米ワーナー・ブラザース、ユニバーサルに売却される可能性があるとの米記事

米ワーナー・ブラザースが、今後2年以内に売却される可能性があるという。業界主要メディア米Varietyのレポートによると、身売り先の筆頭候補となっているのは米ユニバーサル・ピクチャーズだ。
ワーナーは、2021年に経営統合によって誕生したワーナー・ブラザース・ディスカバリー傘下にある。親会社CEOはデヴィッド・ザスラフ。
Varietyの記事は、ケヴィン・ファイギが全面的に指揮を取るマーベル・スタジオ作品とは違って、配信サービスのMaxも作品の主導権を持つDCスタジオはクリエイティブ・コントロールの責任所在が混沌としていると伝えた上で、別会社、おそらくはユニバーサルによる買収の可能性が持ち上がっていることで「近頃のDCの小ネタや動乱も古めかしいものに感じられる」と書き立てた。DCやワーナーを取り巻く環境が新たなフェーズに移ろうとしていることを示唆するものである。
「要するにザスラフが所有しようが、ブライアン・ロバーツが所有しようが、ほかの誰かが所有しようが、DCを動かす必要があるということだ」との、ウォール・ストリートのアナリストの声が紹介されている。ブライアン・ロバーツとは、ユニバーサル・ピクチャーズの親会社コムキャストのCEOだ。
ワーナー・ブラザースは2023年、スタジオ創立100周年を掲げたグローバル・キャンペーンを行っているところ。直近では『バービー』が世界的な大ヒットを記録したが、頻繁に挙げられるDC映画の不振や、蜜月だったクリストファー・ノーラン監督のユニバーサル移籍など、苦戦や苦境の話題も目立った。DC映画のほか『ハリー・ポッター』『ロード・オブ・ザ・リング』といった巨大フランチャイズを有しながら、新たな活路を見出せず燻っている。
ワーナー・ブラザースとユニバーサル・ピクチャーズは、ホームエンターテインメント部門では2020年にすでに統合を行い、合併会社を設立している。
現時点では「一部でそう話されている」と噂される域を出ないが、仮に買収が行われれば、2019年に成立したディズニーによる21世紀フォックス買収に匹敵する影響を生むことは必至。この当時、日本でも20世紀フォックス ホーム エンターテイメント ジャパン株式会社および21世紀FOXジャパン株式会社が解体され、以降は権利・人材がウォルト・ディズニー・ジャパンに吸収される流れとなった。
Source:Variety