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米ワーナー、DC映画ユニバースの製作陣営を全面再編へ ― ザック・スナイダーの監督予定なし

DCコミックス
The DC logo is a trademark of DC Comics.

米ワーナー・ブラザースが、映画『マン・オブ・スティール』(2013)に始まったDC映画ユニバースの製作陣営を再編する計画を進めているという。米Variety誌が独占で報じている。

これまでワーナー/DCコミックスは、『マン・オブ・スティール』、『バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生』(2016)、『スーサイド・スクワッド』(2016)、『ワンダーウーマン』(2017)、『ジャスティス・リーグ』(2017)と計5本の映画を発表してきた。しかし、ヒーローのクロスオーバー作品として期待された最新作『ジャスティス・リーグ』は興行面でスタジオの期待を下回る結果となっていた。ワーナーの親会社であるタイム・ワーナーは、こうした結果に満足していなかったという。

DC映画、キーパーソン2名の待遇変更へ

大きな変化は、『バットマン vs スーパーマン』の批評的苦戦を受けてDC映画ユニバースに参加した2名のキーパーソンが、早くもその待遇を変更されることだろう。

映画プロデューサーのジョン・バーグ氏はDC映画の製作から離れ、今後は『LEGO(R) ムービー』(2014)や『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』などを手がけたプロデューサー、ロイ・リー氏のパートナーとして活動するという。なおDC映画を主導する後任者は決まっていないということだ。
また、脚本のリライトや『アクアマン(原題:Aquaman)』などの共同脚本に参加してきたジェフ・ジョンズ氏は、DCエンターテインメントのチーフ・クリエイティブ・オフィサーという現職にとどまるとみられる。今後もコミックやテレビ番組、グッズなど幅広い仕事に携わるため、映画には関与することになるようだ。もっともVariety誌によると、その関わり方はアドバイザーに近いものへと変わっていく可能性があるという。

タイム・ワーナーから出向しているワーナーの幹部陣は、こうしたDC映画ユニバースの製作陣営を一新する動きを支持。ワーナー社長のトビー・エメリック氏は、DC映画をスタジオの主力事業として位置づける考えだという。すなわちDCコミックスという独立した部門で映画製作を進めるのではなく、ワーナーが直接取り扱う意向なのだろう。記事には、ジェフ・ジョンズ&ジョン・バーグの両氏が今後の作品でメイン・プロデューサーを務めることはなさそうだと記されている。

ザック・スナイダー、ワーナーとの契約を継続へ

従来のDC映画ユニバースで創作面のキーパーソンとされていたのが、『マン・オブ・スティール』『バットマン vs スーパーマン』を手がけたザック・スナイダー監督だ。『ジャスティス・リーグ』では監督としてクレジットされているものの、内容がワーナーの意向に沿わなかったとして大量の再撮影が行われたほか、愛娘の死を受けて製作を途中降板しており、作品の仕上げ作業はジョス・ウェドンが代行している。

Variety誌によると、現時点でザック監督が新たなDC映画を監督する予定はないという。ただし『アクアマン』や『ワンダーウーマン2(仮題)』など複数の作品でプロデューサー/エグゼクティブ・プロデューサーを務めているため、その名前がクレジットから消えることはなさそうだ。ただし現在取り組んでいるプロジェクトの終了後、ザックがDC映画ユニバースに関わるかどうかはわからない。

一方、ワーナーとザックの契約は継続されるため、今後、同社にてザックがなんらかの作品を手がける可能性はある。そもそも『ジャスティス・リーグ』を降板する際、ワーナーはザックの復帰を支援する意向を示していたのだ。ザックは新作スリラー映画『ラスト・フォトグラフ(原題:The Last Photograph)』の製作を発表しているため、これがワーナーでの復帰第一作となるかもしれない。ただし記事によれば、タイム・ワーナーは『バットマン vs スーパーマン』の酷評以降もザックを起用するワーナー・ブラザースの方針を快く思っていないという……。

こうして現在発表されているラインナップはそのままに、ワーナーはDC映画ユニバースの“仕掛け人”たちを総入れ替えしようとしている。なお、この再編は2018年1月に行われるようだ。新たな陣営がどのような顔ぶれになるのか、今後の動向にも引き続き注目していきたい。

Source: http://variety.com/2017/film/news/dc-films-justice-league-1202632214/
The DC logo is a trademark of DC Comics.

Writer

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稲垣 貴俊Takatoshi Inagaki

「わかりやすいことはそのまま、わかりづらいことはほんの少しだけわかりやすく」を信条に、主に海外映画・ドラマについて執筆しています。THE RIVERほかウェブ媒体、劇場用プログラム、雑誌などに寄稿。国内の舞台にも携わっています。お問い合わせは inagaki@riverch.jp まで。

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