は忘れよう。これが未来です(Forget the past, this is your furture!)」。

第2話「チャンネルはそのまま」:ストラッカーの腕時計

この投稿をInstagramで見る

Marvel Entertainment(@marvel)がシェアした投稿

「男のおしゃれに必要なアクセサリーは2つ。特別な女性。そしてストラッカー」……1960年代の男女価値観をあえて皮肉ったようなナレーションと共に紹介されるのは、ストラッカーというブランドの腕時計だ。

文字盤に刻まれているのは、『Strücker』のブランドロゴ、ヒドラのロゴマークと「HYDRA」の文字も確認できる(右部の「1000M」は耐水性能の表記だろう)。

ヒドラといえばキャプテン・アメリカらが苦しめられてきた悪の秘密組織で、ストラッカーのブランド名は『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』(2015)に登場したヒドラ残党バロン・ストラッカーにちないんでいると思われる。『エイジ・オブ・ウルトロン』序盤でワンダと弟ピエトロは、ストラッカーによる人体実験下にあり、ワンダにとってストラッカーはトラウマ的な存在なのだ。

腕時計にはスイス製であることを示す「SWISH MADE」の文字も見える。腕時計でスイス製といえばオメガやロレックスなどがあるので全く珍しくはないが、『キャプテン・アメリカ』シリーズでレッド・スカルに仕えた悪の科学者アーニム・ゾラもスイス人であるというのは、偶然なのだろうか。

第1話のトースターに続き、こちらもチクタクと時を刻んでいるのが意味深。指している時間は2時43分。キャッチコピーは「ストラッカーは常に時を刻む(Strücker. He’ll make time for you.)」。

第3話「カラー放送」:ヒドラ・ソーク

うまくいかない家事や育児に翻弄され、疲れた様子の女性が登場する入浴剤のCM。まるでワンダの能力になぞらえるように、「私の心が読めるの?」と反応する女性が、楽園のような場所で泡風呂に浸かる姿に、「すべてを水に流し、自分だけの世界に浸れます」というナレーションが重なる。続く声は、日本語字幕では「家にいながら安らぎのひと時を」というものだが、原語では“When you wanna get away, but you don’t wanna go anywhere”と言っていて、これは「どこかに行きたい/逃げ出したいけど、どこにも行きたくないときに」という意味深なもの。

第1話、第2話に聞こえたチクタク音は登場しない。商品は第2話の「ストラッカーの腕時計」に引き続き、ヒドラにちなんだ「ヒドラ・ソーク」。キャッチコピーは「内なる女神を見つけよう(Find the Goddess Within!)」。

現時点までのまとめ

「ワンダヴィジョン」で描かれるシットコムの世界が、すべてヴィジョンを失ったトラウマに苛まれるワンダが現実逃避に見る幻(ヴィジョン)なのだとしたら、各話の謎のCMにも深い意味が生じることとなる。これまでにCMで語られた情報を並べてみよう。

  • 第1話:過去は忘れよう。これが未来です。
  • 第2話:ストラッカーは常に時を刻む。
  • 第3話:すべてを水に流し、自分だけの世界に浸れます。/どこかに逃げ出したいけど、どこにも行きたくないときに。

今後のエピソードでも、さらなる謎や種明かしが登場することだろう。CM映像にも注目しながら楽しむとしよう。

Source:THR

Writer

アバター画像
THE RIVER編集部THE RIVER

THE RIVER編集部スタッフが選りすぐりの情報をお届けします。お問い合わせは info@theriver.jp まで。

Ranking

Daily

Weekly

Monthly